ただいま
二つ目のENDルートです。特にどちらがトゥルーエンドというわけではありませんので、皆様が納得いく方がトゥルーエンドということでお願いします。
精霊界で起きた戦争から数か月が経ったある日、異変は起きた。
いつものように精霊界にできた大きな家過ごす綾太は朝から頭の割れそうな痛みに耐えていた。
「おはようー綾太って大丈夫ッ!!」
ノックして入ってきたノエルは頭を抑えて辛そうな表情をするノエルに駆け寄る。
「頭が・・・痛い・・・。」
頭痛に耐えられない綾太はベッドの上で蹲り始める。
「待ってて!ティーナ呼んでくるから!!」
ノエルは慌てて部屋を出て行く。
何かが頭の中へと戻ってくる感覚。でもそれを頭が受け入れようとしない。それによって頭痛が止まらないのである。
「綾太さん。ゆっくりと深呼吸してください。」
ノエルはティーナを連れてやってくる。ティーナは部屋に着くとすぐさま綾太の横に移動をする。
「楽になったら横になってください。」
ティーナの指示に従い綾太は横になるとティーナは治療魔法を使用する。
しかし良くなる兆しは一向に見えない。そこにメリアラとステラがやってくる。
「どう、治りそうなの?」
心配そうなステラはティーナに聞くがティーナは静かに首を横に振った。
「これは物理的なダメージではなく精神面に問題があるんだと思います。ですから私ができるのは多少頭痛を和らげてあげるだけです。それ以外は綾太さんがどう乗り越えるかです。」
苦痛の声を漏らす綾太を見据えてティーナは祈るのであった。
数時間が経過した。魔力の尽きたティーナは綾太の大粒の汗を拭きとっていた。
「ううッ!!」
綾太は大きな呻き声を上げると、それ以降静かに眠りだした。
そんな綾太の寝顔を見て四人はホッと息を吐きだす。
「何とか大丈夫みたいね。」
「そうですね。汗も止まりましたし、辛そうでもありません。あとは休ませれば大丈夫でしょう。」
ノエルは胸に手を当てて緊張感が抜けた表情をしている。
「じゃあ寝てる邪魔したら悪いし、そろそろ出ましょうか。」
ステラがそう言って綾太の部屋から出て行くと他の三人も揃って出て行くのであった。
綾太が眠り始めてからほんの数分が経った。綾太は眼を擦りながら起き上がる。
「皆は・・・?」
ベッドから出ると、綾太は体に力が入らないため倒れてしまう。それでも這いずって何とか壁までたどり着く。
壁にもたれかかりながら立ち上がると、壁に寄り掛かったまま部屋を出て行く。
「皆・・・。」
階段をゆっくりと降りて行く。
「皆・・・。」
廊下を進んでいく。
「皆・・・。」
リビングのドアの前までやって来る。
そしてドアノブに手をかけてゆっくりとドアを開いていく。
開いた先にはソファーに座って目を見開く四人の姿があった。
「ちょっと綾太!まだ寝てなさいよ!」
ノエルはフラフラな綾太に肩を貸す。
「そんな大怪我してるわけじゃないんだから大丈夫だノエル。」
「え・・・?」
敬語の抜けた綾太に驚きの表情を見せる四人。
動揺の隠せないノエルは震えた声で綾太に聞く。
「も、もしかして、記憶が戻ったの?」
ゆっくりと笑みを浮かべる綾太は四人に向けて精一杯の思いを込めて言った。
「ようやく戻ったよ皆。」
その姿を見て涙を流しながら綾太に抱き着いて行く四人。感情を抑えきれない四人は滝のように涙を流しもう離すまいと綾太にしがみつくのであった。
少しして全員が泣き終わると綾太は四人に少し俯きながら言った。
「今までごめん。皆には辛い思いをさせた。」
そんな俯く綾太にノエルはデコピンをする。綾太は顔を上げるとそこには曇りのない笑顔の四人が居た。
「今更そんなこと気にしないでください。綾太さんがとった選択によって私たちは救われたんですから。」
「でも。」
「でもじゃないの。私たちは貴方に感謝してるし、精霊界の皆だって感謝してるわ。」
ノエルは綾太を立ち上がらせしっかり目を見て告げる。
「そっか・・・なら良かった。」
「そうよ、だからこの話はここで終わり。皆でご飯食べましょう。」
ノエルはドアを抜けリビングに入って行く。そしてその後を三人が入って行く。
「あーそう言えば言うのが遅れたわね。」
先に入った四人が立ち止まると綾太の方を向いた。
「「「「おかえり。」」」」
その笑顔はこの世界で何よりも美しかっただろう。純粋な喜びだけの四人の笑顔に綾太は少し照れくさそうに返事をする。
「ただいま。」
願わくばこの平穏が永遠に続きますように・・・。
これにて異世界に行けたけど微妙なチートだったは完結です。読者の方々には感謝しきれません。
新作はできるだけ日を開けないで投稿したいと思っています。良ければ見てください。
こんな作者ですが本当にありがとうございました!




