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妹と兄、ぷらすあるふぁ  作者: 姫崎しう
いちねんめ
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日曜朝8時

 日曜日の朝。あたしは今お兄ちゃんの膝の上に座ってテレビを見ています。


 今やっているのはいわゆる戦隊ものです。


「男の子ってこういうのが好きなんだね」


「妹と同じくらいの年代ならそうかもな」


 お兄ちゃんは興味なさそうに答える。


「じゃあ、あーにぃはどうしてみてるの?」


 「大学生なのに」と首を傾げると「何となくだ」と返ってきます。


「そう言う妹は何でみてるんだ?」


 これは困りました。まさか「あーにぃが一緒だから」とは恥ずかしくて言えません。


「クラスの友達がね、俳優さんがカッコいいって言うから…」


 少し考えてそう言うとお兄ちゃんは「あぁ、なるほど」と感情の殆どない声で呟きます。


 気がつけば番組は次に移っていました。また男の子向けの番組です。


 初めは二人黙ってみていましたが気になることがあるので、上をむいてお兄ちゃんに尋ねます。


「変だよね。変身するときにシャバドゥビダ……」


 そこでお兄ちゃんに口を塞がれてしまいました。


「それ以上は危険だ、妹よ」


 お兄ちゃんそう言ってあたしを解放します。


「変だよね?」


「まぁ、色々なところでネタにされてるな」


「こういうのってもっとカッコいい方がいいんじゃないかな?」


 もしかしてこういうのがカッコいいのかなと思いながら口にします。


「でも、覚えるだろ。これ」


 予想外の答えが返ってきました。確かに耳に残ります。


「凄いよなー」


 お兄ちゃんは本当に感心しているのかわからない声で言います。


 でもそれでいいのかなと思いながら最後までお兄ちゃんの膝の上で番組を見続けました。

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