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岬ノ村の因習  作者: 結城 からく


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第78話 殺戮の車輪

 現実ではまず見かけない武装の数々を前に、リクとナオは大喜びする。

 リクは満面の笑みで機関銃を構えてみせた。

 手から伝わる重みに彼はまた喜ぶ。


「おいおい、とんでもない装備だな!」


「ねえねえ、使っちゃう?」


「もちろん! 俺達を撃ったバカ野郎に反撃するぞ」


「わーい!」


 リクは再び運転席に乗り込んだ。

 武器を使ったサポートに回るため、ナオはついていかずコンテナに残る。

 リクが操作を確認していると、ハンドル付近からノイズ音が発生する。

 それはナオの声だった。


『りっ君ー、聞こえるー?』


「聞こえるぞ。電話でも繋がってるのか?」


『マイクとスピーカーがあるよ。これでお喋りできるみたいだね』


「へえ、至れり尽くせりだ」


 リクはハンドルをしっかりと握り、アクセルに足をかける。

 高鳴る心臓の音を聞きながら彼はナオに呼びかけた。


「出発するぞ! しっかり掴まっとけよ!」


『オッケー!』


 リクがアクセルを踏み込んだ。

 急発進した殺戮装甲車"方舟"がシャッターに激突し、そのまま一気にぶち破る。

 外に飛び出した直後、どこからともなく弾丸が打ち込まれた。

 しかし、規格外の装甲にあえなく弾かれる。

 狙撃が効かないことでリクはますます機嫌を良くした。


「はっはー! そんなもん効かねえよォーッ!」


 加速する方舟は小道をひたすら走る。

 間もなくリク達が乗り捨てた軽自動車が見えてきた。

 軽自動車を避けて通る幅はないが、リクは躊躇なく直進を選ぶ。


「おら邪魔だ邪魔だァ!」


 方舟が軽自動車にぶつかって吹き飛ばした。

 前面がひしゃげた軽自動車は派手にスピンして道の脇で横転する。

 方舟はその横を猛スピートで通り過ぎていった。


 そこから百メートルほど進んだところで、リクは前方に立つ二人の男に気付く。

 男達は村の有力者だった。

 県警の到来に焦り、村長宅からここまで走ってきたのである。

 男達は迫る方舟を見て愕然とする。


「なっ、誰が方舟を動かしとるんだ!?」


「おい止まれ! 許可しとらんぞっ! せめてわしらを乗せろっ」


 方舟は抗議を無視して突っ込んでくる。

 男達は道の端へ跳び、間一髪で轢かれずに済んだ。

 茂みに倒れた彼らは胸を撫で下ろすも、コンテナから覗く機関銃を目にして凍り付く。


「やっほー」


 走り去る間際、ナオが機関銃の引き金を引く。

 男達の全身が爆発して一瞬で肉片になった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 胸糞村人ども、ざまぁ。www
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