代償
遅れてすいませんでした!!!!
でも言い訳をさせてください!!面白い漫画とラノベを読むのが止まらなかったんです!普通に忙しかったというのもありますが今後は漫画やラノベは程々にしようかと思います。本当にすいませんでした。
綾太が白いモヤモヤに対峙し始めてから数時間がたった。
何度も触れて何度も手を放す作業を繰り返している綾太の体力は限界を迎えようとしていた。
「・・・・・限界か?」
盾の意思は膝を付く綾太に対して質問する。
綾太の息は荒くなっていて汗が頬を伝っている。
「はぁはぁ・・・。まだ限界じゃねぇよ。」
汗を拭って立ち上がろうとする綾太だが、足がフラフラとしてしまいなかなか立つことができない。
「何故そこまでして真実を知ろうとする?何の意味があるというのだ?」
綾太の姿を見かねた盾の意思は綾太に単刀直入に聞く。
「はぁはぁ・・・。そんなもん決まってんだろ。仲間の為に強くなんなきゃいけねぇんだよ。」
ようやくフラフラな足に喝を入れて立ち上がった綾太は盾の意思に力強く返答をする。
「・・・・・なるほど。お主、我の真名を簡単に知りたくはないか?」
「なッッ!!?」
先程までフラフラになりながらも少しづつ盾の真実を見てきた綾太は、これ以上に簡単な方法があるのかと驚きの声をあげる。
「そんな方法があるのか!?」
切羽詰まった様子で聞く綾太に盾の意思は冷静に返答をする。
「ただし、それにはそれなりの代償を伴う。それでもお主は盾の意思を知るか?」
それに対する綾太の返事はとうに決まっていた。一刻も早く仲間の元へ向かわなければならない綾太は直ぐに決断を下した。
「当たり前だ。お前の真実・・・・全部よこせ。」
「なるほど。仲間の為か、なら授けよう盾の真実を。」
盾の意思が綾太の腹に浸み込むように入っていく。しかしそれには痛みも何もなく、ただ体に盾の意思が染み込んでいくだけであった。
そして綾太の頭の中では先程よりもスムーズに、頭痛すら伴うことなく情報が流れ込んでいく。
「おお・・・おおッッ!!!」
どんどん頭に入ってくる情報に感激する綾太。
暫く情報が頭に流れてくると体から盾の意思が出てきた。
「今ので五分の一といったところだ。まだ続けるか?」
「当たり前だ。どんどんよこせ。」
「・・・・・・・・後悔はするなよ?」
綾太に聞こえるように盾の意思は言ったが綾太は感激しすぎて聞く耳を持たなかった。
そして再び盾の意思が綾太に情報を流していく。
綾太は盾の情報に喜びの色を見せている。
そして暫くすると再び盾の意思が体から出てきた。
「今のところ全体の五分の三だ。そろそろ我の真名にも近づいてきたんじゃないか?」
「まだだ。まだ足りねぇ。でももう直ぐでわかりそうなんだ。だからもっと情報が必要だ。」
盾の意思は綾太の言葉を聞いても再び綾太に情報は渡そうとせず、問いを投げかけた。
「お主、自分の産まれた場所を覚えているか?」
何の変哲もない質問。大抵の者はこんな簡単な質問に答えられるだろう。しかしこの問いを投げかけられた綾太は暫く考えた後に徐々に表情が険しくなっていった。
「・・・・思い出せねぇ。」
そんな綾太に盾の意思は再び質問する。
「家族名は覚えているか?少年時代からの旧友の名は?」
綾太は考えた末に旧友の名を答えようとするがその声は自信の欠片もなかった。
「戸部・・・いや、殿田、違う、戸宮・・・・違う!!何でだ!!何で思い出せねぇんだ!!親の名前も親友の名前も思い出せねぇ!!!」
親と親友の名を忘れた自分に怒りが収まらない綾太。しかしそんな綾太は盾の意思を簡単に得るためには代償が必要であることを思い出す。
「ようやくわかったか。情報が簡単に得れる理由はかつての記憶を抜いているからだ。昔の記憶は新たな情報を得るときの障害になる。お主の代償としていたものは過去の記憶だ。」
綾太の表情が絶望に染まっていく。自分が何を忘れて何を覚えているのかすら分からない状況に陥った綾太は、もはや絶望するしかなかったのである。しかし何かを思い出した綾太は表情に希望が戻り始めた。
「ノエル・ルーフェス、ティーナ・メルノス、メリアラ・スメロ、ステラ・アメルディ。・・・大丈夫、仲間の名前はまだ覚えている。」
仲間に名前をまだ覚えていることが何よりの希望となり始めた綾太は、盾の意思の後ろでずっと佇んでいた精霊王に話しかける。
「精霊王、仲間の元に連れて行ってくれ。」
「もういいのかい?まだ真名は知れていないんだろう?」
「あとは自力で何とかする。」
これ以上記憶を代償にすると仲間のことも忘れてしまいそうなことに恐怖した綾太は、盾の情報を五分の三で止めることにした。
「オッケー。じゃあ行くぜ!!」
足元に魔方陣が現れ、来た時と同じように転移するのであった。




