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13 ときめきメモリー

※GeminiProに書いてもらいました。





第13話:ときめきメモリー


「ゲームがいかに素晴らしい文化であるか。

 今日はそれを、君たちにじっくりと教えよう」


 神の恩寵があまねく降り注ぐ休日の午後。

 青神はテレビの前に陣取り、

 コントローラーを握りしめながら熱弁を振るっていた。

 その後ろでは、神の使いである可愛いエンジェルスライム――

 通称『エンジェラ』と、

 彼女から変身ベルトを授かったシャイニングジャスティスの面々が、

 半信半疑の顔でブラウン管を見つめている。


「神聖なる『恥じらい』と『正義感』が何よりも尊ばれるこの世界で、

わざわざ電子の遊戯に興じる意味はあるのぷに?」

 エンジェラが、ぷるぷるとゼリー状の体を震わせながら首を傾げた。


「まぁまぁ、エンジェラちゃん。

 青神さんがそこまで仰るんですもの。

 私たち、女の子の感性にも響く素晴らしいものなんでしょうね?

 ……貴重な休日の時間を奪う以上、期待外れなんてことはないですよね?」

 白を基調とした可憐な私服に身を包み、色白の肌を輝かせる白鳥ゆかな――

 シャイジャス1号が、上品に微笑む。

 しかし、その瞳の奥には少しばかりの腹黒いプレッシャーが宿っていた。


「そうそう!

 アタシ、小難しいことはよくわかんないけど、

 面白いならやってみたいし! はやく見せてよ!」

 黒いパーカーを勝気な色黒の肌に合わせる黒島ゆみ――

 シャイジャス2号が、身を乗り出して催促する。


「青神様が推奨される娯楽……。

 私のアンドロイドとしての電子頭脳にも、

 有益なデータが蓄積されると予測します。

 皆様と一緒にこうして画面を囲めること、私、とっても幸せです」

 暗い青紫を基調としたメタルボディをツヤツヤと輝かせるシャイジャス3号が、

 健気に胸のパーツへ手を当てて微笑んだ。


「あぁ、任せておけ。

 女の子の君たちにも親しみやすいように、

 恋愛シミュレーションの金字塔『ときめきメモリー』を用意した」

 青神が胸を張り、ゲームをスタートさせる。


 プレイは順調に進み、料理上手で家庭的な虹野ユキが登場した。

 そして、彼女の誕生日プレゼントを選ぶイベントが発生する。

 いくつか無難なアイテムが並ぶ中、ひときわ異彩を放つ選択肢が現れた。


 ――『等身大人形』


「……えっ?」

 ゆかなの上品な笑顔が、ピクッと引きつった。

「ありえなーい!

 なにこれ、等身大人形って!

 誰が選ぶのこんなの、絶対嫌われるじゃん!」

 ゆみが腹を抱え、バンバンと畳を叩きながら笑い声を上げる。


「正気ではありませんね。プレゼントの意図として、

 相手に対する敬意と『恥じらい』が完全に欠如しています。

 このような破廉恥な選択は、神の恩寵を失う行為かと推測します」

 3号も、生真面目な顔で冷徹な分析を下した。


「いやぁ、さすがにこんなの選ぶ人いないよねー。ただのネタ選択肢っていうか」

 ゆかなが、汚いものでも見るかのようなドン引きの視線を画面に向けている。


(……俺の友達は、

迷わずこれをプレゼントして玉砕していった勇者がいたんだがな)

 青神は内心で遠い目をした。

 だが、ここでその事実を口にするのは悪手だ。

 彼女たちからの好感度と神の恩寵が激減するのは目に見えている。

 青神は「沈黙こそが正義」とばかりに、静かに別の選択肢を選んだ。


 気を取り直してプレイを続ける。

 次に青神が熱く推したのは、芸術家肌の女の子、片桐彩だった。


「見てくれ。この片桐さんの独自の美的感覚。

 そして、誰にでも気さくに接するフランクな性格!

 彼女の流暢な英語交じりの口調には、ある種の『恥じらい』を

 照れ隠しで表現しているような可愛さがあると思わないか!?」

 青神の必死のプレゼンに、女の子たちも次第に画面へ引き込まれていく。


「たしかに、才能があるのに飾らないところは、

見ていて清々しい正義感を感じるわね。

……ふふっ、なかなか計算高いキャラ付けだこと。参考になるわ」

 ゆかなが腕を組みながら、己の腹黒さに通じる何かを見出したように頷く。


「英語喋るのウケる!

 テンション高くてアタシ好きかも!

 ヘーイ、ミーにもやらせてよ!」

 ゆみも感化され、身を乗り出して片桐さんの真似をし始めた。


「彼女の自由な表現の中にも、

他者への配慮という名の『正義』のアルゴリズムを感じます。

……こうして皆様と一つのゲームで盛り上がれる時間、私、本当に幸せです」

 3号の瞳のセンサーが、嬉しそうにチカチカと明滅した。


「ぷににっ!

 なんだか画面から、微かな『恥じらい』と『正義感』のオーラを感じるぷに!

 人間のゲームもあながち侮れないですわ!」

 エンジェラもポヨンポヨンと跳ねてご満悦のようだ。


 神に愛されたこの世界でも、

 名作ゲームの持つパワーは彼女たちの心を確かに打ち抜いていた。

 青神はホッと胸を撫で下ろしながら、再びコントローラーを握り直したのだった。


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