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20 覆面アイドルゲリラライブ

※Geminiに書いてもらいました。





第20話:「覆面アイドルゲリラライブ」


「これからは、君たちの自主性を重んじることにしたよ」


 放課後の公園。

 いつものように集まったシャイニングジャスティスの面々を前に、

 遊びと恥じらいと正義の神の子である青神遊あおがみゆうは、

 唐突にそう宣言した。


「自主性、ですか?」


 白を基調とした制服を清楚に着こなす色白の美少女、

 白鳥ゆかな――シャイジャス1号が、小首を傾げる。

 その可憐な表情の裏で、

 (つまり、面倒くさい指示が減って自由に動けるってことね。好都合だわ)

 と腹黒い計算を巡らせていた。


「おうっ!

 よく分かんないけど、アタシたちの好きにしていいってことだな!?」


 黒を基調としたスポーティな私服に身を包んだ色黒の少女、

 黒島ゆみ――シャイジャス2号が、元気よく拳を突き上げる。

 勝気だが少しアホな彼女は、言葉の表面だけを受け取って目を輝かせた。


「そういうことだ。

 神からの恩寵は『上品な正義漢』と『恥じらい』の心にこそ宿る。

 やらされる正義より、自ら進んで行う行動にこそ、

 真の恥じらいと正義が生まれるはずだからね。

 で、二人は今、何をやってみたい?」


 青神の問いかけに、ゆみは即座に答えた。


「アイドル!

 アタシ、一回アイドルやってみたかったんだよね!

  正義のアイドルってなんかカッコよくない!?」


「ア、アイドル……!?

 (チヤホヤされるのは悪くないわね。

 神の力を使えばトップアイドルも夢じゃないかも……)

 え、ええ。

 ゆみちゃんがどうしてもって言うなら、私も付き合うわ」


 二人の意見が一致したのを見て、青神は満足げに頷いた。


「よし、ならやってみよう。

 手始めに、路上でのゲリラライブだ。場所は駅前の広場にしよう」


「「えっ」」


 いきなりの野外路上ライブという提案に、二人の顔が引きつる。


「あの、青神様……

 私たち、一応正義の味方ですし、顔出しで路上ライブなんてしたら……」


「もちろん、身バレは防ぐべきだね。

 覆面をしてパフォーマンスをしよう」


「覆面アイドル!?

 それ、余計に怪しくない!?」


 ゆみがツッコミを入れるが、青神はニコニコしている。

 この世界において、恥じらいは神の恩寵を呼ぶ。

 「覆面をして路上で歌い踊る」という凄まじい恥ずかしさは、

 間違いなく彼女たちの力を高めるはずだった。


「ワタシモ、オ手伝イシマス」


 そこに、暗い青紫のメタルボディを輝かせたシャイジャス3号が一歩前に出た。

 健気で真面目なアンドロイドである彼女は、幸せそうに電子音を鳴らす。


「おっ、3号もやる気だね。

 じゃあ、3号には楽器伴奏をお願いしようかな」


「リョウカイシマシタ。 サイゼンヲ尽クシマス」


     * * *


駅前広場でのゲリラライブは、順調な滑り出しを見せていた。


「(ううっ……こんな人が多いところで、覆面姿で歌うなんて……!)」

 目元を隠すアイマスクを着けたシャイジャス1号こと

 白鳥ゆかなは、頬を真っ赤に染めてモジモジと身をよじらせていた。

 しかし、その極度の「恥じらい」は神のシステムに強く感知され、

 彼女の周囲にはキラキラと舞うような上品な光のオーラが立ち上っていた。


「みんなー!

 アタシたちの正義の歌、しっかり聴いてくれよなっ!」

 一方、シャイジャス2号こと黒島ゆみは、

 恥ずかしさよりも持ち前の勝気さが勝っていた。

 ビシッと正義漢あふれるポーズを決め、

 力強くマイクを握る。

 アホっぽくも真っ直ぐな彼女の正義感もまた、

 神の恩寵を呼び込み、力強い光の粒子となって観客へと降り注いでいた。


 ゆかなの清楚で可憐な歌声と、ゆみの元気いっぱいで力強い歌声。

 相反する二人の魅力が、神の力によって見事なハーモニーを生み出していく。


「なんだあの子たち、すげえキラキラしてる!」


「覆面アイドル?

 可愛いし、なんかオーラがあって見入っちゃうな……」


 足を止める人は瞬く間に増え、広場はあっという間に観客で埋め尽くされた。

 手拍子が起こり、観客たちの目はステージで輝く二人に釘付けになっている。


「(ふふっ、計画通りね。

 このままトップアイドルの座は私が……じゃなくて、私たちがいただくわ!)」


「(へへっ! アタシたち、すっげーカッコいいじゃん!)」


 観客の熱狂を肌で感じ、1号と2号は確かな手応えを感じていた。

 まさに、二人が思い描いていた通りの最高のステージ。

 ――しかし、曲が最高潮に達するサビ前の間奏に差し掛かった、その時だった。


「目標、観客の幸福度最大化。 ワタシも全力で支援します!」


背後に控えていたシャイジャス3号が、重厚な駆動音とともに前に出た。

その手には、ギターとベースが上下に合体した異形の多機能楽器。

さらに腰からは空間投影されたキーボードが展開される。


『モード・マルチシンフォニー、起動』


3号の指先が、人間の限界を超えた速度で動き出した。

ギターの速弾きをしながら、空いた左手でベースの重低音を刻み、

さらに肘や膝のセンサーでキーボードの旋律を奏でる。

アンドロイドならではの「一人フルバンド」だ。


「な、何だあの音圧は……!?」

「あの紫の娘、一人で全部やってるぞ!?」


観客の意識が、一瞬で3号の超絶技巧に吸い寄せられた。

演奏中に次々と楽器の役割を切り替え、

メタルボディからレーザー照明を放つ3号。

その圧倒的なパフォーマンスに、1号と2号は一瞬呆然とする。


「(ちょっと! 私の花が奪われてるじゃない!)」

「(すっげぇ! 3号、ノリノリじゃん! アタシも負けてらんねえ!)」


奇跡のトリプル・セッション

しかし、3号は一人で目立つつもりはなかった。

彼女は演奏しながら二人の間へと割って入り、

楽器を奏でる動きそのものを激しいダンスへと昇華させた。


「1号、2号。

 ワタシのビートに合わせてください。

 幸福の波動、増幅します!」


3号が奏でる重厚なリズムが、

1号の歌声に深みを与え、2号のダンスに爆発的な躍動感を与える。

1号は「さらに注目される恥ずかしさ」でオーラを倍増させ、

2号は「仲間との絆」という正義感で拳を高く突き上げた。


「「「シャイニング・ジャスティス、ファイア!!」」」


3号が背面弾きでギターを唸らせ、

1号が可憐に舞い、2号がパワフルに跳ねる。

アンドロイドの精密な演奏と、

少女たちのエモーショナルなパフォーマンスが完璧に融合した。


「うおおおおお! 最高だぁぁぁ!」

「このグループ、神がかってるぞ!!」


広場は割れんばかりの大歓声と拍手に包まれた。

覆面越しでも分かるほど、三人の顔には充実感が溢れている。


「……ふむ。自主性に任せて正解だったね」

人混みの後ろで、青神遊は満足げに頷いた。

三人の「恥じらい」と「正義」が混ざり合い、

かつてないほど純度の高い神の力が広場に満ち溢れていた。



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