番外編 ソフィーユ、甘い蜜と花園の蝶。
『お前の父のせいで!何度も酷い目にあわされてきたんだ!!』
『醜い愛人の子は、やっぱり醜いわ…。』
『なんでアンタみたいな奴が旦那様の髪色を持ってんの?』
いつも、ろくに会ってもいない父のせいで、存在を追いやられてきた。
お兄様は器用だったから、メイドのいびりも避けられていたけれど、私は違うから、メイドのいびりから逃れることは出来なかった。
『あんたは邪魔ものなの。分かる?』
メイドに罵詈雑言を浴びされて、やっかみのように外からじゃ見えないところを殴られて、傷を隠してお兄様たちのところへ何食わぬ顔で戻る。
全部、お兄様とお母様とのささやかな暮らしを私なりに守るためだった。
だけど結局、ささやかな暮らしは、お兄様が無力な私を庇って、正室の子供を殴ったせいで、終わってしまった。
レイヴィア・フィ・シャルラム。 そして、ラウゼル・ルキ・シャルラム。
この二人が、新しく姉と父になる人だと、事前に教えられた。
レイヴィア・フィ・シャルラムも、ラウゼル・ルキ・シャルラムも、巷ではよい噂が流れていない人物だったから、私はもちろん嫌だった。だけど、お兄様とお母様と一緒に、あのお屋敷から離れられることは純粋に嬉しかった。
メイドよりひどく殴られるかな。あの人たちより酷い罵詈雑言を浴びせられるかな。
そんな妄想ばかりしていた私が出会ったのは、天使のようなお姫様だった。
『初めまして。』
不吉だって言われている藍色の髪も、その美しさをより引き立てて、綺麗だな、って、思った。
このお方を見ていると、何が不吉で醜いのかも、分からなくなるような気がした。
声も、人を傷つけることなど知らないような清らかな妖精のような声で、手だって真っ白で綺麗だった。瞳は雪景色のような灰色で、唇は桜色で。不吉だと言われている藍の髪も、まるで夜空のように綺麗だった。
だけどそこに、私と同じような何かがあるような、気がした。
“痛み”を知っているような、感じだった。
高貴な方を傷つける人はいないし、何よりも、白い手が清らかだと示している。
なのに、時折見せる儚げな表情が、私はとても気になった。
だけどあのお方は、“弱い”なんてわけがなかった。
その“強さ”で、私たちを守ってくれた。
それが、知らないお屋敷で心細かった私たちにとって、どれだけ救いとなったかは、計り知れないだろう。
私はそんな、“強さ”を持った、美しいお姉さまに憧れて、私には分かれない“弱さ”も持ったお姉さまを守りたくって、成長する決意をした。
お姉さま。
強く強かで美しいように見えながら、奥底に計り知れない哀しみと弱さを秘めている貴方に、私は憧れ、それと同時に守りたいと思ったのです。
ソフィーユ・ロィ・シャルラム。
私は毒花となり、虫を誘い囁く甘い蜜となり、花園の蝶を守ると誓った。
ブクマなどなど、ありがとうございます(*- -)
あっというまに半年が経とうとしております…。更新頻度を上げられるよう、頑張ります!
一応、今のお話がある程度まとまりがついたら学園編に入る予定です。
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断罪中に史上最恐の悪女だった頃の記憶を思い出しました☆ なのでざまぁしてもよろしいでしょうか?(拒否権はありません)




