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別れ

マールスさんに訓練をされてから3ヶ月それはもうしごかれた。


マールスさんにはひたすら体力と筋力をきたえさせられて、

テミスさんにはこの世界の知識を無理やり覚えさせられて、

タナトスさんには魔法の使い方と訓練のやり方を教わって、

マナにはこの世界の仕組みについて教えてもらった。


そして今日俺は、この家をでていくことになった。


「ごめんね有志君、本当はもっと長くいてもらってもっと

いろんなことを教えてあげたかったんだけど。

僕たちにも色々事情があってね、これ以上君をここに

いさせてあげられなくなっちゃったんだよ。」


「いや、大丈夫だ。よくここまで素性も知れない俺の面倒を

見てくれたなと思う。本当にありがとうマナ」


本当にこの世界に来たときはどうしようかと思った。


「この世界のことはもうほとんど教えたつもりだよ。

あとは自分の目で確かめてくるといいよ。」


「そうだぞ田上、お前はまだ俺たちからしか

教えられてないし、技術もまだまだないに等しい。

これからいろんなやつに会っていろんなことを知り、

いろんな技術を吸収していくんだわかったな?」


「わかったよマールスさん、次会うときにはマールスさん

を倒せるくらいに強くなっておくよ。」


結局一回だけやった模擬戦では完敗してしまったし


「おう!頑張れよ!」


「テミスさんとタナトスさんとフォルも

ありがとうございました。」


この三人にもとても迷惑をかけてしまったな


「いえいえ田上さん、あなたは覚えるのがとても

早かったのですごく楽でしたよ。」


「えぇ、本当にそうですね。本来なら魔法を感覚を覚える

のは小さい頃からしておかないと難しいはずですのに

3ヶ月の間に簡単なものなら使えるようになってましたか

らね。」


「僕は料理とかしかしていませんしね。」


「いやいや、皆さんの教え方がうまいからですよ。フォルの

料理も美味しかったよ。

それに俺には順応力の天授(てんじゅ)があるからです

よ。」


俺にしては出来すぎていたと思う。


「いや、それは違うぞ。」


「え?」


「確かに天授のおかげも少しはあったかも知れないが、

いくら天授があったとしてもそれを使いこなそうと

しなければ宝の持ち(ぐさ)れだ。だがお前はそれを

使いこなした。

それはお前の努力の結果だ。だからそう自分のことを

卑下するな」


「マールスさん……」


ヤバい泣きそう。ここまで俺のことを認めてくれた人は

はじめてだな。


「はいはい!しんみりとした別れはここまでだよ。

これじゃあ有志君も気持ちよく出発できないよ!」


マナがそう仕切ってくれたありがたい。


「それで田上君この世界の国々についての情報は一通り

教えたね?それで、どこに行きたいと思った?」


それについては一週間も前から真剣に考えて決めていた。


「あぁ、俺はグレイスシア王国に行きたい?」


「……それはまた、なんでだい?」


「いや、なんかマナがこの国に行かせたくないような感じだったからさ、気になったんだよ。」


「!…気づいてたんだね?」


「あぁ、この国の内情を聞いた時にさマナ、いいところも

言ってたけど悪いところばかり言ってたじゃん?」


「…それは事実だからだよ」


「そうかもな、でも少し他の国を説明するときとは少し違う

感じもしたんだよ。

だから俺はそれが何でなのかを知りたくなってしまったん

だ。」


「シシシ、すごいねよくこの短い間で僕の感情が読めたね?

すごいと思うよ」


「ごめんな、マナ俺のことを思ってしてくれていたんだと

思うのに。」


「いやいや、いいんだ君の人生なんだ君が自由に決めると

いい。でももしも危険な目に合ったらいつでも戻って

来ていいんだからね?

もうここはこの世界での君の家だ。そして僕たちは君の

ことを仲間だと思っているし家族だとも思っている。

だから遠慮することはないよ。」


「ああ、ありがとうマナそしてみんなも」


「さぁ!これで本当にお別れだ森の出口までは僕が送って

あげるよ!」


そう言ってマナは俺に手を差し出してきた。俺がその手を

繋ぐと


「《転移》」


その言葉と同時に俺の視界がぶれて見晴らしのいい草原が広がっていた。


「僕が送れるのは、ここまで!あとはあっちの方向に

しばらく歩くと王国があるよ。

途中で魔物に会うかも知れないけどここら辺の魔物は

弱いから初めての魔物との実戦としてはちょうどいいかも

ね。」


「ああ、最後までありがとうな。」


「シシシ、最後じゃないけどね。」


「はは、そうだな最後じゃないな。」


「あと、これはお守りだよ。絶対に壊れないように出来てる から()()()()つけといてね。」


「分かった、ありがとう」


「それじゃあそろそろ戻るね!これから頑張ってね。

それじゃあまたね」


「おう、またな!」


そして俺とマナは別れた。俺の一人旅が始まる。


ーーーマナ視点ーーー


「お帰りなさいませ、マナ様思ったより早かったですね。」


「うん、あまり長くなったら別れるのが辛くなるからね、

こういうのは簡単にすませるのが良いんだよ。

それよりテミス、彼らの動きはどうだい?」


「はい、マナ様の予想通りそろそろこの森を突破してここに

たどり着くようです。」


「そうかなら・・・お帰りいただかないとね!」

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