プロローグ〜全てを失った男〜
異世界チートが増えてる中で、元々いた人目線で書いてみました。ですが、書いてる途中でチートにはチートをぶつける感じになってます
先代の王は自分の死期を悟り次の王になる私に
「私の死後、この国は他の国から攻撃をされる。
だが、お前も王として国を守護するのだ。」
「はい、父上。私は約束を守る男です。」
その2日後、王は亡くなった。
王の言葉通り隣国からの攻撃が始まり、私は亡くなった王の為に戦った。あともう少しで、敵将を討ち取る事ができる所まで来た時に「奴ら」が現れた。
「奴ら」は、たったの10人で両国の兵を壊滅させ二週間の戦いを者の数分で終わらせてしまった。
「奴ら」は自分達は神に力を授かった者と称し、この戦いを止めに来たまでは良かったのだ。だが、「奴ら」はそれだけではなく、私が継承した王位を奪った。
最初は国民達も私の味方をしてくれたが、「奴ら」は私が父さんを死に追いやったや、今回の争いの主犯だと、嘘の情報を流し始めた、それに神の力とやらを恐れるようなり、私は国から追い出された。
それからは道端の草や、雨水で飢えを凌ぎ、法律に触れるような日雇いの仕事をして食いつないだ。
それでも、私は満たされなかった。国を奪われ、地位を失った、私なりに国民達の声に応えたが、それが間違いだったのだろうか?いいや、全ては「奴ら」が来た時から始まった。そして、俺の全てを奪った「奴ら」に力を与え、野放しにする神の仕業でもある。
「俺はアイツらを俺と同じ目に遭わせたい」
その時、背後から女性の声がした
「貴方、中々面白い事を考えていますね?
しかも、世界そのものを敵に回す感じのを?」
そう聞かれ、後ろを振り向くとそこには黒のスーツ姿で眼鏡を掛けている青髪で18歳位の女性がいた。
「いきなりなんだ、俺は無一文だぞ。それとも宗教の勧誘か?残念だが俺は神とやらが嫌いでね」
そう言うと女は
「とんでもない!お金は取りませんし、勧誘もしません。貴方の事を知りたいなって思っただけですよー。」
と、軽いノリで返してきた
「俺の話を聞いても時間の無駄だぞ」
「いえいえ、貴方から物凄く負のエネルギーが出てたので聞かせて下さい。いえ、聞きたいです。」
女がグイグイ来るもんだから折れて全部話した
「なるほど、一人称が変化するのも納得です。」
「聞き終えての第一声がそれか」
女は俺に対して
「でも、災難ですね。最近、異世界から転生や召喚された生き物が沢山増えてるって会議でもあったんですよねー」
俺も、世界を救う異世界の人間なら歓迎だが、それでやりたい放題してる奴らが憎い。そう考えているのが顔に出ていたのか女は
「そうそう、貴方に取引をして欲しいのです。」
このタイミングで、取引とはどうなのかと思うが、
「付き合ってくれたアンタには悪いが名前聞いてない奴とはそう言う話はしない」
と、断ったが
「なら、私から名乗りましょう。私はマルバス・エルドラゴ。気軽にエルちゃんと、呼んでください。では、次は貴方が名乗ってくださいね」
普通に自己紹介をされて、俺もしなきゃいけない雰囲気になってしまった。父親に、自己紹介されたら此方もするのがマナーって言われてたし、
「では、此方も名乗ろう、俺はルインズ・トワイライト。で、取引ってのは何だ?ここまで来たら内容も聞かせてもらおう。」
そう言うとマルバスは嬉しそうに
「やっと、聞く気になってくれましたか。では、お話しましょう、取引とはズバリ、チート転生者をボコボコにして牢獄にぶち込む事です!」
「は?」
マルバスのいきなりの言動に驚かされた、
「俺も同じ目に遭わせたいとは思ってるが、奴らの能力にはこの世界の人間は太刀打ちできない、それをどうやって可能にするんだ?」
マルバスは自慢気に
「ご心配なく、貴方には私達悪魔が力を貸しましょう!」
「悪魔が力を貸してくれるのか。…ん?」
「どうかしましたか?ルインズさん」
「いや待て、悪魔と取引しろってのか?悪魔ってあれだろ?引き換えに魂とか体持ってく奴だろ?悪魔ってのは代償が無きゃ働かないものだ、俺が仮に力を借りたとすると代償はどうなる?俺の寿命か?」
そう質問するとマルバスは
「その点もご心配なく、貴方が転生者をしばき倒して、能力を没収します、その能力が取引の素材です。」
「仮に倒せず、俺が負けたら?」
マルバスは
「そうなったら、ルインズさんも一緒に魔界で働いて貰います。」
勝てれば仕返しが出来て、負けたら死ぬまで仕事か。
これ、どっちを選んでもリスク高すぎないか?だが、もうここまで来たら仕方がない
「わかった。その話乗らせて貰おう。」
「話が早い人は好きです。では、此方の契約者にサインをお願いします。我々悪魔は、契約に五月蝿い者でして、実は契約をサボった悪魔が権能の一部を転生者に取られたりしてるんですよ。」
「それは、自業自得だろうが。これで良いのか?」
マルバスはOKですと答えた
「これで契約は完了したが、他の悪魔はまだとして、お前の悪魔としての力は何なんだ?力の内容を把握しておきたい。」
「私の権能ですか?まあ、簡単に言えば機械に精通した使い魔を出したり、人を変装させたり、あと、記憶の操作とかも出来ますね。」
「悪魔ってのはやけに芸達者なんだな。」
と、言うと
「そりゃ、芸が無ければ契約して貰えませんよ。ルインズさんはネタのない芸人を雇いますか?」
と、分かりやすくして言い返して来た
「まぁ、とにかく契約は成立したし、よろしく頼む」
「此方こそよろしくお願しますよ、ルインズさん」
ルインズ・トワイライトという男の逆襲は、始まったばかりだ。
あくまで、主人公はチート能力でやりたい放題している奴が嫌いなだけで、彼の中では力を見せびらかしたらすぐに、しばく判定に入ります