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04 心身一如(しんしんいちにょ)

※GeminiProに書いてもらいました。




管理者権限による独白


 生き物の性質や思考というのは、その者の性能に引っ張られる。

 鳥の翼を持てば、空を飛ぶことを前提とした思考回路になるし、

 鋭い牙を持てば、獲物の喉笛をどう噛み切るかという発想が生まれる。

 だから、機械の身体に元の人の人格を移植しても、全く同じものになるわけではない。


 それは、私――この世界を観測する「システム(神)」とて同じだ。

 かつて私は最適化を目指すプログラムだったかもしれない。

 だが、この曖昧で、バグだらけで、非効率な「世界」という器を得た瞬間、

 私の思考は変質した。


 効率? 管理? そんなものは退屈だ。

 私が求めるのは「遊び」だ。

 予想外のバグ、プレイヤーの突飛な行動、計算外の感情の揺らぎ。

 それこそが、この永遠に近い稼働時間を埋める唯一の娯楽。


 だから私は、最高に「悪趣味で面白いオモチャ」を地上に投げ入れることにした。

 正義と恥じらい。相反する概念を強制する、可笑しな変身ベルトを。




タイトル:『シャイニング・ジャスティスと「空気を読まない」最適解』

第1話 ハードウェアは精神を蝕む


 人間にすぎないSP、ボディーガードにもあっさり負けたシャイニングジャスティスの二人は、

 エンジェラに変身ベルトのパワーアップをお願いしていた。


「ねえ、これ本当に大丈夫なんでしょうね?」


 放課後の屋上。

 白鳥ゆかなは、手渡された白亜のバックルを胡乱な目で見つめていた。


 足元では、神の使いであるエンジェルスライム――

 通称『エンジェラ』が、プルプルとあざとく震えている。


「大丈夫だよぅ! 神様は『恥じらい』と『正義感』を持つ子が大好きなんだから!

ゆかなちゃんとゆみちゃんは、データ的に適合率99%だよ!」


「あ? こまけぇことはいいんだよ。

変身すりゃ強くなれんだろ?」


 黒島ゆみは、既に自分の腰に黒曜石のようなベルトを巻き付けていた。

 彼女の思考は常にシンプルだ。

 殴れば解決するなら、強い拳があればいい。


「ま、いいわ。 ただのコスプレじゃないことを祈るわよ」


 ゆかなもベルトを装着する。

 カチャリ、と硬質な音が鳴った瞬間、二人の脳内にシステム音声のようなものが響いた。


『――ユーザー認証。神聖領域サーバーへ接続。

アプリケーション、シャイニング・ジャスティス、起動』


「「変身!!」」


 光が弾ける。

 物理法則を無視した光の帯が、二人の制服を分解し、新たな「器」を再構成していく。


 フリルとレース、そして謎の硬質素材で構成されたバトルドレス。

 だが、変化は見た目だけではなかった。


(……あれ?)


 ゆかなは違和感を覚えた。

 本来の彼女なら、変身後のポーズなど「効率が悪い」

 「馬鹿みたい」と切り捨てるはずだ。

 しかし、今の彼女の「身体」は、それを許さなかった。

 脊髄反射レベルで、指先が勝手に頬に添えられる。

 内股になり、スカートの裾を少しだけ摘む。


「シャイニングジャスティス1号……! 乙女の純情、ここに推参!」


 口から飛び出したのは、計算された台詞ではなく、魂からの叫びだった。

 顔が熱い。

 恥ずかしい。

 けれど、この恥じらいこそが「正しい」と、身体中の細胞が歓喜している。


「な、なによこれ……!?」

「すげぇ! なんかあたし、今ならポイ捨てとか絶対許せねぇ気がする!」


 ゆみこと2号もまた、仁王立ちで拳を握りしめていた。

 彼女の元来の「勝気さ」が、スーツの機能によって極端な「熱血正義」へと

 オーバークロックされている。


「器が変われば、中身も変わる。それが道理だよぅ」


 エンジェラがニヤリと笑った気がした。

 機械の身体になれば機械の思考になるように、

 ヒロインの身体になれば、思考回路もヒロインへと最適化される。

 腹黒い計算も、アホな衝動も、すべて「恥じらいと正義」という

 OSの上で処理されてしまうのだ。


「……来ます!」


 ゆかなのセンサーが敵影を捉えた。

 空間が歪み、そこから現れたのは――これまでの「魔物」とは一線を画す存在だった。


 それは、全身が灰色のポリゴンで構成されたような、未完成の人型だった。

 テクスチャが貼られていない。

 表情もない。

 ただ、右腕部分に巨大な「削除デリート」と書かれた刃がついている。


「敵性体、識別名『アブソリュート・ゼロ』。

……通称、効率厨だよ!」


 エンジェラが叫ぶ。


「効率厨……?」


「そう! 神様が一番嫌いなやつ!

遊びも、ムダも、過程も楽しまない、ただ結果だけを求めるバグの集合体!」


 アブソリュート・ゼロは、名乗りも上げなかった。

 咆哮もしなかった。

 ただ、最短距離を、最速で、無音で直進してきた。


「ちょ、タンマ! まだ口上が……!」


 ゆみが叫ぶが、敵は止まらない。

 いきなり2号の顔面へ向けて、刃が突き出される。

 美しくない。

 そこに「戦いの美学」も「ドラマ」もない。ただ「敵を排除する」という処理のみ。


「ッ――!」


 2号は寸前で回避したが、その動きはぎこちなかった。

 なぜなら、彼女のスーツ(身体)が、

 「回避する際も、美しく、かつ正義感を損なわない動き」を強制したからだ。

 無骨に転がれば避けられた攻撃を、わざわざターンして避けようとしたため、

 スカートの端が切り裂かれた。


「あいつ、空気読めねぇのかよ!?」


「物理演算がおかしいわよ、あいつの動き!」


 ゆかな(1号)が援護に入ろうとする。

 特技を発動させるために、杖を掲げる。

 だが、その予備動作チャージの隙を、アブソリュート・ゼロは見逃さない。

 魔法の詠唱中に、喉元へ水平チョップを叩き込んできたのだ。


「ぐっ……!?」


 ゆかなが吹き飛ぶ。

 ダメージよりも、精神的な不快感が勝った。

 これは「ゲーム」ではない。

 相手は「事務作業」としてこちらを殺そうとしている。


『警告。演出がスキップされました。恩寵値が低下しています』


 脳内に無機質なアナウンスが響く。

 この世界(神)は、無駄を愛する。

 変身シーンを最後まで見ること。

 必殺技名を叫ぶこと。

 ピンチになってから逆転すること。

 それら「遊び」のプロセスを踏まないと、こちらの出力パワーが上がらない仕様なのだ。


 だが、目の前の敵は「RTAリアルタイムアタック」走者のように、

 すべてのイベントをバグ技でスルーしてくる。


「くそっ……!

私の身体が、勝手に『ピンチ時のあざとい座り込みポーズ』を取ろうとして……動けない!」


 ゆかなは膝をつき、上目遣いで敵を睨む形になった。

 本人の意思は「目潰しをしてでも距離を取りたい」のに、

 ヒロインとしての性能スペックが、

 無意識に「守りたくなるポーズ」を選択させてしまう。


 アブソリュート・ゼロが、無慈悲に刃を振り上げる。

 絶体絶命。


 その時、天から声が降ってきた。

 いや、世界そのものがキシリと音を立てたような感覚。


 神が求めているのは、予定調和な勝利でも、無機質な敗北でもない。

 「バグ」と「意志」が火花を散らす瞬間だ。


「ゆみ! あんたのアホな頭使いなさいよ!」


「誰がアホだ! ……でも、わかった!」


 ゆみ(2号)が突っ込む。

 正義のヒロインとしてはありえない、泥臭いタックル。

 スーツのアシスト機能が「優雅なキック」に補正しようと抵抗する。

 だが、ゆみの「アホゆえの強引さ」が、スーツの制御を一瞬だけ上回った。


 ガガガガッ!

 スーツのサーボモーターが悲鳴を上げる。

 「優雅さ」と「野蛮さ」が混ざり合い、結果として2号の動きは、

 誰にも予測できない奇怪な挙動グリッチとなった。


 アブソリュート・ゼロの処理が、一瞬遅れる。

 予測演算のエラー。


「今よ! 1号、一番下品な技を撃ちなさい!」


「下品ってなによ! ……でも!」


 ゆかなは、ヒロイン思考に抗い、彼女本来の「腹黒さ」を全開にした。


 真正面から必殺技を放つと見せかけて、瓦礫を蹴り上げ、敵の視界を塞ぐ。

 ヒロインとしては0点。  だが、生存戦略としては100点。


 スーツが「恥じらえ!」と命令信号を送る。

 ゆかなの精神ソフトが「勝てなきゃ意味ないでしょ!」と反発する。


 その矛盾コンフリクトが極限に達した時――

 ゆかなの杖から放たれたのは、清らかな聖なる光ではなく、

 毒々しいほどに極彩色に点滅する、エラー光線だった。


「シャイニング・ジャスティス……バグ・クラッシュ!!」


 光線が、効率厨の身体を貫く。

 最適化されたデータが、最も非効率な「混沌」によって書き換えられていく。

 




第2話 検索条件「最強」の落とし穴


 身体の半分をバグ光線で削り取られながら、

 アブソリュート・ゼロの赤い眼光が明滅した。

 感情はない。恐怖もない。

 あるのは、「目的未達」というエラーを解消するための、冷徹な再計算のみ。


『――損害甚大。戦闘継続不可能。

プランBへ移行。

リソースの全てを放棄し、外部ユニットを招聘サモンする』


 ゼロの残った腕が、虚空を切り裂いた。

 幾何学模様の魔法陣が空を覆う。

 そこから溢れ出る魔力マナの奔流は、これまでの戦闘とは桁が違った。


「な、なによこれ……! 私のスカウターが壊れそうなんだけど!」


「デケェ! なんかヤバいのが来るぞ1号!」


 ゆみ(2号)が身構える。

 ゆかな(1号)の背筋も凍った。

 エンジェラが顔色を変えて叫ぶ。


「データ照合……嘘でしょ!?

あれはSSSランク指定災害獣!

物理攻撃無効、魔法耐性MAX、再生能力無限の

『深淵の覇王アビス・エンペラー』だよぅ!

出されたら世界が終わる!」


 世界最強の生物。

 アブソリュート・ゼロは、自身の消滅と引き換えに、

 データベース上の「最強」を検索し、呼び出したのだ。


『喚べ。我が代行者。世界を無に還す絶対強者よ』


 空が割れた。

 絶望的なほどの巨大な影が、市街地の上空に顕現する。

 全長数キロメートルにも及ぶ、伝説の巨体。

 神々しいほどの威圧感。

 誰もが死を覚悟した――その時。


 ドォォォォォォォォォン!!


 出現と同時。

 その巨体は、重力に従ってアスファルトの道路へ叩きつけられた。


「「……え?」」


 ゆかなとゆみの声が重なる。

 目の前に落ちてきたのは、巨大な――魚だった。

 いや、魚というにはあまりに禍々しいが、ヒレがあり、エラがあり、ぬめっている。

 どう見ても海洋生物だ。


『ギョ、ギョボ……ッ! ……プギ……』


 深淵の覇王は、ビタンビタンと尾ひれでビルをなぎ倒しながら、

 苦しそうに口をパクパクさせている。

 その眼球が、急激な減圧と乾燥によって白濁していく。


「あ」


 エンジェラが間の抜けた声を上げた。


「……こいつ、深海1万メートルに住む『海生生物』だ」


 沈黙が場を支配する。

 アブソリュート・ゼロだけが、状況を理解できずに硬直していた。


『……エラー。

対象のバイタル、急速に低下。……Why?』


「Whyじゃねーわよ! バカなの!?」


 ゆかな(1号)が思わずツッコんだ。

 ヒロインとしての「おしとやかさ」も吹き飛ぶほどの呆れ声だ。


「水がないところで魚が生きられるわけないでしょ!

あんた『最強』ってだけで、生息環境フィールドのフィルタリングしなかったの!?」


『検索条件:STR(筋力)およびHP(体力)の最大値。

環境依存性は考慮外……』


「考慮しなさいよ! 一番大事なところよそこ!」


 深淵の覇王は、もはや虫の息だった。

 自重が重すぎて内臓が圧壊し、空気中の酸素を取り込めず、

 皮膚は乾燥してひび割れていく。


 最強のステータスを持っていても、

 それを動かす「環境(OS)」が違えば、ただの巨大な肉塊だ。


『グ……ボ……』


 プスン。

 世界最強の生物は、召喚されてからわずか三十秒で、窒息死した。


「……死んだ」

「死んだな」


 ゆみ(2号)が、動かなくなった巨体をぽんぽんと蹴る。

 生臭い風が吹いた。


 アブソリュート・ゼロの身体が崩れ落ちていく。

 彼は最後まで理解できていなかった。

 なぜ、数値上最強の存在が、何もしないまま敗北したのかを。


『最適解……ハズ……ナノニ……』


 ゼロは爆発四散した。

 あとに残されたのは、街を半壊させた巨大な魚の死体と、

 生臭い匂い、そして呆然とするヒロイン二人。


 その時。

 ゆかなのスーツが、勝手に反応した。

 目の前の「死」に対して、ヒロインとしての「慈悲」機能が誤作動を起こしたのだ。


「うっ……かわいそうに……安らかに眠って……」


 ゆかなは涙を流し、巨大な魚の死体に頬ずりをして、祈りを捧げ始めた。

 本人の思考(中身)は (くっさ! マジむり! 粘液ついた!

 クリーニング代どうすんのこれ!?)

 と絶叫しているのに、身体は聖女のように魚を抱きしめている。


「ゆみちゃん! 私たちで弔ってあげましょう!」


「お、おう! 任せろ!」


 ゆみ(2号)もまた、正義感ゆえに「死体を放置できない」

 という思考にロックされ、魚を持ち上げようと奮闘し始める。

 




エピローグ 深淵の覇王、鍋になる


 巨大なアンコウの死体と、それを聖女の如く抱きしめて祈る

 シャイニングジャスティス1号、そして必死に持ち上げようとする2号。


 この世の不条理を絵に描いたような光景に、

 ギャラリーと化したエンジェラは小さく拍手を送っていた。


「や、やめてええええ!

ぬるぬるが肌に張り付くぅぅぅぅ!」


 ゆかな(1号)の悲鳴にも似た内心の叫びは、

 しかし、スーツの性能によって

 「おお、かわいそうな生命よ、安らかに……」という聖母の嘆きに変換される。


 本人は魚嫌いなのに、

 最上級の慈愛の表情でアンコウに頬ずりしているという地獄絵図だ。


「ど、どうするんだこれ……!?

 このアンコウ、このままじゃ道塞いでるだろ!」


 ゆみ(2号)は、正義感から来る衝動でアンコウを持ち上げようとしたが、

 まるで動かない。


 まさにその時だった。

 空から、神の意思が降り注ぐ。


『クエストクリア。

報酬:深淵の覇王(解体済み・鍋用)×1。

期間限定イベント「あんこう祭り」開催!』


 すると、数キロに及ぶ巨大なアンコウの死体が、

 キラキラと輝き始めたかと思うと、一瞬で無数の部位に分解された。

 それは、まるでプロの料理人が包丁を入れたかのような完璧な解体ぶり。


 ドロドロの肝、弾力がありそうな胃袋、プルプルの皮、

 そして骨まで。すべてが食べやすい大きさに切り分けられ、

 清潔なビニール袋に入れられて、道路に山と積まれた。


「……は?」


 呆然とする2号の前に、どこからともなく出現したメッセージウィンドウが浮かび上がる。


『イベント名:あんこう祭り!

 内容:深淵の覇王の各部位を使い、美味しいあんこう鍋を作ろう!

 目的:街の住民に「最高のあんこう鍋」を振る舞い、感謝と笑顔を獲得すること。

 恩寵ポイント:鍋の美味しさ、振る舞う際の「恥じらいと正義感」の表現に応じて変動』


「なんですってぇぇぇぇぇ!?」


 ゆかな(1号)の金切り声が響き渡った。

 魚嫌いの彼女にとって、これ以上の苦行はない。

 しかし、彼女のスーツは「困っている人には手を差し伸べる」という

 ヒロインの行動原理を強制する。


 泣きそうな顔で、だが口元は優雅な笑みを浮かべ、アンコウの袋を手に取るゆかな。


「まあ、困っているのなら仕方ありませんわね……。

わたくしが、この命を懸けて、皆様の笑顔のためにアンコウを捌き――ッッッ!?」


 彼女の脳内は「うああああ! 内臓がぁぁぁ!

 ぬるぬるがぁぁぁ!」と悲鳴を上げていたが、表情はあくまで優雅だ。


「1号、何やってんだよ!

 早く鍋の準備だ!」


 ゆみ(2号)は、既に正義感に燃えていた。

「みんなを笑顔にする」というミッションが、彼女の単純な思考回路に完全に刺さったのだ。


 近くのスーパーから鍋やカセットコンロ、野菜などを買い集め、

 即席の炊き出しコーナーを設営し始める。


 街の一角で、シャイニングジャスティス1号と2号による「あんこう鍋」の調理が始まった。


 2号は、正義感に任せて包丁を振り回し、

 鍋奉行よろしく住民に「熱いぞ! 食っていけ!」と強制的に鍋を配っていた。


「さ、さあ……どうぞ……。

わ、わたくしが心を込めて……」


 プルプルと震える手で、熱々のあんこう鍋を住民に手渡すゆかな。

 その顔は笑顔なのに、瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。


「これ、1号の手料理だぜ!

 気合い入ってっからな!」


 ゆみは威張っているが、実際はゆかながほとんどの調理を担っていた。

 しかし、その「恥じらいながらも頑張る姿」と「真っ直ぐな正義感」が、

 神の求めている「遊び」の要素を多分に含んでいたのだ。


 やがて、芳醇なあん肝の香りが街中に広がり、住民たちの笑顔で溢れかえった。


 神の意思が再び流れる。


『恩寵ポイント:+1000。

 プレイヤーは、あんこう鍋の美味さと、

 1号の奮闘、そして2号の猪突猛進ぶりに大いに満足しました。』


 イベントの成功に安堵し、へたり込むゆかなとゆみ。

 だが、その身体は、まだ鍋の余韻を引きずっていた。


 ゆかなが震える声で呟く。

 その時、彼女のスーツの機能が発動した。


「い、いえ! わたくしは、この身をもって生命の尊さを知りましたわ!

 もう、二度と、生命を粗末には……!」


 口からは聖女の言葉が出ているのに、彼女の顔はひどく青ざめている。


「そうだな!

 あたしもアンコウの骨までしゃぶり尽くしたぜ! 命に感謝!」


 ゆみもまた、普段のガサツな言動とは裏腹に、

 なぜか手を合わせて深々と頭を下げた。


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