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11 遊びと恥じらいと正義の神の子

※GeminiProに書いてもらいました。





第11話:クソゲー世界と、恥じらいの乙女たち


薄暗い四畳半のアパート。

モニターの青白い光だけが、

18歳の青年——密かに受肉を果たした『神の子』の顔を照らしていた。

彼の名前は、青神あおがみ ゆう


彼はコントローラーを置き、深くため息をついた。

ファミスタでチームワークの機微を、

サッカーゲームで俯瞰的な戦術を学び、

JRPGでは不屈の正義を胸に刻んだ。

そして数多のエロゲを通して、

人生の深淵と文学的哀愁、哲学の真髄を網羅した。


「遊び人を極めれば、賢者になれる」

そう信じて疑わなかった。

神である彼にとって、遊びこそが愛であり、学びだったのだ。


だが、モニターから視線を外した窓の外には、

灰色のディストピアが広がっていた。

この世界は、悪の支配者が牛耳っている。

彼らは「通貨発行」という名のペテンで人々を縛り付け、

終わりのない労働を強制していた。

悪のシステムに媚びへつらわなければ、

ゲームを買う金はおろか、コントローラーを握る暇さえ与えられない。

現実は、遊びだけで暮らすことを決して許さない、最悪の「クソゲー」だった。


「……バグだらけだな、この世界は」


青神が自嘲気味に呟いたその時。

突如、アパートの薄っぺらいドアが蹴り破られ、

黒いスーツに身を包んだ「労働管理庁」の狗たちが雪崩れ込んできた。


非生産的遊戯者ニートを発見!

悪の総帥の名において、強制労働施設へ連行しろ!」


「おいおい、冗談じゃない。

俺はまだこの世界のチュートリアルも終わってないぞ!」


青神が理不尽な拘束に抗おうとした、まさにその瞬間だった。


「——恥じらいを知らぬ悪党ども。

乙女のプライドにかけて、お仕置きよ!」


凛とした声と共に、天井を突き破って白い閃光が舞い降りた。

「シャイニングジャスティス・1号!

 参上……しちゃいましたっ」


白を基調としたコスチュームに身を包んだ色白の少女、白鳥ゆかな。

彼女は完璧なポーズを決めつつも、

僅かに頬を染め、強烈な「恥じらい」のオーラを放っていた。

(……うわ、この部屋オタク臭っ。

でも、ここで助けておけば後で恩着せがましく使えるわよね)

内心でそんな腹黒い計算を巡らせているとは微塵も感じさせない、

神々しい正義の姿だった。


「ちょっと1号!

 アタシを置いていかないでよ!

 シャイニングジャスティス・2号、見参ッ!」

続いて壁の穴から飛び込んできたのは、色黒で勝気な少女、黒島ゆみだ。

勢い余って着地に失敗しそうになった彼女は、

「きゃっ! 見、見ないでよね!」と慌てて黒いスカートを押さえる。

その見事な恥じらいと天然のアホっぽさが、

神の恩寵を呼び込み、彼女の変身スーツをより一層輝かせた。


「お二人とも、お怪我はありませんか?

 シャイニングジャスティス・3号、無事合流しました」

最後に、暗い青紫のメタルボディを軋ませて静かに降り立ったのは、

アンドロイドの3号だ。

彼女は青年の無事を確認すると、

「ああ、守るべき命が無事で……私、とっても幸せです」と、健気に微笑んだ。


「おのれ、反逆の魔法少女どもめ! やっちまえ!」

労働管理庁の狗たちが一斉に武器を構える。


「エンジェラ、力を貸して!」

ゆかなの呼びかけに応じ、愛らしいスライム型の天使・エンジェラが

「ぷるきゅん!」と鳴いて、

三人の変身ベルトに神聖な光を注ぎ込んだ。


「いくわよ、2号、3号!」

「まかせて!」

「はいっ、恥ずかしいですが……全力でいきます!」


「必殺! シャイニング・イノセント・ストライク!」


ゆかなとゆみが顔を真っ赤にしながら

(ゆかなは計算ずくの演技、ゆみは天然で)放つ合体魔法に、

3号の幸せエネルギーが加わり、眩い光の奔流となって悪の手先たちを浄化していく。


青神は、その光景に目を奪われていた。

(なんだ、この美しい光は……。

JRPGのどんな究極魔法よりも、

エロゲのどんなトゥルーエンドよりも、

気高く、そして……完璧に恥じらっている!)


「そこのキミ、もう大丈夫よ?」

敵を蹴散らしたゆかなが、優雅に、

そして少しだけ上目遣いで青年に微笑みかける。


青神はゆっくりと立ち上がり、彼女たちを見据えて言った。

「……あんたたちの正義、しかと見届けた。

 だが、このクソゲーの根源システムはもっと深いところにある」


「えっ?」


「俺は遊び人だ。

だが、ただの遊び人じゃない。

……あんたたちと一緒に、この世界のバグを修正してやる」


青神の瞳に、真の賢者へと至る決意の光が宿る。

彼はまだ知らない。

目の前の少女たちに力を与えている神こそが、己の本来の姿であることを。

そして少女たちもまだ知らない。

この少し偉そうな引きこもりの青年が、

自分たちの信仰の対象である「神の子」の受肉した姿であることを——。





第11+2話:サイコロの導きと、乗っ取りの悪夢


薄汚れた路地裏を抜け、

青神と三人の乙女たちは

街のメインストリートを見下ろすビルの屋上に身を潜めていた。


眼下の広場では、

悪の支配者の傘下にあるメガコーポ「ブラック・モノポリー社」の重機が、

古き良き商店街を無慈悲に破壊しようとしていた。

立ち退きを迫られ、泣き崩れる住民たち。


「ああっ……。

皆様の、毎日のささやかな幸せが壊されていきます……」

アンドロイドの3号が、青紫のメタルボディを震わせ、悲痛な声をもらした。

彼女の視覚センサーには、

失われていく人々の「幸せのデータ」が残酷なまでに表示されていた。


「ひどい……! あんまりだよ、あんなの!」

色黒のゆみが拳を握りしめる。

彼女は難しいことはわからないが、理不尽に対する怒りだけは人一倍強かった。


「……やり方がえげつないわね。

どうやら、架空の通貨発行を担保にして、

裏で不正な信用創造レバレッジをかけて一気に買い叩いているみたい。

法律の抜け穴をついた、完全な地上げよ」


ゆかなは色白の指先で顎に触れながら、

冷静に(そして内心では『あのスキーム、私生活で使えないかしら……』と腹黒く)

状況を分析した。


だが、青神——受肉した神の子——の怒りのベクトルは、彼女たちとは少し違っていた。

彼はギリッと歯を食いしばり、

眼下のスーツ姿の幹部——地上げ怪人『ローリング・エステート』を睨みつけた。


「……クソ野郎どもが。

現実世界で**『乗っ取りカード』**を連発してやがる」


「のっとり、かーど?」

ゆみがキョトンとして首を傾げる。

エンジェラも青神の頭の上で「ぷる?」と不思議そうに鳴いた。


「そうだ」

青神は重々しく頷き、語り始めた。

「俺はかつて、日本全国を鉄道で巡るスゴロクゲームで、

資本主義の闇と友情の崩壊を学んだ……!」


青神は、何千時間も費やした『桃次郎電鉄』のプレイ記憶を呼び覚ましていた。

「いいか、よく聞け。

一生懸命サイコロを振って、コツコツと貯めた金で買った優良物件。

それを、たった一枚の『乗っ取りカード』で強奪される絶望を!

しかも外道な奴は『ダビングカード』でそれを増殖させ、

他人の資産を根こそぎ奪い尽くすんだ!

挙句の果てに貧乏神を擦り付け合い、借金まみれにしてカードを破壊する……。

あいつらが今やってる土地転がしは、まさにその最悪のプレイングそのものだ!」


ゲームの理不尽さを通して「金と欲望の業の深さ」を限界まで学習していた青神は、

その悪逆非道な手口を誰よりも理解していた。


青年は屋上の縁に立ち、広場に向かって声を張り上げた。

「おい、そこの腹黒スーツ!

てめえらのやってる事は、通貨発行の嘘を利用したチート行為だ!

ルール無用で他人の土地を奪い取る、

美学の欠片もない最悪のクソゲープレイだぞ!!」


突如として響き渡った青年の的確な告発に、

地上げ怪人ローリング・エステートは動揺した。

「な、なにィ!?

なぜ我々の不正な資金調達スキームをそこまで完璧に見抜いて……貴様、何者だ!」


「ただの、遊びを極めし者だ!」


青神の言葉は、三人の乙女たちの心に強く響いた。


(……なるほど、そんな汚いカラクリがあったのね。

でも、ここは正義のヒロインらしく!)

ゆかなは両手を頬に当て、もじもじと身を捩った。

「あんなズルいやり方でお金を稼ぐなんて……

 破廉恥すぎて、見ているこっちが恥ずかしくなっちゃいますっ!」


「よくわかんないけど!

 ズルして他人の大切な場所を横取りするなんて、最低のサイテーよ!

 あーもう、こんな奴ら見てるだけで顔が赤くなっちゃう!」

ゆみは怒りと特有の勝気さで顔を真っ赤にし、

照れ隠しのように黒いスカートの裾をギュッと握りしめた。


「皆様の笑顔と幸せを奪う悪のシステム……。

恥を知りなさい! 私が、排除を実行します!」

3号の頬のLEDライトが、ピンク色にポッと染まる。


「ぷるきゅーーーん!!」

三人の乙女から立ち上る強烈な「正義漢」と「恥じらい」のオーラ。

それが神(=目の前にいる青年)の恩寵を呼び込み、

エンジェラを媒介にして変身ベルト

『シャイニング・ドライバー』が爆発的な光を放った。


「システム・エラー!?

 ば、馬鹿な、彼女たちの恥じらいパワーが、

 我々の土地評価額を上回っていく……!?」


青神の告発によって悪のスキームが白日の下に晒されたことで、

敵の精神的防御は完全に崩れ去っていた。


「いくわよ、二人とも! 悪の資産を強制差し押さえよ!」

「おうっ!」

「出力最大、いきますっ!」


「必殺! シャイニング・ジャスティス・ディビデンド(正義の配当)!!」


三人の恥じらいの力が凝縮された極彩色のビームが、地上げ怪人を直撃する。

「あまーーーい!

 決算が、赤字ィィィ……!!」

怪人は断末魔と共に、大量の札束(偽札)の幻影を撒き散らしながら爆発四散した。


「……ふっ、ゲームセットだ」

青神は前髪をかき上げながら、静かに呟いた。


「やったわね!」と無邪気に喜ぶゆみ。

「これで皆様の幸せな日常が戻ってきますね」と微笑む3号。

「ええ、大勝利ね。

(でも、あの土地の権利書、どさくさに紛れて回収できないかしら……)」

と密かにほくそ笑むゆかな。


青神は彼女たちを見つめながら、確信した。

(この世界はクソゲーだが……このパーティーなら、

裏ボスまで辿り着けるかもしれないな)


遊び人が賢者への道を一歩踏み出した瞬間だった。


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