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⒕女装…?

最初がホラーっぽいけど…。


久しぶりの投稿です!遅れてすみませんでした(*- -)


『許さない…。絶対許さない…』


地の底から響くおぞましい声。



…私の足を、真っ黒な地面から伸びてきた白い手が掴む。私は、あっという間に、闇へと引きずり込まれていってしまう。




闇に完全に引き込まれてしまう刹那に、向こうに佇む、二人の人影を見た。



しゃくりあげて泣く淡い水色の長い髪の誰かを、金髪の誰かが抱きしめている。


…お父様。お父様が抱きしめているのは、お母様。



助けて――ほしい。…けど、私をお父様が助けてくれるはずもない。伸ばした手は、力なく降ろされた。



『俺の前から、消えろ』


濃紺の瞳で睨まれて、そう言い放たれた。



―――言われなくても、いつか、消えてあげるから。



私は、悪役令嬢だから。


お父様。私は貴方を求めないから――。


だから、いつまでも、私を嫌っていて、いいからね…。



――そして、暗闇に、私は完全に引きずり込まれた。




脳裏に浮かんだのは…部屋の中、独りぼっちの、幼い前世の私。


『独りは嫌だよ…お母さん…お父さん…』


――声は、意味もなく、真っ暗な部屋に吸い込まれていくだけで。



◇◇◇

体が揺れ、ゆっくりと(まぶた)が開いた。


…ここは、王宮の向かう馬車の中。


――大丈夫。暗闇の中ではない。



あれは夢だと分かっているけど…暗闇は、私の大嫌いランキングベスト3に入るもの。現実ではなかったのかと、


――あの、閉じられた暗い部屋と、響き渡る雷雨の音は、今でも忘れられないから。


「…レイヴィアお嬢様」

前の席に座っていたアヴィが、ハンカチを差し出してくれた。


「…ありがとう?」

なんでハンカチを渡されたか分からず、戸惑いつつもハンカチを受け取る。



「…その、涙が」


――涙?


自分の頬に手を当てると…確かに、微かに濡れていた。



――アヴィに渡されたハンカチで、涙を拭く。ふわりと柔らかい布の感触と、公爵家の香り。


…今の私の家は、シャルラム公爵家。


少なくとも、暫くの間は、前世みたいに暗闇に閉じ込められて、空腹に苦しむこともない。雷雨で不安な夜には、前世のように、孤独で耐え忍ぶこともない。


一緒にいてくれる、優しいメイドと執事と、家族がいるから。



前世の私の不幸だった人生の分、今世の私が悪役令嬢だとしても、バッドエンドは迎えずに、死なない唯一の追放エンドを迎えて、幸せに生きて見せる。



◇◇◇

花々が咲き誇る、規模がもはやバケモノ級の、王宮の庭園にて。


私は真っ白なテーブルクロスの敷かれたテーブルの前に置かれた椅子に、腰掛けてルイシス様を待っていた。



「…アヴィ。この椅子の飾り、純金かな?このテーブルクロスに縫い付けられてる石って…ダイヤモンド、かな?」

「はい、そうですね」


…間髪入れずに肯定された。


うーん。値段を考えるだけでも…恐ろしや恐ろしや。万が一でも、紅茶とか零さないようにしなきゃ。



「そういえば、レイヴィアお嬢様は装飾が少なめのドレスをよく着ていますね」

「装飾が多いと綺麗かもしれないけど…重いからね。それに汚しちゃ駄目感が凄いから…」


装飾が多ければ多いほど、洗うのは大変になるし、重くなる。

装飾多めドレスを汚すと、洗う人も大変だし…着るのも面倒くさいし。


ゲームのレイヴィアは、装飾が多いドレスをよく着ていた…。レイヴィアが着ると、魔性の女みたいになってたけど、ヒロインは装飾が多いドレスを着ても、相変わらず純粋(ピュア)っ子天使ちゃんだったな。



…そういえば、ハナネガの二次創作に『攻略対象と隠しキャラ女装させてみた』あったけど…。


――今ならあの二次創作イラストを現実に出来るのでは…!


…アヴィは年の割に痩せている――公爵家に来たときはもっと痩せていたけど――から、私のドレスも入るのでは…?


背も、少しアヴィが高いだけだし…私のドレス着れるのでは?



…いい!アヴィちゃん、いい!



「…アヴィ、今度私のドレス着よう?」

「…はい?」

「アヴィ細いし、私と背は大体同じだし。私のドレス、多分着れる…。髪はウィッグで…。メイクもすれば更にアヴィちゃんになる…!エメラルドのドレスもいい…!」

そして、暇だからと、立ち上がってアヴィのウエストを確かめてみたり。どさくさに紛れて、アヴィの獣耳をモフったり。



「…ルイシス様は淡い水色のドレスかなぁ。清楚系かなぁ。フランス人形みたいになりそう…!」

「いや、あの、レイヴィアお嬢様…?」

アヴィが戸惑っている。私が獣耳をモフられたことが、くすぐったかったのだろうか。私にモフラれていた獣耳を抑えるアヴィは、顔が少し赤い。


「いい…!ルイシスちゃん…!」

「それはそれは。楽しそうで何よりですよ、レヴィ」

「ヒッ…」


私はまるで、ラスボスが現れた時のような悲鳴を上げてしまった。



…ダンジョン前のセーブと、いつ現れるか分からない、ラスボスへの警戒は大事です。



――ラスボス様にやられませんように…。


椅子に何事もなかったかのように座り直し、テーブルクロスに縫い付けられた宝石の数を無心で数えながら、私は静かに祈るのだった……。


花粉症と闘っています…。


町歩きは、次回…かもです。


町歩きはヒロインさんが出てきます(*´Д`)

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