3 招待された理由
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「へえ…」
艶やかで、でもちょっと冷たい感じのする声が聞こえた瞬間、ゾクゾクッと鳥肌がたちました。
うふふ。ワタクシ、今、大変なことに気がつきました。
私の思考がディセル兄に駄々漏れだということは…私がさっきから「変態王子」と何度も、何度も、何度も!思っていることが、も、もしや…ばれ…
「エヴァ」
ぎゃああああああ!
絶対ばれてる。絶対!ばれてる!!
確かに氷の王子様です!すみません、ごめんなさい。私が間違ってました!
「そんなにお仕置きされたいのか。そうかそうか。なら今晩は私と一緒に寝…」
「ごめんなさい、ごめんなさい!すみませんでした!!」
やめてええ!レイ君とかアルシェイさんがいるのに、何言おうとしたのこの人!
青くなったり赤くなっている私をみて、アルシェイさんがもう我慢できないとばかりに吹き出しました。
「ふ、ふはははは!ディ、ディセル兄上が壊れてる!」
「…アル。」
「ふふふ。はいはい、すみませんね。兄上。でもそろそろ本題に入りたいのでエヴァさんを解放してあげませんか?ほら、エヴァさん泣きそうじゃないですか。」
「そ、そうですよ!ディセル兄上!人の恩人をなに虐めているんですか!」
うう。アルシェイさ〜ん。レイ君!
助けるの遅いよう…。
でも、ディセル兄…いや皇太子殿下は私を放そうとしません。っていうかむしろ更に力入ってません?こ、心なしか密着度がアップしているような…
「このままでかまわん。」
って、いやいやいや!この状態じゃまともに話できませんて!
恥ずかしくてまた現実逃避しちゃいますけど!
「それはそれで、面白いからいい。」
面白いって!絶対この人私の事オモチャにしてる!!
「でも、ずっとお膝抱っこだと、久しぶりに会えたのにその可愛い顔を見れませんよ?それに今回はレイを助けてくれたお礼だけでなくお願いしたい事もあるのだから、そのままというのは失礼になります。」
び、美形に「可愛い」って言われたー!
じゃなくて、お礼だけじゃなくてお願いしたいこと?え?どういうことでしょう?
話の流れが分からず、首をかしげているとディセル兄がゆっくりと膝から私を下ろし隣に座らせました。
や、やっと開放されましたー!
ちょっと嬉しくてディセル兄を見上げて、後悔しました。
目に映る美形が増えたーーーーーー!
2年ぶりにあったディセル兄はやっぱり綺麗で、でもあの頃より元気そう。
よかった。
ディセル兄は苦笑して、頭をなでてくれました。
その顔は2年前と変わらず、少しほっとしました。
見つめ合う二人に痺れを切らし、レイ君が「ごほん」
とわざとらしく咳をしたので、またしても恥ずかしくて顔を俯かせてしまいました。
「改めて、エヴァ。この間は本当に助かった。ありがとう。」
レイ君が頭を下げるものだから、びっくりして首を振ります。
「い、いえいえ!お役にたてて良かった!でももう大丈夫?あの後熱がでたりだるくなったりしなかった?」
「うん。大丈夫だったよ。それにエヴァの処方してくれたハーブティも全部きちんと飲んだおかげなのか副作用もなかったし。」
「よかった。」
ほっとして、息をはいたら少し落ち着きました。
笑顔のレイ君、さすがです。キラキラしてます。可愛いです!
は!いけない、いけない。またキラキラ光線にやられるところでした。
そう、実は私街で薬師をしていてレイ君はお店に運ばれてきた患者さんだったのです。薬師といっても、ちょっと変わった薬師なので滅多に重症患者は来ません。
というか、どちらかというと病気になっていない人たちがよくお店に来ます。
薬草も取り扱っていますが、私がメインに作っているのはメディカルハーブやアロマオイル。
自然療法の専門店なのです。
この世界は、私のいた世界と違って魔法や精霊など不可思議な力があります。
だからなのか、薬草や香草と呼ばれるハーブを健康維持のために使うという考えがあまり発達していません。
私がこちらに来てディセル兄と一緒に学んだのは薬草学。
…今思うと、ディセル兄はあそこで毒の耐性をつけていたのですね。皇太子という身分の為に。
そして、ディセル兄は天才だから、その毒の特効薬を開発していました。
ただ、自分自身を実験台にしていたから、いつも青白い顔をしていました。
すみません。ちょっとMなのかと…へんた…ごほん。かと思っていました。
申し訳ありませんでした…。
「私からもお礼を申し上げます。うちの末の暴れん坊を助けてくださってありがとうございました。エヴァさんは素晴らしい腕をお持ちですね」
「いえ、そんな…。」
「特にハーブに関しては、城の薬師や医師も驚いていましたよ。新しい分野だと。病を治すという前に、病にならないように防ぐというのはいい考えですね」
「あ、ありがとうございます…」
ああ。本当にアルシェイさんは癒し系キャラです。
ほっこりします。
「レイ。これに懲りたら、むやみやたらに街に下りるのはやめろ。大体王子が身分を偽って自衛団を作るとは何事だ。」
そ、そうでした!
レイ君は町では「レイモンド・フォルセーナ」と名乗っていて、フォルセーナ公爵の屋敷に滞在している為、街の人々からはフォルセーナ公爵家の血縁の坊ちゃんだと思われています。
だから皆「若様」とレイ君のことを呼んでいて。
そして、その若様は曲がったことが嫌いで、何度も人を助けていたらいつのまにか、まわりに人が集まるようになり、レイ君を中心とした『自衛団』が誕生していたという。
その有名なレイモンド君が、まさかレイランド王子だったとは驚きなのです。
私の店に運ばれてきた時も確か、自衛団として活動している時に誤って毒素の強い草で手を切ってしまい倒れてしまったからでした。
…改めて、元気になってくれてよかったです。
まぁ、これで私がお城に呼ばれた理由もわかりました。
けど…あれ?
お願いってなんでしょう?ここにディセル兄もいた事もあって、嫌な予感しかしません。
ちらりと隣をうかがうと、これまた何か企んでいそうな笑みを称えたままこちらをじっと見つめる魔王がいます。
なんだか、帰りたくなってきました…。
はい、すみませんです。
過去編にはなりませんでした(-_-;)ごめんなさいm(__)m
そして、説明文が多くなってしまい読みにくいかもしれません…。
文章って難しい!!
読んで頂きありがとうございました!
頑張りますので、広い心で応援お願いしまぁす!!