2/10
短い命を抱きしめて
「これから先、一緒に居られる時間は短いと思ってください。」
私は飼い主の女性に告げた。
女性は泣き崩れた。
生後2ヶ月で家族に迎え、それからまだ3ヶ月。
幼さの残る愛らしい子猫が、ちょうど懐き始めてきた頃。
あまりに残酷な宣告。
猫伝染性腹膜炎。
治療法も予防法も確立されてない不治の病。
だけど、その短い命は間違いなく愛を得られた。
もう助からないとわかっている子猫を抱きしめて泣く女性。
おそらくは残り数日であろう残された時間。
どうか穏やかに過ごしてほしい。
家族として過ごした数ヶ月が、決して無駄ではなかったと思えるように。




