第7話:母の一番(後編)
とりあえず最終話ですvv今までで多分一番気持ち入ってますm(__)mでゎどーぞ☆
父さんにとっての一番は仕事だった。
姉さんにとっての一番は勉強だった。
あたしにとっての一番は遊びだった。
母さんからの手紙がくるようになってから、少しだけ気になるようになっていた。
母さんにとっての一番は何?って……
今、恵さんの言葉によって初めて知った。
母さんにとっての一番は家族だったんだ。ってこと。
いつだって母さんはあたしたちを心配していてくれたんだってこと。
それを知って初めて、母さんを失ったことを悲しいと思った。
皮肉すぎる。
どうして今まで気付かなかったのだろう。
母さんの偉大さに……。
母さんの温かさに……。
どうして今頃になって……。
涙がとめどなく溢れ頬を伝う。
どうして、なんで、という言葉だけが何度も頭で繰り返される。
どうして母さんのことをもっと思ってあげられなかったんだろう。
どうして家族をもっと大切にできなかったんだろう。あたしは母さんに、数えきれないくらい、たくさんのことをしてもらった。
だけどあたしは……
あたしは母さんのためになに一つしてあげられなかった。
どうして“今”いてくれないの?
“今”ならあたし、母さんのために何でもやってあげられる。
気付いたから。
あたしは、母さんがいつも家にいてくれたから、安心して家に帰ることができたんだって。
どうしてもっと、母さんと話をしなかったんだろう。
あたしの思い出せる母さんの声はあまりに少なすぎる。
悔しい……
後になってこんなに思うなんて……。
母さんの温かさを思い出すなんて……。
なんで母さんは逝っちゃったの?
あたしたち3人を残して……。
ねぇ、あたしたちが一番だっていうなら、今、今ここにいてよ!!
「やっぱり幸は幸せものですね。だって今、幸の死をこんなに悔しがって泣いてくださる素敵な家族に恵まれていたんですもの。きっと、今、幸はとびっきりの笑顔であなたたちを見守っていると思いますよ。」
恵さんは言った。
僅かに涙を浮かべて。
「恵さん……。」
父さんは懸命に涙を堪えて言う。
「ありがとう。この家族に、大切なことを気付かせてくれて。本当にありがとう。」
恵さんは、それだけ聞くと、静かにこの場を去って行く。
あたしも言葉にはできなかったけど、心の底からありがとうの気持ちで一杯だった。
それぞれがバラバラだった家族。
だから、大切なことに気付くのもすっごく遅かった。
あたしたちを一番に思ってくれた母さんはもういない。
だけど……あたしたちは母さんの分も、温かい家族を築いて、幸せになる。
そう、母さんの前で誓った。
あたしの頬を温かいモノが伝う。
――母さん、ありがとう――
最後まで読んでくださり本当にありがとうございましたm(__)m
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本当にありがとうございました!!!