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決心

「それで、具体的には何をすればいい?」

綾太は今後について精霊王に聞くと、精霊王は歩きながら答えた。

「まぁ直ぐにわかるよ。」

ほんの一瞬真剣な顔つきになった精霊王は何かを予期しているようであった。

「どうい「大変です!!」」

不審に思った綾太が質問しようとするが突然現れた精霊に阻まれる。

「魔界から!魔界から奴らが!!」

精霊の顔はこの世の終わりを見たかのような表情をしていた。

「チッ!予定より早いな。」

機嫌が悪そうに立ち上がるエストゥアンス。

「精霊王様ご命令を。」

プルヴィアムは四人を代表して命令を聞く。

「じゃあ、防衛よろしくね!」

「了解しました!」

プルヴィアムが命令を受け取ると四人は粒子のようになって消えて行った。

「そう言うわけだから綾太君、真名を早めに知ってもらわないと本格的にヤバいのよね。」

「・・・魔界の奴らとやらがここまで来る前に盾の真名を知ればいいんだな?」

「呑み込みが早くて助かるよ。それじゃあ部屋を移動しよう。」

足元に魔方陣が現れ、転送しようとするがそれをノエルが止めた。

「ちょっと待ちなさいよ!私たちはどうすればいいのよ!?」

他の三人も同意見だといった顔をしている。

「できれば君たちも足止めをしてくれるとありがたいかな。あの四人じゃ耐えられるかもわかんないしね。」

「あんな化け物みたいな火力したようなのが四人いて足止めできないんじゃ僕たちは無用じゃない?」

メリアラはエストゥアンスとの戦闘を思い出して言う。

「そんなことはないよ。あの四人はそれぞれ極端だからね。」

「・・・・本当に僕たちが行けば時間は稼げるのかい?」

少し悩んだ後に再び精霊王に質問するメリアラ。

「君たちの頑張り次第ってところかな。」

精霊王の言葉で決心がついたのかメリアラは真剣な表情になって精霊王に言った。

「僕たちをあの四人の所へ飛ばしてくれ。時間はいくらでも稼ぐよ。」

メリアラの決断を言うと、ノエルとティーナはそれでいいといった表情になるけれども、ステラの顔は何か悩んでいるような顔つきであった。

しかしそんなこと精霊王はお構いなく三人をエストゥアンス達の元へ飛ばすのであった。


三人を転送し終えた精霊王は綾太の方へ向き直った。

「それじゃ俺たちは別室の行きますか。」

再び足元に魔方陣を召喚させると直ぐに自分と綾太を転送させた。

そこはただ真っ白な扉すら無い部屋であった。

「ここは・・・?」

「さて、盾との対話を済ませようか。」

「対話?」

「そう対話。綾太君が盾の認められて真名を知ることができれば俺達の勝ち。でも綾太君が真名を知ることができずにここまで魔界の奴らが攻めてきたら俺達の負け。凄く簡単なことだよ。」

「そういうことを聞いているんじゃなくて盾との対話ってどういうことかって聞いてるんだ。」

「回れ右すればわかるさ。」

精霊王に言われた通りに回れ右をするとそこには白いモヤモヤとした何かが浮いていた。

「・・・・何これ?」

「何って盾の意思だよ。ここに来た時からもう対話は始まっているんだよ。」

その精霊王の言葉を聞いて綾太は自分がどんな立場にいるのか理解する。

「・・・えぇっと、盾の意思さん?真名を教えてくれない?」

ド直球で聞く綾太に盾の意思は少し間をあけて返答した。

「ならぬ。我の名は教えてもらうのではなく自分で知るもの。我に触れ、我の記憶を垣間見た先に答えを得た者のみ真名を知ることができる。」

「触れて知る?触ればいいのか?」

そう言って綾太は白いモヤモヤに触れる。

「ッッッ!!!!!」

綾太の頭の中へいろいろな情報が流れ込む。盾を構えて仲間を守ろうとするが盾ごと貫かれる青年の姿、重厚な盾を構えるも後ろの市民を守りきれなかった兵士の姿、自分から進んで盾を手に取る少年の強い姿、守りきれた時の喜び、守りきれなかった時の絶望、これだけなのに脳は拒絶反応を起こしている。

白いモヤモヤから即座に手を放す。

綾太の体からは滝のように汗が噴き出していた。

「お主が見たのは盾の記憶。様々な盾の記憶、幾たびの戦闘、守るという本当の意味、守れた先にある真実、我の全てのほんの一部だ。それでもなお挑戦するか?」

その言葉は綾太にとって高い壁のように感じられた。

「上等じゃねぇか。」

綾太は試練に立ち向かう決心をつけた。

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