四大精霊最強
辺り一帯は冷気に包まれている。そこには膝を付く女性と白い剣を携えた男が立っていた。
女性は背中に大きな傷と体中に切り傷がある。
「・・・・・・どうした?大精霊がその程度か?」
白い剣をプルヴィアムの首の横へ運ぶ。
満身創痍であるプルヴィアムは顔を上げマフリケーノを睨むことしかできなかった。
「大精霊と言うから期待したが、ここまで弱いとはな。もう用は無い、ここで死ね。」
プルヴィアムの首に白い剣が振り下ろされる。
しかしプルヴィアムは最後の意地を見せる。
「負けるつもりは毛頭ありません!!道ずれですッッ!!!」
二人を大量の水が包み込む。
プルヴィアムは自分の残った魔力を全てを水で押しつぶすことに使う。二人揃って潰すつもりである。
しかしプルヴィアムの最後の力は呆気なく敗れる。
マフリケーノは水を凍らせたのである。自分の周りだけを凍らせず、周りとプルヴィアムを凍らせたのだ。そしてその氷はバラバラと崩れていく。
「なんて学習しない大精霊だ。」
砕けた氷の破片を見てマフリケーノは呟く。
今までマフリケーノはプルヴィアムの水を凍らせることによって対処してきたのである。
そして氷の破片を一つ踏み潰すとニラとナラの元へと歩き出すのであった。
一方最後に残った二人の大精霊は双子の魔界人に対して苦戦一つしていなかった。
何よりゲールはこの戦闘に手を一切出していないのであった。
「どうしたどうした!?その程度かガキどもッ!!」
四大精霊において最高の戦闘能力を持つプリミステラにとっては赤子の手をひねるようなものであった。
「イッター!!ニラ!ちゃんと攻撃してよ!!」
「ナラのタイミングが悪いんじゃないか!!」
プリミステラに吹き飛ばされたニラとナラは言い合いを始める。
「アイツらぁ。やる気あんのかのう?」
「さぁ。まぁ気は抜かないことだね。」
「そうじゃのう。まぁ奴らにかけてやる慈悲などないがのッッ!!!」
プリミステラはそう言うと言い合いをしている二人に攻撃を仕掛ける。
すると二人の周りの大地が粘土のように動き出し、二人を包み込みドームのようになる。そしてそのドームは上から潰れる。
プリミステラが四大精霊最強である理由はここにある。プリミステラは大地を自在に操ることができるのである。それは金属も同様であり、触れた大地や金属を粘土のようにぐにゃぐにゃにして動かすことができるのだ。しかもぐにゃぐにゃに見えても硬度自体は変化していないだ。
そんな強力な攻撃がニラとナラに直撃したのである。
「・・・・・やりすぎじゃない?」
ゲールは潰されたところを見るとプリミステラに言うのであった。
「そんなことはないわい。・・・・・しかもまだ動けるようじゃしな。」
プリミステラがそう言うと潰したところから二か所穴が開きニラとナラが飛び出す。
二人の顔は先程のようにふざけた様子はまるでない。プリミステラを殺すことか頭にないのであろう。
「「殺す殺す殺す殺す殺すッッッッ!!!!!!!!!」」
全くの動きの誤差がない二人がプリミステラに迫る。
そしてプリミステラの目の前へとあっという間にたどり着いた二人はプリミステラを爪で八つ裂きにしようとする。
「単調じゃ。」
プリミステラはそう言うと二人の身体に土がグルグルと巻き付く。徐々に二人の姿は見えなくなり、やがて土人形と化する。
「ワシに挑むには少し早かったかの。」
そう言うと鋭くとがった土が何本も土人形を貫いていく。
「やっぱり容赦ない。」
「当たり前じゃ。敵に持つ慈悲などワシには無い。お主じゃあるまいしな。」
「・・・・・何?皮肉?まともに戦わなかったから怒ってるの?」
「ガハハハッ!!!そう険しい顔をするな!!ちょっとした冗談じゃよ!!」
プリミステラはゲールの反応をみて大笑いする。
「はぁ・・・・。まぁ冗談はいいけど。」
ゲールは溜息をついて呆れている。
「そう呆れるな。それこそもう冗談が言える状況じゃなくなったからのう。」
真剣な表情に変わったプリミステラは髭を弄りながら言う。
「そうだね・・・。エストゥアンスとプルヴィアムがやられたみたいだね。」
「なら行くところは一つじゃのう。ここから一番近いのはプルヴィアムが戦っていた場所じゃ。そこに向かって歩けばプルヴィアムを倒した奴のところまで行けるじゃろう。」
そう言って二人はマフリケーノの元へ歩き始めるのであった。
その後プリミステラとゲールがマフリケーノに遭遇するのに時間はかからなかった。




