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七色に光る新種の野菜を見つけたのでバズった話

小説書いたことないので練習として投稿しました。よろしくお願いします。

特にオチはありません。

 中山雄二は関東地方に住む農業を生業にしている25歳の青年である。


 幼い時に両親を亡くすが農家を営む祖父母に育てられ、大学を卒業すると同時に農家を継いだ。


 祖父母たちは反対したが、小さいころから彼らの手伝いをしてきた雄二には家業を継がないという考えはなかった。


 農家と言えばキツイ、汚い、危険のそろった3K職業で悪い意味で有名だが、近年は管理ソフトやAI、ドローンといった最新技術を導入して活用する農家も珍しくはない。


 雄二もそういった農家の一人だった。


 祖父母たちを説得して資金を出してもらい、自身もアルバイトして貯めた貯金を崩して各設備を導入した。


 その甲斐あって去年まで安定した経営を行うことができたが、今年に入ってからの天候不順により、レタスなどの夏野菜の収穫の見込みが立たなくなってしまった。


 去年までの貯蓄があるため、すぐに生活が立ち行かなくなることはないが、将来を考えると不安が彼の心を靄のように覆っていた。


「大丈夫、なんとかなるさ」


 やや楽観的な気質の祖父母達は笑ってそう言うが、やや心配性の雄二の不安が解消されることはなかった。


「どうしたもんかなぁ……」


 農作業の休憩中、雄二は団扇を扇ぎ初夏の暑さと戦いながら今後の展望に思いを馳せていたが、特に天啓を得ることは無く、ただ時間が過ぎていくだけだった。





「ん?」




 翌日、いつものように畑作業をしている最中に雄二はあるものを見つけた。




「なんだこれ?」





 それは太陽の光を受け七色に光る数株のレタスだった。


 

 あまりにも現実離れした光景に、雄二は自分がついに狂ったと勘違いしそうになった。


 確かにレタスを育ているが、それにしたって七色に光るレタスなんてものは育てた覚えもなければ聞いた覚えもない。


 恐る恐る慎重に七色に光るそれを触り、質感などを確かめる。


「誰かのイタズラか?」

 

 最初、雄二は近所に住んでる子供の仕業かと考えたが、すぐにそれを否定した。

 

 子供のイタズラにしては手が込みすぎてるし、そもそも触った質感が本物のレタスと遜色ないものだったからだ。


「こんな新種が突然発生するのか?そもそもレタスなのか?」


 状況が飲み込めず立ち尽くす雄二であったが、このまま突っ立っていても仕方ないと考え写真を撮影することにした。


「これ、使えるんじゃないか?」

 

 しばらくの間撮影した写真と実物を見比べていた雄二にあるアイデアが浮かんだ。


 つまり、この光るレタスをネットでバズらせ話題にするという狙いだ。

 

 近年、SNS等で話題になったグッズや商品が流行り、利益が向上したという話はデジタルネイティブ世代である雄二にとってはある意味常識だった。


 もしこの光るレタスが本当に新種で、味も良かったとすれば、雄二がその先駆者として有名になり、莫大な収入を得ることができるかもしれない。


 そう思い至った雄二はまず最初に、目の前で光っている数株のレタスのうち1つを収穫し帰宅した。


 家に戻った雄二は祖父母に事情を説明した。最初は状況が飲み込めなかった祖父母たちだが実際にレタスを見ると、驚きつつも雄二がやろうとしていることに許可を出した。


 許可を得た雄二が最初に行ったのは、国の研究機関にこの七色に光るレタスの写真とサンプルとして半分に割ったレタスを送り、その後先程撮影した写真と新たに撮影したレタスの断面を以前作った大手SNSアカウントを使い投稿した。

 

 あとは結果を待つだけと雄二はいつものように過ごし、寝ることにした。


「まさかこんなことになるとは……」

 

 半年後、結論から述べると雄二は農家として知名度と利益を得ることに成功し、祖父母たちの老後の資金や彼自身も働かなくてもいいくらいの大金が舞い込んだ。




 その過程で研究者と取っ組み合いをしたり、迷惑な野次馬対策をするハメになったり、泥棒を捕まえる事になったりしたのはまた別の話。

読んでくださりありがとうございます。

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