2,目指せ国外追放
ごきげんよう、私、レイヴィア・フィ・シャルラム!華の公爵令嬢に転生しましたの!
――全然ウレシクナイ!!
うわ~、死にたくないよ~。
「――とりあえず、整理しなくっちゃだよね。」
一旦冷静になって、前世の記憶を思い出した時のことを思い出す。
レイヴィアは図書室へ行った。光が差し込むお昼時の図書室。
そして本を取ろうとして…華奢な腕ではその本を取ることが出来ず、結局は本が落下して梯子から落ちて…。
相当分厚い本だったから、めちゃくちゃ痛かった…。
今でも思い出すと痛いし…。
――それで、私は"レイヴィア・フィ・シャルラム、八歳"に転生してるって気づいた。
…最初は本当に認めなくなかったけどね!!
でも認めたくなかったのも当たり前…。
だって――レイヴィアって、死亡フラグ立ちまくりなんだもの…!
もう、本当に、レイヴィアって、死亡フラグ立ちまくりな人なんだよ?!
しかもレイヴィア、死亡エンド以外には、国外追放エンドしかないんだよぉ…。
うわぁぁぁと再びゴロゴロしてしまう。
――でも、ゴロゴロしてたって何も始まんない…。今世こそ寿命を全うしたいし、楽しく生きてみたいし、悪役令嬢に転生したから死ぬしかないなんて、お断りだし…。
……とりあえずまぁ、‟死なない”ために、悪役令嬢レイヴィアについて分かっていることから思い出していこう。
――まず、悪役令嬢レイヴィア・シャルラムが死なずに、国外追放エンドになる条件は…
・ヒロインが攻略対象全員の好感度をMAXにする
・卒業パーティーイベントまでに隠しキャラをコンプリートする
・レイヴィアに卒業パーティーでヒロインを暗殺させない
だった(…多分)。
だから、レイヴィア大嫌いな人は、条件一つ抜かせばシャルラム死刑直行にできる…という。ハナネガはヒロイン至上主義のゲーム。
…でも、最後のヒロイン暗殺項目は私が自制心を身に着ければ平気だよね!…そして後の項目はただただ、この世界…ハナネガのヒロイン様に攻略対象全員の好感度MAX&隠しキャラコンプ頑張ってもらうしかない…!私の安寧国外追放ライフのために!
とりあえず――目指せ国外追放!!
…よし、前が見えてきたような気がする!
――ところで、私の髪、今どうなってるだろう。ゴロゴロしちゃってたから…。
鳥の巣になってないことを願うばかりです…。
「……お嬢様、失礼します。お身体は大丈夫でしょうか。昼食の準備が……出来ました。」
後に部屋に入って来たメイドが絶句して、何とか言葉を紡いでたから…私の髪の状態は……察してね☆
◇◇◇
髪をヘアブラシで整えられて、服を着替えて昼食に向かう。
昼食は…お肉。わー、じゅーじゅー鉄板の上で踊ってる~。
…おもい。
美味しいけど、おもい…。そしてパンは、か弱いレイヴィアの腕ではちぎれないほど、固い。スープに浸さないと、これ絶対食べれないでしょ…。このパン毎日そのまま食べてたら、顎がいつか割れそう…。
そうして何やかんやで食べ終わり、食後の紅茶を堪能…。
うーん、紅茶はめちゃくちゃ美味しい…。いい香りすぎる…。これ絶対高級でしょ…。
……だけど、呑気に紅茶を飲んでると、嵐が到来してしまった。
嵐って何って?
銀髪に灰色の瞳の私のお父様、イメージフラワーは白いイベリスの、ラウゼル・ルキ・シャルラム公爵のことだよ…。