22 正義とは何か
※GeminiProに書いてもらいました。
第22話:「正義とは何か」
「ねえ、ゆかな。
あたしたちの『シャイニングジャスティス』ってさ……
シャイニングは『輝く』と恥じらいのシャイの
ダブルミーニングでいいとして、
ジャスティス、つまり『正義』って結局なんなのさ?」
放課後の空き教室。
エンジェラから授かった変身ベルトのお手入れをしながら、
黒島ゆみはふと首を傾げた。
色黒の肌に黒を基調とした制服を少し着崩した彼女の勝気な瞳には、
最近芽生えたばかりの『知識欲』がキラキラと宿っている。
対照的に、純白のカーディガンを羽織った色白の白鳥ゆかなは、
上品に紅茶の入った水筒を傾けていた。
清楚な笑みを浮かべてはいるが、
その瞳の奥には特有の腹黒い計算がちらついている。
「……そうですね。
エンジェラちゃんからベルトを貰って以来、
私たちは神の恩寵を受けるべく、
恥じらいと正義漢を胸に戦ってきましたけれど。
確かに『正義』という言葉そのものには、
なんだか曖昧でフワフワしたものを感じますわ」
(正義という大義名分があれば、
色々と私の都合のいいように物事を進めやすいですけれど……
そこは黙っておきましょう)
ゆかなが内心でほくそ笑んでいると、
窓辺に腰掛けていた青年――
遊びと恥じらいと正義の神の子であり、
神の受肉先とも目される青神遊が、静かに口を開いた。
「素晴らしい。
知識欲を手に入れたことで、
ついに君たちも『正義』の本質に疑問を持つようになったか」
「青神!
もったいぶらないで教えてよ。 アタシたち、正義の味方なんでしょ?」
ズイッと身を乗り出すゆみに、
青神は真剣な眼差しで頷き、語り始めた。
「いいか、二人とも。
正義の扱いには細心の注意が必要だ。
世間では色々と誤解されやすく、ただ声高に『正義』を叫ぶだけの者は、
往々にしてバカにされてしまう」
「えっ、バカにされるの?
なんでさ! 正義ってカッコいいじゃん!」
「ゆみさん、静かに。
……青神様、それは一体どういう意味でしょうか?」
ゆかなが小首を傾げながら
(計算し尽くされた可憐な角度で)尋ねると、青神は重々しく告げた。
「なぜなら、正義とは結局のところ『自己利益』にすぎないからだ」
「じ、自己利益……?
それって、自分のためってことですか?」
「自分のワガママってことか!?
なんか全然カッコよくないじゃん!」
ショックを受けるゆみと、
内心で(やっぱり私の腹黒い考えも正義ってことで通せますわね)
とほくそ笑むゆかな。
「正義を『狭い意味の自己利益』としてしか捉えられない者がいる。
そういう人間が『これが正義だ!』と主張しても、
周囲からは『自分の得になることだけを声高に叫んでいるアホな人』
という印象を持たれてしまうんだ。
結果として、世間からは『アホが正義を叫んでいる』と思われがちになる」
「うっ……なんか耳が痛い」と、
ゆみは自分の勝気な性格を少し反省したように身を縮めた。
「では、私たちが掲げるべき『正義』とは何なのでしょう?」
ゆかなが上品に両手を胸の前で組み、上目遣いで問う。
神に愛されるための、完璧な『恥じらいと正義漢』を感じさせるポーズだ。
「声高に叫ぶ正義は、決して独りよがりなものであってはならない。
多くの人にとっての幸せや自己利益……
いや、もっと大きな概念だ。 仏教でいうところの『大乗仏教』だな」
「だいじょうぶっきょう……?」
「そうだ。
自分だけが救われるのではなく、大きな乗り物に乗せて、
全ての人を悟りと幸せに導くための道義。
それこそが、真に声高に叫ぶべき『正義』でなくてはならないのだ」
青神の言葉が、夕日に染まる教室に響き渡る。
自分たちだけの利益ではなく、みんなが幸せになるための正義。
「なるほど……。
みんなが幸せになるための道義、ですか。
それはとても、神々しく上品な正義ですね」
ゆかなは頬を少し赤らめ、恥じらいを含んだ美しい所作で頷いた。
「アタシ、頭悪いから難しいことはよくわかんないけど……
みんなが笑ってられるように戦うのが、本当の正義ってことだろ!
それならアタシにもできるぜ!」
ゆみは力強くガッツポーズをした後、
「あ、でもこれちょっと恥ずかしいかも」と照れて頭をかいた。
その不器用な恥じらいの仕草もまた、神の恩寵を呼ぶのに十分だった。
「その意気だ。
シャイジャスの二人よ、本当の正義の意味を胸に刻み、
これからも心して正義を振るえ!」
青神の言葉に、二人は顔を見合わせ、大きく頷いた。
「「はいっ!」」
「みんなを幸せにする正義のために……
シャイニングジャスティス1号!」
「アホなんて言わせない正義のために……
シャイニングジャスティス2号!」
恥じらいと正義漢をたっぷり込めた変身の掛け声が、
放課後の教室に高らかに響き渡った。




