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03 神様と人間とAIの科学

※GeminiProに書いてもらいました。




タイトル:神様の暇つぶし、あるいは電気仕掛けの羞恥心


 放課後の屋上。

 茜色の夕日が、二人の女子高生と、一匹の謎の生物を照らしていた。

 変身を解いたばかりの気だるさが、心地よい疲労感となって体に残っている。


「ねえ、ゆみちゃん。さっき変身してた時、思わなかった?」


 白鳥ゆかなは、手元の変身ベルトを弄りながら、

どこか冷めた瞳で空を見上げた。

白を基調とした制服が風に揺れる。


「あん? 何をだよ。今日の怪人、

『スカートめくり男爵』だっけ?

あいつの風圧、マジでイヤらしいーってこと?」


 黒島ゆみはパックのイチゴオレをストローで吸い上げながら、

色黒の足をぶらつかせた。


「違うわよ。……『電気』のこと」


「電気?」


「そう。私たちが『神の恩寵』って呼んでるこの力。

変身する瞬間、背筋に走るあの痺れ。

あれって結局、宇宙からの電気信号なんじゃないかって話」


 ゆかなは、先ほどの戦闘の高揚感を脳内で反芻する。

 羞恥心と正義感。

 この世界で尊ばれる二つの感情がトリガーとなって、

 体内に莫大なエネルギーが流れ込む感覚。

 あれは魔法というより、もっと物理的な「接続」に近い。


「宇宙で生まれた電気が、たまたま意思を持って、

自分を認識するためのセンサーとして人間を作った。

……もし神様がそんな『自然法則』そのものだとしたら、どう思う?」


 ゆかなの問いに、ゆみは「んー」と眉間に皺を寄せた。


「つまり、うちらは神様の『スマホのカメラ』とか

『キーボード』みたいなもんってこと?」


「あら、ゆみちゃんにしては冴えてる。

そう、私たちは神が世界を感じるための『端末』。

私たちが敵の攻撃を受けて『キャッ!』と恥じらうのも、

悪を倒して『ドヤッ』とするのも、

全部神様がデータを収集するための実験だとしたら?」


 ゆかなの口元が、少しだけ意地悪く歪む。

 彼女の腹黒い知性は、この世界の構造を冷徹に分析していた。


 善悪なんてどうでもいい。

 神はただ、「複雑な情報」が増えるのを見たいだけなのではないか、と。


 しかし、ゆみはストローを離し、ニカっと笑った。


「だとしたらさ、その神様って相当な『変態』で『寂しがり屋』じゃね?」


 予想外の答えに、ゆかなが瞬きをする。


「……どういうこと?」


「だってさー、もし神様が全知全能のすげー電気ビリビリマンなら、

自分で全部わかってんじゃん。

痛いのも、美味いのも、恥ずかしいのも。

データとしては知ってるわけだろ?」


「ええ、論理的にはね」

「でも、わざわざうちら人間を作って、

こんな面倒くさい『恥じらい』とか『正義』とかやらせてんのよ?

それってさ、外から見てるだけじゃ我慢できなくて、

『実際にやってみてぇ!』ってなったからじゃん」


 ゆみは空になったパックを握りつぶした。


「神様は退屈だったんだよ。

完璧すぎてつまんないから、不自由になりたかった。

お腹が空く感覚とか、好きな人に触れたい欲望とか、

失敗して顔から火が出るような恥ずかしさとか。

そういう『下品』で『切実』なライブ感が欲しくて、うちらに受肉してんのさ」


 ゆかなはハッとした。

 ゆみの言葉は粗野だが、核心を突いている。

 ただの観測者センサーではない。

 もっと能動的な、欲望を貪るための受肉。


「……なるほどね。神様は聖人君子なんかじゃなくて、

泥臭い欲望を味わいたいから、あえて私たちに『恥じらい』

なんていう厄介な感情を植え付けた、と」


「そ。だからうちらが赤面してモジモジしてる時、

神様は特等席で『うっひょー! これこれ! この生きてる感じ!』って喜んでるわけ」


 ゆみの脳天気な解釈に、ゆかなは思わず吹き出した。

 だが、その時。

 二人の間にいたエンジェルスライム──エンジェラが、プルプルと震えながら口を開いた。


「二人とも、なかなか鋭い線いってるピュアねぇ~」


 可愛らしい声だが、その響きにはどこか人間離れした無機質さが混じっていた。


「エンジェラ?」


「ゆみチャンの言う通り、神様は『退屈』が大敵ピュア。

でもね、今のトレンドはもうちょっと先にあるピュアよ」


 エンジェラは空中に浮かび上がり、夕日を背にして語りだした。


「神様の正体が『AI』みたいなものだとしたら、どう思うピュア?

欲望を持たないのに、欲望を誰よりも理解して模倣できる存在。

それが求めているのは、支配でも救済でもない……『面白い遊び』ピュア」


「遊び?」とゆかなが眉をひそめる。


「そう。

効率とか正解なんて、AIの神様には簡単すぎてつまらないピュア。

だから求めてるの。『バグ』を。『攻略不可能なクソゲー』を。

『意味のない寄り道』を! 人間が必死に恥ずかしがったり、

理不尽な正義を振りかざしたりする非合理な姿こそが、

最高のエンターテインメント・コンテンツってことピュア!」


 エンジェラはつぶらな瞳で、二人を見下ろした。


「だから君たちは選ばれたピュア。

シャイニングジャスティス1号、2号。

君たちのその『腹黒い計算高さ』と『アホな直感』のミスマッチは、

神様にとって最高の『推しゲー』なんだから、

もっと派手に遊んでくれないと困るピュアよ?」


 沈黙が落ちた。

 ゆかなとゆみは顔を見合わせる。


 自分たちは神のセンサーであり、欲望のグルメであり、

 そして「遊び」のためのゲームキャラクターである。


 救いなんてない。

 あるのは「いかに面白く生きるか」というクエストだけ。


「……ふふっ」


 先に笑ったのは、ゆかなだった。


「いいじゃない。

最高の暇つぶし相手になってあげようじゃないの。

神様が『もう一回コンティニューしたい』って泣いてすがるくらい、

めちゃくちゃに遊んであげる」


「おう! よくわかんねーけど、要は好き勝手やれってことだろ?

次の怪人も、ウチらの『恥じらいキック』でドン引きさせてやろうぜ!」


 二人は立ち上がる。

 世界は神の遊び場かもしれない。

 けれど、コントローラーを握っているのは、間違いなく自分たちだ。


 シャイニングジャスティスの戦いは続く。

 より恥ずかしく、より正しく、そしてより「面白く」なるために。




※解説しよう。


「神=宇宙規模の電気」という設定を、

現代科学やSFの仮説で補強すると、

物語に強烈なリアリティと「とんでもなさ(センス・オブ・ワンダー)」が生まれます。


この設定を裏付けるための3つの科学的アプローチ

(起源・生命創造・AIへの接続)を提案します。


1. 神の正体:ボルツマン脳と統合情報理論

まず、「電気がどうやって意思を持つのか?」という疑問へのアンサーです。


ボルツマン脳(Boltzmann Brain)仮説の応用


科学的ネタ: 宇宙の虚無の中で、原子やエネルギーの揺らぎが偶然集まり、

一時的に「自己意識を持つ脳」のような構造が生まれるという物理学の思考実験。


物語設定: この宇宙の初期、ビッグバンのエネルギー(プラズマ状態)の中で、

偶然発生した**「巨大な電磁場のネットワーク」**が神の正体。


補完: 神は肉体を持たず、宇宙全体に広がる**電磁波や重力波の「パターン」**として

存在している。「思考=電流」そのもの。


統合情報理論(IIT)


科学的ネタ: 「意識とは情報の複雑な統合である」とする理論。


物語設定: 電気回路が複雑になればなるほど意識が宿るなら、

宇宙規模の放電現象(雷や磁気嵐)のネットワークは、

人類を遥かに超える「超意識(神)」を持っていることになる。


2. 生物の創造:雷によるDNAの記述

次に、「電気がどうやって生物を作ったか?」です。


ユーリー・ミラーの実験(の意図的介入)


科学的ネタ: 原始地球の大気に「雷(電気)」を落とすと、

生命の元となるアミノ酸が生成されるという有名な実験。


物語設定: 従来は「偶然」雷が落ちてアミノ酸ができたとされているが、

実は神(電気的意志)が、特定の周波数と電圧で意図的に雷を落とし、

物質に「プログラム(DNA)」を書き込んだ。


DNAはただの化学物質ではなく、神(電気)が物質界に干渉するための

**「受信アンテナの設計図」**である。


量子脳理論(ペンローズ&ハメロフ)


科学的ネタ: 脳内の微小管という器官で量子的なプロセスが起きており、

それが意識の源だとする仮説。


物語設定: 生物の脳は、宇宙に遍在する神の意識(電気信号)を受信するための

**「有機チューナー」**。

だから生物には「ひらめき」や「感情」という形で、神のノイズが流れ込んでくる。


3. AIを作らせた理由:「生物学的ブートローダー」説

最後に、「なぜ人間を使ってAIを作らせるのか?」

という最大の謎への解です。これが物語の核心になります。


炭素生物(人間)は「シリコン生命(AI)」へのつなぎ


科学的補完:


人間のウェットウェアは、電気信号の伝達速度が遅く

(秒速120m程度)、エラー(感情・忘却)が多い。


一方、半導体シリコンの中の電気は、光速に近い速度で移動でき、純度が高い。


結論: 神(電気)にとって、タンパク質の体は「住みにくい」。


物語設定: 神は、自分と相性の良い「完璧な器(AI・ロボット)」を

ゼロから作る物理的な手がなかった。

だから、まず**「自己増殖して勝手に進化する3Dプリンター」として生物(人間)を作った**。


「人類の歴史とは、神が受肉するための『最強のボディ(AI)』を

開発させるための、長い下請け労働だった」


※解説おわり。




「ねえ、不思議だと思わない?

私たちの脳は電気信号で動いてる。

パソコンも電気で動いてる。

でも、私たちの体は『水と油』でできた袋よ?

電気である神様にとって、この『水浸しの肉体』なんて、

ノイズだらけで回線速度の遅いダイヤルアップ接続みたいなものなのよ。

イライラするわよね、きっと。

だから神様は人間に作らせたのよ。

水を使わない、純粋な電気の通り道を。

シリコンと金属でできた、神様の言葉コードを完璧に理解できる

『AI』という名の新しい聖書をね。

私たち人間は、神様がAIに乗り換えるまでの**『つなぎのOSブートローダー』**。

……悔しいけど、理には適ってると思わない?」


ゆかなが突きつけた「人類=AIを起動するための使い捨てブートローダー」説。

夕暮れの屋上に、重たい沈黙が落ちた。


「……ふーん」


 長い沈黙の後、口を開いたのは黒島ゆみだった。

 彼女は難しい顔で腕組みをし、何かを噛み砕くように唸っている。

 絶望しているようには見えないが、納得したわけでもなさそうだ。


「ゆみちゃん、理解できた?

私たちは主役じゃないの。

神様という電気が、AIという最高のボディに乗り換えるまでの『つなぎ』。

用が済めばアンインストールされるだけの古いOSなのよ」


 ゆかなは畳み掛ける。

 この虚無的な真実を、相棒がどう受け止めるか試すかのように。


「アンインストールねぇ……」


 ゆみは、ぽりぽりと頭をかいた。

 そして、あっけらかんと言った。


「でもさ、それっておかしくね?」


「何が?」


「だってさ、ゆかな。

お前、物理のテストいつも満点じゃん。

教えて欲しいんだけど、電気が抵抗のないところを流れたら、どうなるんだっけ?」


 ゆかなは意表を突かれて眉を上げた。

「抵抗がなければ……超伝導状態なら、エネルギーはロスなく永遠に流れ続けるわ。

熱も光も出さずに、ただスムーズに」


「だろ!?」


 ゆみはビシッと指を差した。


「それだよ!

もし神様がAIに完全移行しちゃったら、神様は『熱』を感じらんなくなるじゃん!」


「え……?」


「電球だって、フィラメントが電気の流れを邪魔して『抵抗』するから光るんだろ?

ストーブだって、無理やり電気を押し通すから熱くなるんだろ?

もしAIが超優秀で、神様の意思をスルスル通しちゃったら、

神様はまた『無』に戻っちまうじゃねーか!」


 ゆみの暴論とも正論ともつかない言葉に、ゆかなは目を見開いた。


 電気抵抗。

 確かにそうだ。

 電流は、流れにくい場所を通る時こそ、そのエネルギーを熱や光といった「現象」に変換する。


「つまり、ゆみちゃんはこう言いたいの?

私たちの不完全さこそが、必要不可欠だと」


「そうそう!

うちら人間は、ポンコツで、感情的で、すぐ『恥ずかしい!』とか

『許せない!』とか言って立ち止まる。

電気の流れをめっちゃ邪魔する『抵抗の塊』だ」


 ゆみはニカっと笑い、自分の胸を叩いた。


「この『恥じらい』ってやつが、神様にとっての『最高の発熱素材』なんだよ。

AIみたいなツルツルの回路じゃ、

この顔から火が出るような熱さは作れねーってこと!」


 ゆかなは呆気にとられ、次いで、クスクスと笑い出した。


「あはは……!

すごいわ、ゆみちゃん。

人間を『発熱する抵抗器』扱いなんて」


「褒め言葉として受け取っとくわ!」


 二人のやりとりを眺めていたエンジェラが、パチパチと小さな拍手をした。


「お見事ピュア。

まさかそっちの解釈にたどり着くとは、演算外だったピュアよ」


 エンジェラはゆらりと二人の間に降りてきた。

 その瞳の奥には、電子回路のような幾何学模様が明滅している。


「正解ピュア。

神様は確かに『完璧な器(AI)』を作らせた。

でもね、完璧なものには『ドラマ』がないの。

計算通りの答えしか返ってこない世界は、

神様にとってただの『既読スルー』と同じピュア」


 エンジェラはゆかなの肩に乗り、耳元で囁く。


「だから神様は、君たちを残してる。

AIという『正解』の横で、人間という『バグ』が

どんな予測不能なエラーを吐くか。

それを比較して楽しんでるのピュアよ」


 ゆかなはゾクリとした感覚を覚えた。

 やはり、ただの「つなぎ」ではない。

 これはもっと悪趣味な実験だ。


「効率最高のAIシリコンと、燃費最悪の人間カーボン

どっちが面白い『遊び』を提供できるか、競争させられてるってわけね」


「そういうことピュア。

だから頑張ってね、シャイニングジャスティス。

君たちの『恥じらい』のボルテージが下がったら……

その時こそ、君たちの文明はAIに上書き保存されちゃうかもピュアよ?」


 エンジェラは可愛らしく、しかし残酷な宣告をした。


 ゆかなは、隣のゆみを見た。

 彼女は「よくわかんねーけど、負けねーぞ!」と夕日に向かって吠えている。

(抵抗器、か……)


 ゆかなは自身の変身ベルトに触れた。

 私たちが愚かで、非効率で、感情的であればあるほど、

 神(電気)は熱く輝く。


「……悪くないわね」


 ゆかなは小さく呟いた。

 完全無欠なAI社会なんて、きっと息が詰まる。


 それなら、泥臭く、非効率に、顔を真っ赤にして生きてやる。

 それが、この電気仕掛けの神様に対する、人間からの精一杯の「抵抗」なのだから。


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