チャラい男降臨
燃え上がる炎の猛攻を盾で防ぐのが手一杯の綾太は後ずさる。
「オラオラどうしたッッ!!その程度か!!!」
綾太は身体強化の魔法を掛ける前なので隙を狙って身体強化をしようとするがそんな隙は存在しなかった。
「「知性は激流、浄化は洪水、青きを集わせし四大元素の一つよ、歓喜と悲嘆、喧騒と静寂もろとも流し尽くす水流となれ!メイルシュトローム!!」」
綾太とエストゥアンスの距離をとろうとメリアラとステラはメイルシュトロームを放つ。
「今のうちに距離をとって!!」
メリアラは水蒸気で見えなくなったエストゥアンスの元へナイフを構え飛んで行った。
「身体は鋼、鋼は硬く時に柔軟、折れることなど知らぬその強靭さを超えれるものはいない、鉄を凌駕した鋼を今我が身と共に!!」
身体強化を使うとティーナが綾太の元へやって来た。
「疲れたものに安らぎを、傷つきものに癒しを、治癒の光。」
中級回復魔法で火傷を直してもらう綾太。
「ノエルさんは馬車の人たちを安全な場所へ誘導しに行きました。すぐに戻るとのことです。」
「了解した。その前にやられないように粘らなきゃなぁ。」
そう言って盾を構えると上空から所々焦げたメリアラと鎖の破片が落ちてきた。メリアラは気を失っている。
「歯ごたえのねぇ吸血鬼だな。それでも真祖なのか?」
エストゥアンスはつまらなそうな表情を浮かべている。
「陰影はやがて暗黒に、狂気の漆黒は闇をもたらす、飲み込め、果て無き闇。」
つまらなそうな表情を浮かべるエストゥアンスを横から黒い雲が包む。
ステラは獲ったと確信する。
「雲ごときで止められると思ってんのか?」
炎の渦が黒い雲を焼き払う。エストゥアンスに傷は見当たらない。
「魔王もこの程度か・・・。先代の方がまだ骨があったな。」
そう言って放たれた炎はインフェルノを軽く凌駕していた。
「知性は激流、浄化は洪水、青きを集わせし四大元素の一つよ、歓喜と悲嘆、喧騒と静寂もろとも流し尽くす水流となれ!メイルシュトローム!!」
メイルシュトロームで炎を止めようとするが、あっけなく炎に水ごとステラは飲み込まれた。
「ステラッッ!!!」
「仲間の心配より自分の心配をするべきだ!!」
綾太はステラを助けに行こうと走り出そうとしたが、そこにエストゥアンスはステラに放った炎より威力の高いものを放った。
「くッッ!!全ては守り、助けるための力、再誕せよ!!精霊の愛した朽ちぬ盾!!!!邪魔をするなぁぁぁ!!!!」
精霊の愛した朽ちぬ盾で炎を防ぎきった綾太はステラのもとへ向かう。
「な!?・・・防ぎきるとはな。」
つまらなそうな表情は一気に真剣な顔つきになる。
「ならこの一撃受けてみろ!!!」
手に炎を集めるエストゥアンス。その炎は異様な空気を纏っている。
エストゥアンスが手を放とうとしたとき
「それ以上はマジ困る感じ。」
エストゥアンスの前にチャラい男が現れる。
「・・・ちっ。」
長い沈黙の後舌打ちをしてエストゥアンスは消えて行った。
「新手か!?」
ステラを抱えてティーナのもとに戻ってきた綾太は上空を見上げる。
「いやいや敵意丸出しとか止めてマジで!争い事しに来たわけじゃないんでよろしくー。」
ヘラヘラと笑いながらチャラい男は降りてきた。
「それじゃ、城行こっか。」
綾太たちにそう言うとチャラい男は城下町へ続く門をくぐって行った。
「なんだアイツ?」
「さぁ?」
ウキウキと門をくぐって行くチャラい男を見ながら綾太とティーナは唖然とするのであった。
そしてメリアラとステラを抱えて門をくぐるのであった。




