番外編 ソフィのお見舞い
ブクマなどなど、ありがとうございます(*- -)
更新遅れてすみません…。眠っていた番外編を多少修正して投稿です…。
「ねぇ姉さま…。」
「…なぁに?フィル。」
「これヤバ――」
「その先は言わないで…!」
私、レイヴィアとフィルは公爵家の厨房で真っ青な顔をして、お菓子とは言えない見た目のブツを見つめているのであった…。
時は数時間前に遡る…。
* * *
「ソフィ~!」
私とソフィとフィルは、広ーいお庭で鬼ごっこモドキをしていた。
今はソフィが鬼。だけどソフィの動きは鈍い…。
「…ソフィ?大丈夫?」
近寄ってみると、顔も赤く、息は乱れているのが分かる。
フィルも心配して近寄ってくる。
「は…い、だいじょう―――」
言いかけてふらついてしまったソフィを、とっさに抱き留める。
ソフィ、凄い軽い…!そうこうしていると、ソフィはぷしゅ~と音を立てるようにヒートアップして、気を失ってしまったのであった。
* * *
私がパニックしている間にも、フィルは冷静に使用人に私の腕の中のソフィを預けて、医者を呼ぶよう指示を出した。
「…熱中症ですな。」
――熱中症!?この世界にあったんだ…。
…顔を真っ赤にして苦しそうにするソフィ。ソフィが少し楽になれるようなモノって――。
…冷たいアイスはどうかなぁ。冷凍庫がなくてもグールグル混ぜてできる作り方、前世で呼んだ科学誌に載ってたし…。冷凍庫がなくても出来るし…。
うん、そうしよう。
…なんやかんやで私がほとんどやると呪いのお料理になりそうなので、傍にいたフィルの腕を引っ張って、見守りを途中からやって来たフィーお母様にバトンタッチして私は厨房にやってきた。
* * *
「姉さま、何するの?」
「アイスクリームを作るのよ!」
「あいすくりいむ?」
フィルがハテナを浮かべていたので身振り手振りで冷たくて―甘くて―と説明をした。
「あぁ、アスティのこと?」
「あすてぃ?」
…今度は私がハテナを浮かべる番だった。
フィルの分かりやすい説明からするに、アスティは前世で言うかき氷みたいなものだと分かった。氷系の魔法が発達している地域でよく食べられてるお菓子なんだって。
「美味しそう…」
「…でも、姉さまの話を聞くにアスティと…あいすくりぃむ?は違うものだよね」
コクリと頷く。
「よし、とりあえず作ろう~!」
「…分かった」
***
…材料を入れたボウルを、塩と氷に浸して混ぜるだけだった。…なのに。
――なぜ、こんなにも変なブツが出来てしまったのだろうか。
…ヒロイン補正?ヒロイン補正なの?
「…初めから成功する人は少ないわ!」
「…分かった」
――そしてテイク2…。
…泥だらけの雪だるまが溶けたような。味は……味は……。
――そしてテイク3…。
…ここは沼なの?味は…沼の水。飲んだことないけど。
――そしてテイク4…。
…もう分かるよね?
――そしてテイク5…。
…これ、ヘドロに紛れても違和感ない。味は…お察っしの通り。
――そしてテイク6…。
…をしようとしたところで、フィルが断言した。
「…姉さま。僕だけで作ってみる」
―――そして案の定、立派なアイスクリームが出来た。
…そうよ、私が料理下手なのはヒロイン補正よ!だって私前は料理そこそこだったもの!
「…味見しよ!」
「…分かった」
――案の定、美味しかった。
――そしてフィルは。
「…アイスクリームって美味しかったんだね」
…そうよ、アイスクリームは美味しいのよ!
――私は結局、フィル作のアイスクリームに、ハチミツレモンを掛けて、ミントを乗せて終わった。
…ハチミツレモンは私が作ったのって?…私のハチミツレモンが呪いのブツにならないわけがないでしょう。フィルと、途中から参戦してきたフィーお母様が作ったんだよ…。
* * *
「…失礼します」
ソフィは…まだ寝てるみたい。
溶けないようにと氷の魔力を使用したドライアイス的なのを傍においたアイスクリームの器を、そっとソフィの側に置く。
「…おねえ、さま…」
「ソフィ、大丈夫…?」
「わぁ、それはなんですかあ?」
若干回ってない呂律で、めざとくアイスクリームに目を付けたソフィ。
「アイスクリームっていう、冷たい甘いものだよ。大丈夫そうだったら食べてね!…まぁ、私はちょっと手伝っただけなんだけど…。」
最後の方はゴニョゴニョと。料理音痴でごめんなさい…。
「おいしそーです~。たべれますよぅ。」
「良かった!じゃあここに置いとくね。」
ソフィが寝てるベッドのそばの台に置くと、こちらをガン見してるソフィと目が合った。
「…わ、私の顔に何かついてる?」
まさか、つまみ食いしたアイスクリームが付いてるとか…!?
「お姉さまは…綺麗…で……私…は、憧れて……」
「ソフィ…?」
「お姉さま…は………………だから…」
何か呟くなり、またスヨスヨ寝てしまった。
無理に起こすのも可哀想だと思って、アイスが溶けないよう、アイスの器の周りにドライアイス的な使い捨て氷魔法道具を追加して、側の台に置いておく。
額にソフィの綺麗なベージュブロンドの髪がかかっていたのではらってあげて、そっと部屋を出る。
「ソフィ、早く元気になるといいな…」
ほんの小さな呟きが聞き取れたのか、フィルが私にそっと微笑む。
「ソフィは、姉さんのことが大好きだから、大丈夫。」
私が大好きだから早く治る…?どういうことなのか…。
でも次の日にはソフィの体調が良くなったので嬉しくて、フィルの謎発言のことも忘れてしまった私だった…。
ソフィはレイヴィアが手伝ったと聞いたアイスクリームでパワーが増えましたとさ…。
* * *
プロローグから全部、編集頑張ってます。変な所とか書き変えてます。題名の数字が一、三、四、五、…十九になってたときの絶望は今でも忘れられません…。一個数字ずれちゃって、やり直ししんどかったです…。




