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10 魔王が来ました!!

アドバイス、間違い指摘などありがとうございます!!


なんだかアマアマからシリアスに…と目論んだはずがなぜが糖度濃いめに…胸焼け、胃もたれに注意して下さい。


侍女さまズとお話をして、頑張れそうな気がしてきたその日の夜に、早くも逃げたくなりました。


そう、来たんです。

来なすったんです。

あのお方が!


「…ええっと、殿下?放してくださいません?」

「殿下なんて呼ぶな。今は二人っきりだろう?名前で呼べ」


ぎゃ!この人また私の事膝に乗っけてますけれども、逃がさないように回している腕に力いれましたよ!

やーめーてー!

しかも、そこでしゃべるのやめて頂けません!?

みーみーがああああああ!

ふるふると、震えてしまうのは仕方ないと思います!


「で・ん・か!放してくださいってば!」

「…。」

「ディセル殿下!」

「…。」

「でっ…ぎゃああ!く、苦しい、苦しいって…ぐふ…」

「…。」

「ディセル兄!」

「…ふっ。」


っふ。

じゃないわあああああああ!

鬼だ、この人鬼だ!今一瞬天国見えそうになった!

どれだけ力入れるんですか!それだけ力こめれば抱きしめ死ぬわ!

いやだ、死に方が抱きしめられすぎて死ぬなんて恥ずかしすぎて、嫌だ!

殿下って呼んだだけで、この苦しめよう…どうしたらいいんでしょう。


「二人の時くらい、普通にすればいいだろう」

「普通ってなんですか。普通にしてれば『殿下』って呼びますよ。仮にも王子様でしょう?そんな御方をいくらなんでも『兄』呼ばわりできません。」

「だから、人がいるところでは我慢してるだろう。」

「我慢って…だから…」

「レイには、二人っきりの時は『レイ君』呼びを許したのだろう?なら俺もいいだろ。ああ、それでも『殿下』は堅苦しいな。人前では『様』をつければいいだろう。もちろん二人の時は名前で呼べよ?できれば『兄』も抜いて欲しいのだがな」

「…冗談でしょう?」

「なぜ俺が冗談を言わねばならんのだ」


…頭痛くなってきました。

「…もう。わかりました。でも、本当に二人の時にしか呼びませんからね。」

「ああ。それでいい」


…。

…。…。…。


ぎゃああああああああああ!


見ちゃった、久しぶりに見ちゃった!


ディセル兄の爆裂メロメロ光線入り最強キラッキラ笑顔!!!

この人滅多にこんな晴れ晴れとした笑顔見せないから、たまに見ると破壊力半端ないんですって。

後ろ向いてればよかった!!!


私、今絶対顔真っ赤です。だって、熱いですもん。

ああ、脳死するうううう。


「また可笑しな顔になってるな。」


誰のせいだと???


「それよりお前、ハーレムでも作る気か。」

「はい?」

ああ、、無表情になった。ある意味冷徹なディセル兄の方がほっとします。

それより、今なんて?


「侍女たち味方につけて、レイランドも虜にして、これ以上どうする気だ。」

「どうって…侍女さまズはここで仕事するのに円滑にやっていくためにお願いしただけだし、レイランド君を虜になんてしてないですよ?あのキラキラ、しっぽふりふりは元々ですよね?」

「…はぁ。レイはお前のこと気に入っているぞ」

「ん?でも、恩人だと思っているからでしょう?まあ、嫌われてはいないと思いますけど…」

「…今までそうやって泣かされた奴はどれだけいるんだか…」


何言ってるんですか。この人は。

まるで私が悪女みたいじゃないですか。

とっても残念ですが、私は容姿もなにもかも普通っていうのが取り柄でして。

モテたことなんて、あっちでもこっちでもありません。

…なんか、幼児を可愛がるような事をされることは多いですけどね。今みたいに。


「あまり、魅力を振りまくなと言ったはずなんだがな。」

「振りまいてませんって。ってか、いい加減放してくださいって。ディセル兄ってば!」


ばたばたと暴れてみますが、相変わらずびくともしません。

なんでだあああ!


「まだ、聞きたいことがある。永遠」

「はい。」


ああ、また永遠って呼ばれた…。


「お前、母上に何をした?」

「へ?何って?」

どういうことでしょう?

「ここに来る前に、母上に会ってきたが…あまりに急に良くなりすぎている。」

「へ?あ、まあ、確かによく話もされてましたし、最後の方は顔色も良くなってましたけど…薬を処方したわけでもないし…ただ手をにぎって励ましたり、ハーブティを一緒に飲んで話をしたくらい…ですけど?」

「…では質問を変える」

「へ?」

「お前、あの家から…いやあの森からどうやって出てきた?」


いきなりなんでそんな質問?


「え…どうやってって…普通に…ドアから…」

「師匠と一緒にか?」

「…いいえ。師匠は、帰ってこなかったから…ディセル兄も1年たっても帰ってこなかったから…村に住んでたクリスがこの街に出ていくっていう時に便乗させてもらって…」

「どうやって、村を出た」


ディセル兄の手が痛い。なんでこんなこと聞くんでしょう。


「答えろ、永遠」


ぐっと、体を回転させられて、ディセル兄と抱き合う形になりました。

顔が近い…けど、その瞳が、顔があまりに真剣すぎて、驚けませんでした。

私の腕をつかんでいる手が、痛い。


「…どうやってって…言われても…いたっ…痛いよ。ディセル兄…」

「…なにも、感じなかったのか?」

「…?何を?」

「…そうか…」


ふっと、手の力が抜けて、ディセル兄の顔が私の肩に乗りました。

ええと…どういうこと?っていうか、どういう状態なのでしょう…。


「あの…ディセル兄?」

「…あの村には、俺の魔法がかかっていたんだ。」

「へ?」

「…永遠を守るための、魔法。出て行かせないための、魔法がな」

「はい?え?でも、出て来れましたけども…」

「そう、だから驚いた。お前がいなくたったって事を知ってな。・・・ずいぶん探した。師匠も、見つからないしな。どうやっても、お前の居場所がわからなかった」

「…あの…ごめんなさい…でも…」

「でも?」

「…ディセル兄も、師匠も…帰ってこなくて…あそこで一人待っているなんて、私にはできませんでした。どれだけ待てば、よかったんですか?それに待ってたって、どうしようもなかったじゃないですか。ディセル兄、王子様でしょう?今だって、お仕事大変なんでしょう?顔色よくないし。待ってたって私のこと迎えになんて来れなかったじゃないですか。迎えに来たって、しょうがないじゃないですか!」

「永遠…」

「わかってました。わかってたんです。一緒にいた時から、絶対ディセル兄、只者じゃないって。どっかの貴族様だったり、王子様なんだろうなって。…本当に王子様とは思わなかったけど…けど、私はただのとばっちりで来たただの異世界の凡人です。だから、だから…」


ああ、泣きたくないのに。言葉が溢れて泣きそうです。

こんなこと、言うつもりないのに…。


「落ち着け。」


ぎゅっと、ディセル兄が抱きしめてきました。

昔みたいに。

…だから余計に涙があふれてきてしまいました。

「…お前について、一つ分かったことがある。」

「…っく…ひょえ?」

「お前には、魔法がきかない。」

え?魔法が?

「…じぇも…魔法の…道具とか…ちゅ…使ってりゅ…」


ああ、どうしよう。半端にないてしまったせいか、呂律が回りません。

恥ずかしすぎる…。

抱かれているせいもあるけど…今絶対顔あげられません…。


「おまえ自身にかける魔法がきかないんだ。だから、おそらく俺がかけた『籠の鳥』の魔法もかからなかった。」

…『籠の鳥』の魔法?

「お前をあの村から出さないようにする魔法だ。」

…あの、それって…

ちょっと…さっきはなんとなくスルーしちゃったけど、監禁とか、そんな怖い魔法じゃありません?『籠の鳥』って…


「それだけでなく、もしかしたら…」


ディセル兄がまだ何か言ってましたが、私はそれどころではありませんでした。

監禁?守るためって言ってたけど、それって、監禁するってことだよね?逃がさないって事だよね?

…やっぱり変態?変態だよね?

それって、危ないよね???


「…おい、永遠。」

「ぎゃ!」

「…ぎゃって、お前な…。今大事な話をしていたのに、聞いてなかっただろう」


ぐいっと、顔を上げられました。


が!


近い近いチカイ!

思わず、ぎゅっと目をつぶってしまいました。


「…。」


そして次に感じたのは、唇に柔らかい感触…って…


ぎゃああああああああああ!


「い、いいい、いま、いま、いま!」

「…そこで目をつぶるお前が悪い」

「ちょ、そ、ま、う?」

…ちょっと、そんな、まって、うそでしょ?

私が真っ赤になって、ぱにっくになって、さらには固まっているのに、ディセル兄は「はあああ」と深く溜め息をつかれました。

…ちょっとムっ。


「いい。お前といると力が抜けるな。悪かった、疲れてるだろ。今日はもう寝ろ。」

「へ?」

「…ちょっと仕事が立て込んでるから、しばらくは来れん。母上のこと頼んだ。お茶を一緒にするだけでなく、毎日手を握ってやってくれ。お前と触れていると疲れがとれるからな。」


え、ちょっと待って・・・

私の頭をぽんぽんと叩いて、膝の上から開放したかと思ったら、いわゆるお姫様だっこでベッドまで運んでくれました。

…は、恥ずかしすぎて死にそうです。

なんか、大事なこと言っていた気がするのですが、まったく頭に入ってきません。


「じゃあな。おやすみ」

そういうと、額にまたしてもキスを落としていかれました。

っと、固まっている場合じゃなかった!


「っ!ディ、ディセル兄!」


振り向く彼の顔色はやっぱり悪くて。


「…お仕事、大変なのはわかるけど、ちゃんと、寝てね。…いってらっしゃい」

「…ああ。大丈夫だ。充電したからな。…行ってくる。」


自分の唇をトントンと叩きながら、そう言ったディセル兄には、やっぱり破壊力が半端ない笑顔があって…。


私はそのまま、憤死しました。


こんの、エロ大魔王があああ!!!





やはし、ディセルが出てくると甘口になってしまいます…(-_-;)


すみませんです。


皆様の暖かい心で頑張れてます。読んで頂きありがとうございます!!


これからも頑張ります!!

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