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 乱獅子(らんじし)琴子(ことこ)は自室のベッドの上に体育座りしていた。

「お兄様たちはどこにいってしまったのかしら」

 枕を抱え、そこに顔を(うず)める琴子。その声はいまにも消えそうなほど小さかった。無理もない。大好きな兄が丸1日帰って来ないのだ。心配になるのは当たり前だ。

 琴子は水晶のような輝くペンダントを握り締める。それは兄から貰った大切な宝物だった。

「お兄様、英介さん、早く帰ってきて…」

 意味がないと分かっていながら琴子は祈る。しかし、何もしないでいるともっと心配になってくるのでとにかく祈り続けた。目を(つむ)り、語りかけるように心の中で言葉を紡ぐ。

(お兄様…、どうか、どうか……)

 そうしているうちに琴子は眠くなってそのまま寝てしまった。

 照明をつけたままの部屋から、音が消え去る。残る音は時計の秒針の音と琴子の静かな寝息のみだ。

「おにーさまぁ、むにゃあ」

 寝言とともに琴子は体育座りを崩し、ベッドに倒れこんだ。

 深く、深く琴子は寝入っていく。

「え、えへへ…おにーさまあ……」


 こうして表の世界の夜は明けていくのだった。

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