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夏を記す瞳に君のかけら  作者: 大西さん
序章:灰色の空の下で
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第26話 夜の静寂

部屋に戻る。


6畳の和室。


畳の匂い。


い草の、懐かしい匂い。


布団が、敷いてある。


浴衣も、用意されている。


着てみる。


薄い生地。


風が通る。


涼しい。


窓を開ける。


網戸越しに、外の景色。


もう、暗い。


でも、2130年の暗さとは違う。


月明かりがある。


星も、少し見える。


虫の声。


コオロギ? スズムシ?


リーリーリー。


優しい音。


蝉とは、違う。


夜の音。


風が、吹き込む。


少し、涼しくなった風。


でも、まだ夏の匂い。


布団に、横になる。


天井を見る。


木目が、見える。


不規則な模様。


でも、美しい。


目を閉じる。


今日の記録を、整理しないと。


でも——


整理できない。


全てが、混ざり合っている。


感覚と感情が、絡み合っている。


これが、感情汚染?


でも——


汚染じゃない。


むしろ、浄化。


私の中の、本当の私が、目覚めている。

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