02 国家公認魔法少女― 正義と恥じらいは政権の道具です
※GeminiProに書いてもらいました。
第4章:動画サイトの告発
「許せねぇ……! こんなの絶対に許せねぇよ!」
放課後のファミレス。
ゆみ(2号)がスマホの画面を叩き割らんばかりの勢いで叫んだ。
ドリンクバーのメロンソーダを啜りながら、ゆかな(1号)は呆れた視線を向ける。
「ゆみちゃん、うるさいわよ。今度は何?」
「これだよこれ! 『真実の目覚めチャンネル』!」
ゆみが見せてきたのは、動画投稿サイト「ユーツベ」の動画だった。
そこには、現職の女性総理大臣、毒島サリナの醜聞が暴露されていた。
『イイですか国民の皆さん! これは明らかにキャップがついたままです!
毒ワクチンと噂される注射を打ったふりをしています!』
『さらに、あのカルト教団「T1教会」とのズブズブの関係……!
彼女は国を売っているのです!』
画面の中では、デマか真実か判別がつかない情報を、
過激なテロップと共に配信者がまくし立てている。
しかし、単純なゆみは完全に信じ込んでいた。
「総理大臣が嘘つきで、しかもカルトの手先!?
こんなの、アタシたちが倒すべき『厚顔無恥』の極みじゃん!」
ゆかなは冷ややかな目で動画を見た。
(……情報の信憑性は、どうみてもキャップしているように見えるわね。でも――)
ゆかなの脳内でソロバンが弾かれる。
相手は一国の首相。
もしこの疑惑が少しでも真実で、
それを「シャイニングジャスティス」が暴いたとしたら?
知名度は爆上がり、CM出演やグッズ販売で莫大な利益が見込める。
エンジェラがテーブルの上でプルプルと震えた。
「感じるぷに!
ゆみちゃんから沸き立つ、煮えたぎるような『勘違いギリギリの正義感』!
これは凄いパワーになるぷに!」
「よし、決まりだ!
今すぐ国会へ殴り込みだ!」
「……ええ、そうね。
国民の痛み、わたくしたちが晴らしましょう
(失敗しても未成年だから実名は出ないしね)」
こうして、暴走する正義と、打算にまみれた正義が動き出した。
第5章:永田町の路上ライブ(羞恥)
国会議事堂周辺、永田町。
黒塗りの高級車が連なる一角に、毒島総理を乗せた車列が差し掛かった時だった。
「とぉーっ!」
歩道橋の上から、二人の少女が飛び降りた。
ゆみとゆかなである。
「出たな、悪の親玉! ここから先は通さないぞ!」
ゆみが仁王立ちで車列の前に立ちはだかる。
急ブレーキの音。
SPたちが慌ただしく車から降りてくる。
「何だ君たちは! どきなさい!」
「問答無用! いくぞゆかな! 変身だ!」
「……本当にここでやるの?」
ゆかなは周囲を見渡した。
日曜日の永田町は人は少ないが、警備の警察官やマスコミのカメラも遠くに見える。
この現実的な空間で、あの格好をするのか。
「世界のためだろ! 恥ずかしがれ!」
「(クソッ、報酬のため……!)
……ああっ、こんな大勢の殿方の前で……お洋服が変わってしまうなんて……!」
ゆかなは涙目で叫んだ。
演技ではない、ガチの羞恥心だ。
「シャイニングジャスティス1号!!」
「いやん見ちゃダメ! シャイニングジャスティス2号!!」
カァァァッ! 神々しい光と共に、フリフリのゴシックドレスと、
透け感のあるレオタード姿の二人が現れた。
SPたちは一瞬呆気にとられたが、すぐに無線で連絡を取り合う。
「不審者です! 確保ーっ!」
エンジェラが叫ぶ。
「今ぷに! 羞恥心と正義感のハイブリッド技をお見舞いするぷに!」
ゆみ(2号)が拳を振りかぶる。
「嘘つき総理に鉄槌を! 『内股・ジャスティス・ボンバー』!」
ゆかな(1号)も続く。
「(さっさと終わらせる!) 『恥じらいの波動』!」
第6章:大人の事情、子供の限界
しかし、現実は特撮番組のようにはいかなかった。
「確保!」
ドスッ! バキッ!
「……へ?」
2号の拳が届く前に、熟練のSPが彼女の腕を取り、関節技で地面に押さえつけた。
魔法のステッキを構えた1号の背後には、
いつの間にか別のSPが回り込み、手首をロックする。
「痛っ、い、痛いぷにー!?」
エンジェラも特殊警棒で叩き落され、虫取り網のようなもので捕獲された。
「離せ! アタシたちは正義の味方だぞ!
その車に乗ってるのは悪党だ!」
地面に頬を押し付けられながら、2号が喚く。
その騒ぎを聞きつけ、後部座席の窓がスッと開いた。
そこには、動画で見た通りの女性、毒島サリナ総理が座っていた。
彼女は冷たい目で、コスプレ姿の少女たちを見下ろした。
「……何の騒ぎかしら」
「お前だ!
嘘つきワクチンのこと、T1教会のこと、全部知ってるんだぞ!」
2号が叫ぶ。
その瞬間、毒島総理の眉がピクリと動いた。
彼女はSPに目配せをする。
「……裏へ連れてきなさい。
マスコミには『熱狂的なファンの悪ふざけ』と伝えて」
第7章:不条理な決着
国会近くのビルの一室。
変身を強制的に解除させられたゆみとゆかなは、パイプ椅子に座らされていた。
目の前には、毒島総理と秘書官。
「さて……動画サイトのデマを真に受けて、現職総理を襲撃。
テロ準備罪、公務執行妨害……いくらでも罪状はつくわよ?」
毒島総理は優雅に紅茶を飲みながら言った。
第8章:国家公認のパペット(操り人形)
「……テロ、準備罪」
ゆみの顔から血の気が引いていく。
正義の味方として「悪」を倒しに来たはずが、
法的には自分たちが「悪」として処理されようとしている。
一方、ゆかなは必死に頭を回転させていた。
(まずいわ……。
実名が出ないとはいえ、少年院送りになれば私の将来設計が台なしよ。
慶應から外資コンサル、年収二千万の道が!)
毒島総理は、ティーカップをソーサーに戻すと、冷徹な微笑を浮かべた。
「でも、安心なさい。私は寛大なの。
……あなたたちのその『特殊な力』。
あれは単なる手品やCGではないわね?」
「え、ええ……。
このエンジェラが授けてくれた、聖なる力ぷに!」
網の中でグッタリしていたマスコットが、弱々しく声を上げる。
「面白いわ。
ちょうど欲しかったのよ。
憲法や法律の枠外で動き、政敵を排除し、
国民の目を逸らすための『マスコット』が」
「……何が言いたいのよ」
ゆみが震える声で尋ねる。
「選択肢をあげるわ。
このまま『基地外のテロ未遂犯』として一生を棒に振るか。
あるいは……私の直轄部隊として、**『国家公認・魔法少女』**になるか」
「国家公認……!?」
ゆかなの瞳が、一瞬でドルマークに変わった。
「そう。
活動資金は機密費から出すわ。
制服は有名デザイナーに発注しましょう。
あなたたちのやることは、私の指示する『悪』を、
派手な演出で叩き潰すこと。
どう? 悪い話じゃないでしょう?」
ゆみは激昂した。
「ふざけんな!
アタシは、アンタみたいな嘘つきを守るために戦ってるんじゃない!」
「ゆみちゃん、待って!」
ゆかながその肩を掴んで制止する。
「……総理。
その『活動資金』、具体的な額を伺っても?」
毒島総理は、秘書から受け取ったタブレットをゆかなに向けた。
そこに表示された桁外れの数字に、ゆかなの口角が吊り上がる。
「決まりね。
正義とは、常に勝者の側にあるものですもの」
「ちょっと、ゆかな!?
本気なの!?」
「いい? ゆみちゃん。
これが『大人の正義』なのよ。
……それに、捕まって人生終わるより、公務員になる方がマシでしょ?」
こうして、「シャイニングジャスティス」は、
毒島政権の支持率を維持するための政治的道具へと成り下がった。
「カシャ」
謎のカメラ音に気付く者はいなかった。
第9章:支持率を稼げ! 炎の捏造バトル
翌週。
テレビのニュース番組は、ある「凶悪事件」の話題でもちきりだった。
『速報です。
港区に出現した怪獣「増税怪人」を、突如現れた二人の少女が撃破しました!』
中継映像には、以前よりさらに豪華になった
(しかし露出度は相変わらず高い)衣装に身を包んだ、ゆかなとゆみが映っていた。
「くらえ! 『官民一体・デフレ脱却キック』!」
ゆみの叫びと共に、着ぐるみの怪人が爆発四散する。
……もちろん、中に入っているのは総理の息がかかったスタントマンだ。
「……死ぬほど恥ずかしいわね、これ」
ゆかなは「恥じらいの波動」を放ちながら、
ドローンカメラに向かって計算されたウィンクを送る。
作られた勝利。
作られた正義。
しかし、大衆はこれに熱狂した。
「すごい! シャイニングジャスティスは毒島総理の味方なんだ!」
「総理を叩いてた動画サイトはデマだったんだ!」
SNSのトレンドは一気に反転。
疑惑の「光のワクチン」も、「聖なる注射」として再定義され、
行列ができるほどの人気となった。
控室に戻った二人に、エンジェラが青ざめた顔で近寄る。
「……ゆみちゃん、ゆかなちゃん。
大変ぷに。
みんなから集まってくる『正義のパワー』が、どす黒い色に変色してるぷに……!」
「いいじゃない、稼げれば。
ほら、今回のボーナスよ」
ゆかなは、政府から支給された「高級ブランドの詰め合わせ」を眺めて恍惚としていた。
だが、ゆみの心は晴れなかった。
「……これって、本当にアタシがやりたかったことなのかな……」
第10章:本物の「悪」の足音
そんなある日、毒島総理から緊急の招集がかかる。
「二人とも、出動よ。
今度は演出じゃない。
……本物の『不都合な真実』が現れたわ」
総理が指し示したモニターには、かつてゆみが信じていた動画配信者
「真実の目覚めチャンネル」の主。
「彼を殺しなさい。……『正義の味方』として、最も残酷な方法でね」
毒島総理の瞳は、もはや人間のそれではなく、得体の知れない闇に飲み込まれていた。
第11章:引き金と良心の呵責
「殺せ……ですって?」
ゆみの声が震える。
いくら猪突猛進な彼女でも、相手はただの動画配信者だ。
その根源にあるのは「真実を知ってほしい」という叫びだった。
「そうよ。彼は国家の安寧を脅かすテロリスト。
正義の味方が悪を討って、何がおかしいのかしら?」
毒島総理は冷酷に言い放つ。
「(……マズいわね。
さすがに殺人は『汚職』の範疇を超えてるわ。
でも、ここで逆らえば私たちの身分も消える……)」
ゆかなは冷や汗を流しながら、損得勘定の天秤を激しく揺らしていた。
現場の都庁前。
配信者「真実の目覚め」は、ビル街で叫んでいた。
『嘘だッ! 全部嘘なんだ!
あの総理も、あの魔法少女たちも、全部台本のある茶番なんだぁぁ!』
「うるさいんだよ、この……!
『内股・ジャスティス・パンチ』!」 ゆみの拳が炸裂する。
しかし、迷いがあるせいか威力が出ない。
ゆみの瞳には涙が溜まっていた。
「……できないよ。
この人の言ってること、デタラメじゃないもん。
アタシたち、本当にただのパペット(操り人形)になっちゃったんだ……!」
第12章:炸裂! 週刊文秋砲
その時だった。
都庁の巨大スクリーンに、突如として別の映像が映し出された。
『スクープです! 国家公認魔法少女、その裏側に迫る!』
そこには、密室の交渉が行われていた「あのビル」の一室の隠し撮り映像が流れていた。
毒島総理が不敵に笑いながら「機密費を活動資金にする」と提案し、
ゆかなが「活動資金の具体的な額を伺っても?」とニヤついている姿がバッチリ映っている。
さらに、前回の怪獣退治で「怪人役」のスタントマンが着ぐるみを脱ぎ、
政府職員から封筒(札束)を受け取っている決定的瞬間までもが次々と公開された。
「……え?」
毒島総理の顔が土気色に変わる。
これこそが、あの時誰も気づかなかった「カシャ」というシャッター音の正体。
日本最強の暴露媒体**『週刊文秋』**による、渾身の文秋砲だった。
ネット上は一瞬で大炎上した。
『やっぱりヤラセかよ!』
『税金でコスプレ魔法少女を飼ってたのか!?』
『総理もシャイニングジャスティスも最悪だ!』
第13章:最大級の「恥じらい」と謝罪
民衆の怒りの波動が、ドス黒い雷となってシャイニングジャスティスに降り注ぐ。
変身が強制解除されそうになる中、ゆかなの「黒い生存本能」が覚醒した。
「(このままじゃ……本当に終わる。
地位も名誉も、私の将来設計も! だったら……!)」
ゆかなは、ゆみの腕を掴んでカメラの前に引きずり出した。
「ゆみちゃん、やるわよ。
人生で最大、かつ最高効率の『恥じらい』を!」
「えっ、あ、謝罪……!?」
二人は、都庁前の瓦礫の上で、これ以上ないほど「内股」になり、
顔を耳まで真っ赤に染め、涙をボロボロと流しながら、地面に膝をついた。
「「申し訳ございませんでしたぁぁぁ……っ!!」」
それは、土下座を超えた**『恥じらいの究極土下座』**。
「嘘をついていた自分たちの浅ましさ」
「大人に利用された子供っぽさ」
「こんな格好で土下座している屈辱」が、
神の好む「最高級の恥じらい」として変換された。
カァァァッ! 天からかつてないほどの黄金の光が降り注ぐ。
神々は、この極上の「美少女の羞恥謝罪」に大興奮したのだ。
「……毒島総理の命令だったんですぅ。
逆らえなくて……怖くて……っ!」
ゆかなの計算高い泣き落としと、ゆみの本気の反省の涙。
これによって、「彼女たちも被害者だったのでは?」という空気が一気に広がり始めた。
エピローグ:解散、そして新たな旅立ち
追い詰められた毒島総理は、形勢逆転を狙って「真実を問う!」と
急遽の解散総選挙を宣言した。
しかし、国民はもう騙されない。
選挙当日。
毒島陣営は歴史的な大敗を喫し、彼女は公選法違反と汚職の疑いで特捜部に連行されることとなった。
数日後。 いつものファミレス。
「あー、結局、報酬は全部没収か。世の中甘くないね」
ゆみはメロンソーダを飲みながら、ケロっとしていた。
「当然でしょう。
でも、今回ので知名度だけは世界レベルになったわ。
次は『更生した魔法少女』として、クラウドファンディングで資金を集めるわよ」
ゆかなはタブレットで、すでに新しいビジネスプランを練っていた。
「ぷにゅ!
二人とも、神様が『次はもっと高い露出度……じゃなくて、高い志で頑張れ』って言ってるぷに!」
エンジェラが飛び跳ねる。
こうして、国家の犬から「フリーランスの魔法少女」に戻った二人。
彼女たちの「正義」と「恥じらい」の日々は、これからも(主にゆかなの集金計画と共に)続いていく。
「さあゆみちゃん、次は謝罪会見のライブ配信よ。
もっと恥ずかしそうに鼻をすすって!」
「えー、またやるのー!?
恥ずかしいよー!」
「それが力になるのよ!」
永田町に、新たな(そして相変わらず騒々しい)正義の産声が響いた。




