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閑話(7・5) 侍女さまは見た!!

すみません、先には進まず…侍女さま、アリアス視点からお届けします。



くふふふ。

わたくしはエヴァ様の侍女を勤めるアリアスと申します。

ワタクシ、このお役目を言い付かって本当に嬉しく思っていますの。


だって…だって…!!


わたくしは見てしまったのですわ!


あの完璧王、もしくは氷の王子とも呼ばれるディセル殿下の嬉しそうな笑みを!

ピンクオーラだだもれの目を!


ええ、ええ。わかっているのです。

だってわたくしは、2年前からエヴァ様のお側につくために侍女になったのですもの。


ディセル殿下が自ら毒の耐性の研究の為に静養と称して、『時を渡る魔女』と呼ばれる偉大なる医師に弟子入りし『森』に留学された後、それまで結婚の「け」の字も興味を示さなかった殿下がいきなり妃を迎えるために動き出したのです。


王や王妃、貴族たちにも根回しし反対されれば脅し…いえいえ説得し、その手腕はさすが「知の王に愛されし王子」と言われるほどすごかったのですから!


ですが、いつまでたってもその妃に迎える女性が現われない。


これはどういうこと?と思っていたところに現われたのが、レイランド殿下の恩人であるエヴァ様でしたの。


恩人がエヴァ様だって分かった時のディセル殿下の目ったら無かったですわ!


なんていうの?もう獰猛というか、絶対逃がさないっていう肉食な目だったのですわ。


その目、その顔を見た瞬間に、ああこの方が殿下が妃に迎えようとしている女性…(若すぎて一瞬ぎょっとしましたけれど)だと言うことがわかったのですわ。


まあ、想像より?大分イメージが違いましたけれど。


なんて…なんて楽しいお方なの!

その考えていることが駄々漏れなお顔と反応!

美しくはないけれど愛嬌のある、とっても面白い方。

しかも、25歳?ありえないですわ。どんだけ童顔ですの!


ディセル殿下ロリコン説が浮上したのは、しょうがないこと。まあ、違いましたけど。


…年齢を知ったのは何時頃なのかが気になりますわね…。


それにしても、楽しすぎる展開ですのよ!


ディセル殿下だけでなく、どうやらレイランド殿下もお気に入りの様子!

だって、だって!手に祝福ですわよ?あ、祝福とは「キッス」の事ですわよ?

もう、その時の光景ったら!叫ばなかったわたくしは偉いと思いますわ。

だって、あの「精霊王に愛されし王子」キラキラな太陽のような王子が騎士のように手にキッスをしているのですわよ?


それも着飾った、気にくわない貴族の女子ではなく、庶民で素朴な女の子(に見えるのでしょうがないのですわ)。


ああああ!

どこの物語から出てきたの!っていうシチュエーション!


す・て・き!!


それも、レイランド様はディセル様がエヴァ様のことを気に入っていると知っていてその行為をしたのですわよ?

これこそ、三角関係!

わたくしは、宣戦布告とみましたわ。

まあ、もしかしたら天然たらしならではの行動かもしれませんけど。


そこは、まあ、美味しい設定で行かせて頂きますわ。


もう、あまりに楽しすぎてディセル殿下にスグに報告しましたわ!


ああ、それを知ったディセル殿下はどんな顔をなさるのかしら。


あの完璧王の表情が崩れるところが見れるかもしれないなんて、なんて特権ですの!


でも、想像以上につまらない返しでがっかりでしたの。


「レイランド殿下は、エヴァ様がお気に入りなんですのね。さっきなんて手をこうとって…チュって祝福されたのですわ。なんともお似合いで、美しい姿でしたわ。」


って言ったら


「…ほう。で?何が言いたい?アリアス」


と冷たい目で一瞥されただけでしたもの。


ああ。つまらない。

レイランド殿下では嫉妬の対象にならないということ?

それとも、エヴァ様はただのカモフラージュで妃にしたい女性は別にいるとか?


いえいえ、そんなはずはないですわ。

だって、このわたくしを侍女につけたのですもの。



その夜のことでしたわ。


わたくしは、見ましたの。見てしまったのですわ。



殿下がエヴァ様の寝室に入っていかれるところを!


キターーーーーーーーーーーーーー!

夜這いいいいい!!!!!


ドアから覗いていたのでは、何をしているかも、なにを話されているかもわからないから、ワタクシは気配を消して忍び込みましたわ。

…天上に。


あら!あらあらあら!

エヴァ様はぐっすり寝ている様子。

まあ、殿下。

エヴァ様を見る目。とろんとろんですわ。

殿下はエヴァ様の髪を撫でながら、寝顔をじっと見つめています。

まるで幼子を襲う変態のようですわ!


「エヴァ…探した。どうして逃げた…?お前は、あの日の約束を、覚えているか?」


ふむふむ。


「…お前がどうやって俺の魔法からすり抜けたのか分からないが…この手に戻ってきたなら…もう放さない。逃がさない。…永遠、お前は、俺のものだ」


・・・・・っふ・・・・・


きましたわああああああああああああ!


この声、この顔!甘甘ですわ、ええ。もちろん氷なんて溶け切ってますわ!

これが見たかったのですわああ!


それにしても、エヴァ様やりますわね。あのディセル殿下から逃げるなんて。

なかなかの腕前ですわ。ますます気に入りましてよ!

そして約束!

約束とはなんなのでしょう!

ものすごく気になりますわ。明日から探りを入れることにしましょう。


あまりに興奮しすぎたせいか、その後見つかってしまったので(まあ、おそらく最初から気付いていたとおもわれますが…)殿下がエヴァ様に何をされたのか、それとも何もしなかったのかはわかりませんが・・・



朝、エヴァ様の首元に「印」がつけられていたことに、わたくしが気付かないはずがなく。


エヴァ様にきいたら「虫さされ」なんて真面目に言うものだから、殿下が少し可哀想になりましたわ。


だから、エヴァ様がハーブの調合に熱中されている時に、逢わせてあげましたの。

しかも、ちゃんとわたくしは退場いたしましたわ。

わたくしってば侍女の鏡!


ああ。これからも楽しいことが沢山ありそうですわ。

王妃様の反応も気になりますし。


でも、どんな未来でもわたくしが楽しめることは確定。


ああ、侍女になってよかった!!

さあ、エヴァ様。わたくしはどこまでもお供いたしますわよ。

もちろん、どんなことがあろうとも、お守りしお助けいたしますわ…


ですからエヴァ様。


逃がしませんわ。



はは。


変態は誰でしょうね?というか、侍女さまは何者?って感じに…。


本当ならディセル視点で書くはずが、固すぎる固すぎて筆が進まない為に侍女さまに登場して頂きました。


読んで下さって本当にありがとうございます!!


日に日に増えるお気に入りに顔がゆるんでしかたないです。


頑張ります!!

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