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決着と決断

ウルムの町の小さな店の前で無精ひげの男と綾太の間で険悪な空気が漂っていた。

「おいガキ、今から土下座して謝るなら許してやらないこともないぞ。」

「いい年にもなって赤っ恥をかきたくなければ、今すぐティーナに謝れ。」

「ほざけ、ならもう容赦はしねぇぞ!!」

無精ひげの男は、綾太に突っ込んで来た。

綾太はノエルとの戦いのように無精ひげの男に向かって手を向けた。

「滑る能力。今使えるなら勝機はある。」

そんな綾太の考えは空しく、無精ひげの男の拳は綾太の顔に直撃した。

「おいおい、大見得切っといてその程度か!」

綾太は地面に打ち付けられた。

「能力が出ない?」

綾太は頬の痛みより、能力がでないことに驚いていた。

「お前を倒した後にあそこの二人でもいたただくか。」

無精ひげの男は下品な笑みを浮かべて言った。

「まだそんなことを言うかぁ!!」

綾太は殴り掛かったがあっけなく避けられ、腹に重い一撃をもらった。

「ゲホッゲホッ」

むせる綾太の腹に無精ひげの男は蹴りの追撃をかける。

「あぐっ」

当然避けられるはずのない綾太は蹴りをもらう。

綾太は地面に横になった状態になる。

「さぁて、後は女を頂くだけ。」

そう言って無精ひげの男はノエルとティーナの方に足を向けた。

一方綾太は地面に手を付けて能力が出ることを祈っていた。

「頼む、今だけ出てくれ俺の能力。頼む!」

そう言うと急に無精ひげの男は転んだ。

「グヘッ、何もないところで転ぶか普通?」

無精ひげの男は顔面から倒れた。

倒れたとこに起き上がった綾太が助走をつけ、無精ひげの男に全力の蹴りを入れた。

「吹っ飛べぇぇぇぇぇっっ!!」

蹴りが無精ひげの男に直撃すると店の壁までツルツルと滑っていき頭を壁にぶつけて無精ひげの男は気絶した。

「ハァハァ、やったぞ。勝ったんだ!」

体の痛みを忘れ綾太は喜んだ。

するとノエルとティーナがこちらに走ってきた。

「あんた何してんのよ!こんなにボロボロになって・・・。」

ノエルは心配で泣きそうになっている。

「なぜそこまでして私の家の罵倒を許さなかったのです?」

「一度大仕事をした仲間を侮辱されたら許せないさ。」

ティーナの疑問に綾太が優しく答える。

「仲間ですか?」

「そう仲間だ。ノエルもティーナも。」

するとティーナは、綾太の手を取り。

「はい、素晴らしい仲間を持ちました。」

眩しいぐらいの笑顔でティーナは答えた。


あれから綾太は宿に戻りノエルに治療を受けていた。

「はい、これで治療は終わり。」

治療が終わるとノエルはこれからについて話し出した。

「明日この街を出ない?今日お店で隣町の話しを聞いたの。トレソブの町ってところらしいんだけど、ギルドがあるらしいのよ。」

「ギルド?なんだそれ?」

綾太の疑問をノエルが簡潔に答えた。

「ギルドっていうのはね、町や国からきた問題をギルドがミッションとしてハンターに出すのよ、そんでもってクリアしたハンターにはそれなりの報酬を与える。そんな感じのところよ。」

「へー。なるほどね、なら行こう。トレノブの町へ。」


一方ティーナは二人が宿に戻った後に母親の部屋の前にいた。

「最後に入ったのはいつだろう?」

母親が死んでからここに来ることは決してなかったティーナは、今日の仲間の温かさを知り、それに似た母親の温かさが残っている母親の部屋が気になり入ったのであった。

「お母さんの部屋もう埃だらけになっちゃった。」

そう言って母親が使っていた机に触れた。すると机の引き出しが少し空いていた。

「なんだろう?」

そう言って引き出しを見てみると、手紙が入っていた。ティーナは中身を見てみると母親から自分への手紙であった。

ティーナへ

これを貴方が読んでいるときにはもう私はこの世にいないでしょう。貴方にはいろいろと負担をかけてしまって、母親失格だと思っているわ。もしこれをまだ読んでいるのなら最後にお願いがあるの、それはね、これからはティーナの好きに生きてほしいの、私の店を売ってもいい、だから自分の生きたいように生きて、それが母親である私の最後のお願い、幸せにねティーナ。

ルリア・メルノス

静かな母親の部屋にすすり泣き声が響いた。


一夜が明け、綾太とノエルはティーナのところに来ていた。

「俺らは今日町を出る。だからお別れになるな。」

「また会おうね、ティーナ。」

二人がそう言って立ち去ろうとしたとき、ティーナが言った。

「待ってください。」

二人が振り返る。

「私も、私も連れて行ってください。」

綾太とノエルは、少し放心した後に驚きの声を挙げた。

「「えぇぇぇぇぇぇ!!!!」」

「ダメですか?」

そう言って少し落ち込むティーナに綾太は慌てて言った。

「いやいや、そんなことはないけど、いいのか?店のこととか?」

「はい、大丈夫です。私は自由に生きることを決めたんです。」

ティーナは決心をつけた目をして答えた。

「ならいいけど、じゃあ今日から仕事仲間じゃなくて旅仲間だな!」

綾太が嬉しそうに言うと、ティーナは昨日の眩しい笑顔に負けないぐらいの笑顔で答えた。

「はい!よろしくお願いします。」

どうも、まどろん社長です。

最近徐々にブックマークが増えてきて喜ばしい限りです!

まだまだ未熟ですが今後ともよろしくお願いします。

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