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夏を記す瞳に君のかけら  作者: 大西さん
序章:灰色の空の下で
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第39話 青の変化

神社を出て、また商店街へ。


夕方になってきた。


西日が、建物を照らす。


オレンジ色の光。


でも——


おかしい。


青が、全部おかしい。


看板の青い文字が、緑に見える。


青い日よけが、緑に見える。


空さえ、少し緑がかって見える。


これが、感情汚染の症状。


視覚の変化。


青が、正常に見えない。


なぜ、青なんだろう。


母の記憶と、関係がある?


「カナミちゃん、顔色悪い」


ヒナタが、また心配する。


「ちょっと疲れた」


本当のこと。


感情の制御で、疲れ果てている。


「送るよ」


「大丈夫」


「遠慮しないで」


ヒナタが、強引に手を引く。


「宿、どこ?」


「駅の近く」


「じゃあ、送る」


手をつないだまま、歩く。


震える手を、ヒナタが握っている。


きっと、震えは伝わっている。


でも、何も言わない。


ただ、優しく握ってくれている。

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