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華やかなエンジェルライフの表舞台に隠れたもう一つの真実は、怪しく危険で、そして哀しい。

華やかなイタリア公演を成功させたエライザとういか。エライザは、日本に帰りイタリアで出会ったカルロに思いをはせる。カルロの母、カルメンの骨肉腫の治療にも取り組んでいた。一方、ういかは、朋美と赤十字の医療指導に参加する。シリアとの国境に赴任した二人には、予期せぬ危険が待っていた。


世界三大料理、トルコの街を食す。

イタリアでの講演を大成功させた、エライザとういか。エライザには気になる人もできた。エライザは、日本に帰りカルロの母、カルメンの治療に悩んでいる。エライザに代わり新人のエンジェルクルー宇田朋美が合流しトルコへ向かう。

エンジェルライフの収益をシリアの内戦で苦しむ民間人や負傷兵の救護に役立てるためにういかと朋美が、現地へ看護師の指導に赴任した。ういかは、イタリア公演も終わり、一休みしたいところだが・・新しい取り組みに自ら志願して連続海外出張!


モトズラウンジで

元:久しぶりの日本はどう なんか食べたか?

エライザ:空港から築地のすしざんまいに直行ですよ。生魚の禁断症状出ちゃって・・刺身、すしには日本酒ですね。

元:いいね。しばらく休暇だから日本を満喫して。ういかは、トルコに入るってるのか?

早紀:ういかさん、朋ちゃんと合流して戦場での救急看護の研究会です。休みなしの連続海外!本人希望です。

エライザ:私を休ませたいって・・ありがたいんですけど、やる気ありすぎると・・心配だね・・

元:今までとは、少し勝手が違うな。

あさか:赤十字の看護チームへのコンサルティングは、新しい取り組みですが、教えることより学ぶことのほうが多いかもしれません。究極のトリアージが求められますし、安楽死に近いことも起こります。治療方法や応急処置については、二人が指導できることが多くありますが、二人にかかる精神的な負担は相当なものかと・・

エライザ:二人は従軍するの?

早紀:いいえ 安全面も考慮し赤十字のバックヤードにとどまります。トルコ軍のSPが常時付き添います。

エライザ:SPなんてういかに付けて大丈夫かね。また、私のプリンスはこの人かも・・とか言ってんじゃない。

早紀:SPは、精神的な揺さぶりにもぶれない訓練を受けてますから。ハニートラップには掛かりません。


エライザ:あさかさん、合流した宇田朋美 朋ちゃんてトルコにいた経験あるんですよね。

あさか:結構サバイバルですよ。一人でヨーロッパから北アフリカからバックパッカーで旅行してトルコが気にいて2年住んでたみたい。そこで地元の人に寄り添う日本人看護師に出会い、帰国後猛勉強して看護師になった。

早紀:最初から看護学校じゃないんですよね

あさか:病院の雑用から初めて養成所。実務経験を積みながら看護学校に入って正看だから根性あるよね。

エライザ:すごいね。ファイターだ!

あさか:いろんな経験してるし、トルコには精通してるから行ってもらった。

エライザ:ういかもこころ強いね!

早紀:ちょっと心配なのは、朋ちゃんも酒豪で・・・一度飲んだことあるんだけど・・・エライザほどじゃないけど・・ういかよりは上かな・・・

元:そりゃ・・かなりの飲んべえだぞ!


ヴェネツィア・テッセラ空港

ういか:朋ちゃん!!こっちこっち!

朋美:ういかさん、お久しぶりです。ベニスどうでした?

ういか:もうー最高!男たちがういかをほっとかないから、大変!忙しくて!

朋美:そうじゃなくて、公演!

ういか:そっちは、また、エライザにいいとこ持ってかれちゃったね。瞬発力すごいわ!

朋美:ちょっとニュース見ましたけど、ステジー下りて行って倒れていた観客を救護したんですよね!やらせだ、そうじゃないと論争になってます。

ういか:もう、絶対そうだと思った。エライザは、そういうの気にしないけど、まわりが取材攻めにあって大変だよ。

朋美:やっぱり、やらせじゃないですよね。

ういか:アホか身内が疑うのか!

朋美:敵を欺くには、まず身内からと・・

ういか:アホなこと言うな・・エライザは、そんな姑息なことはし!ま!せ!ん!

朋美:スイマセン・・でもすごいですよね。とっさの判断力!

ういか:判断力だけちゃうねん。こっちが気づいたらエライザは、もう走ってるからね。かなわんて・・

歌の後のMCは、急きょ変わったんだ。エライザもちょっと意気上がってて急にMCでつないでって言われて。

朋美:配信Liveの録画で見たんですけど、爆笑だったじゃないですか・・全部アドリブですか!?

ういか:アドリブアドリブ! もう、言葉、通じんからこっちも必死やて・・でもそこでもエライザが最後に美味しいとこ持ってきよった。こっちがどんスベリして苦しまぎれに通訳いじったらうまくかみ合って笑いだしたら・・最後・エライザ出てきて・・どっかーん大爆笑!!・・やっぱ観察力と瞬発力やね。

朋美:ベニスの街はどおでした。わたし、ベニスにあこがれてて、いつか住みたいなって、夢なんです。

ういか:どこ見てもきれいで映画のセットみたいね。男たちは女性にはどこでも優しく口説くし、目移りしちゃって・・食べ物もおいしいし、・・住んだらおおらかな人になれる気がする。・・大阪弁を静かにする品格があるね・・


ご搭乗のお客様は、7番ゲートよりご搭乗ください。

朋美:あーー憧れのベニスに来たのにトランジットだけか・・・

プロペラ機が離陸すると、ベニスの街を旋回してトルコに向かった。

ういか:朋ちゃん!トルコに住んでたんだって?

朋美:はい、北アフリカからバックパッカーで旅行してきて、帰る途中でトルコに寄ったんですけど・・ちょっと有って、、結局2年も居ちゃいました。

ういか:ちょっと有ってって・・・男だな!

朋美:まーそんな感じですけど・・後半は、やっぱり街が好きで居座った感じですかね。

ういか:どんな男だったの?

朋美:あんまり熱心に褒めてくれるんで、ついその気になって、、優しい人だったんだけど仕事してなて、、

私が日本食レストランでバイトして・・給料よかったんですよ・・当時、日本食ブームで・・彼が、料理、家事みたいになってずるずると、、そうしたら彼!妻子持ちだったんです!。奥さんが連れにきて・・

ういか:修羅場じゃん!

朋美:それがそんな風じゃなくて、突然奥さんが来て、”お世話になりました”って預かってた宅急便持ってくように・・彼もお世話になったねってすがすがしく帰っていったの。

ういか:なんじゃそれ 修羅場じゃないのか・・・

朋美:トルコの人ってみんなおおらかなんですよ。結構、男も女もわからんように遊んでて、、、だれが既婚者かよくわからないとこも・・

ういか:彼はイケメン?

朋美:トルコの人って男もハンサム、女性も美人ですよ。でも、日本人の女性はむっちゃ持てます。夜、バーとかで飲んだら声かけられないことはないです。飲み代も結構払ってくれます。

貧乏旅行の時は朝、昼食べれなくて晩の8時くらいになるとバーに行って声かけてくれる男の人とレストランに

行ってました。それから、バーに戻って飲み比べして、みんな下心ばっちりで挑戦するんだけど全て返り討ちにしてやりました。

ういか:エライザといい勝負かもね。


機内アナウンス

まもなく着陸いたします。座席を起こしシートベルトをお締めください。

トルコの空港に着いた

朋美:ういかさん、レンタカー手配してるのでどっか行きます? 荷物はコーディネーターがホテルに運んでくれます。疲れてないですか?

ういか:だいじょぶダイジョブ!イケメン見に行きましょう!。

朋美:明後日から赤十字のバックヤードに合流ですよね。夜は今日までじゃないですか。もう3時ですね。

飲むのは早すぎるから街ブラでもしましょうか。カイセリの街は、私も始めてなんですよね。

ういか:小腹空いたな・・

朋美:車止めて歩きましょう。


カイセリのレストラン街を歩き出した。

朋美:ういかさん、サモサ食べます。美味しいですよ。

ういか:なにそれ

朋美:簡単に言うと、おにぎり型の揚げ餃子ですかね。

どこでも売ってます。トルコやインド・・この辺のアラブ諸国のファーストフードです。国によって呼び方が違いますが、ほとんどどこの国にも有ります。

朋美がサモサとアイスクリームを買ってきた。

朋美:そこのベンチに座りましょう。

ういか:結構人通りが多いね。

朋美:街中はどこも人が多いです。街を外れるといきなり民家もなくなり砂漠ばかりの地域も多くあります。

歴史上いつも戦いが起こった場所で、ヨーロッパとアジアの貿易の起点でもありました。いろんな民族がまじり誰にでも友好的ですが、心の底から気を許すのは家族だけです。

ういか:明後日から行く赤十字のバックヤードは、シリアとの国境近くよね。シリアは政府軍と敵対する勢力が今も内戦状態だし、危険な場所だよね。

朋美:正直、私も話をもらった時、悩みました。トルコに暮らしていたとはいえ、危険な場所には行ったことがありません。トルコ政府は、どちらかと言うと反政府勢力に肩入れしていて、欧米の意向もあり今のシリア政権を打倒する立場で動いていますが、地理的に対峙しているのはトルコだけなので表立ってシリア打倒となるとトルコ内にテロリストが入ってきてしまいます。

ういか:難しい立場なんだ。表向きは中立。人道支援と言って反政府勢力を支援するってことか・・・

朋美:トルコには、反政府勢力と同じ部族も多く暮らしているので、もっと反政府勢力を支援して現政権を倒せとの意見も多くあります。

ういか:私たちが赴任する赤十字のベースキャンプは、何か所もあって、その中にはシリア政権の兵士を看護しているチームもあるんだて。赤十字の医療チーム、看護チームに敵味方はないけど、相手側から見れば、

全部敵となっちゃうから、明日からは、緊張する毎日が続きそうやね。

朋美:今日の夜までは、安心できるところで楽しみましょう!


二人はホテルに戻ってそれぞれの部屋で休んでいた。

ういかの部屋の電話が鳴った。

(プルルル)(プルルル)(プルルル)

朋美:出ないな??部屋にいるはずなんだけど・・

ういか:うーーn誰や、しつこいな・・寝かしとけ・・ーn切れたか・・

朋美:もう8時だし、でも、ういかさん公演明けで疲れてると思うから・・・

朋美はういかを残して部屋を出た。

朋美:地図見るとこの辺なんだけどな・・・あっこの看板か?ジプシーローズ?  バラの花が消えかかってるけど。怪しげな地下への階段を下りていくと、何やら軽快なリズムが聞こえてくる。

♪戦い敗れて強く生る かすかにほほ笑むジプシーローズ 一夜限りのプリティーローズ♪

音楽に導かれるように壊れかけた扉を開けた。眼光鋭い男たちが視線を向けた。思わずひるむ朋美。扉の陰から不意に中年の女が顔をのぞかせ・・・


一人旅の時のように、一人で飲みに出た朋美。エンジェルクルーが一人で出歩いて、ディープな夜には危険が潜んでいるぞ!



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