赤い鎧の男
とある場所に四人の白い天使の羽が生えた者が集まっていた。全員はそれぞれ統一感のない恰好をしていて、一人は青い羽衣を着て、一人は赤い鎧を身に着けて、一人は緑色のローブを着て、一人はゴツゴツした鎧と兜を身に着けている。
「んで?呼んだ張本人はまだ来てねぇの?」
赤い鎧を着た男は苛立ちながら言う。
「そう焦るでない・・・様も忙しいのじゃろう。」
ゴツゴツした鎧の男はなだめるように言う。
「あ?うっせーぞジジイ、燃やすぞ?」
赤い鎧の男の苛立ちは収まりそうにない。
「最近の若いのは血の気が濃くて困るのぉ。」
ゴツゴツした鎧の男は余裕そう口調で言う。
「二人共静まりなさい。・・・様が来ました。」
青い羽衣を着た女が二人を黙らせる。
四人は遅れてやって来た者を見る。
「皆集まってんじゃーん。もしかして俺遅刻した系?」
チャラい口調の男は宝石の散りばめられた服を着崩していた。
「皆集まっています・・・様。今回招集をかけた理由は何でしょう?」
青い羽衣の女はチャラい男に聞く。
「マジ?マジそれ聞いちゃう?いやぁ、結構ヤッベーことになったのよ。もう手は打ってあるんだけど色々と面倒な感じで俺一人じゃちょっち不安的な?俺こんなだし威厳無い的な?」
ヘラヘラと笑いながら言うチャラい男。
「分かりずれぇ言い方してんじゃねぇ。どういう要件かさっさと説明しろ。」
相変わらずイライラとしている赤い鎧の男。
「口を慎みなさい!」
青い羽衣の女は赤い鎧の男を叱りつけるように言う。
「やっぱり分かんないよねぇ。簡単に言っちゃうと、緊急事態。」
最後だけ声色が変化したことでその場にいる全員が察した。
そして無言で赤い鎧の男が立ち去ろうとした。
「どこに行くのです?まだ話の途中ですよ。」
青い羽衣の女は赤い鎧の男を呼び止める。
「うるせぇ。緊急事態ってんなら俺が確かめてやらぁ。」
背を向けた状態で言う赤い鎧の男。
「待ちな「いいよぉ。行ってらー!」。」
青い羽衣の女の言葉を制して言うチャラい男。
「ちっ。」
舌打ちをすると赤い鎧の男は消えて行った。
「本気ですか・・・様!?あの男は何をするかわかりません!」
チャラい男に対して言う青い羽衣の女。
「大丈夫大丈夫、何てたってエス君が一番そういうことを決めるのが得意だからね。」
ヘラヘラというチャラい男がそう言うと、納得したように青い羽衣の女は引き下がる。
「任せましたよ、エストゥアンス。」
青い羽衣の女は赤い鎧の男が消えたところを見ながら呟いた。
王都グフィーロを目指し始めてしばらく経ち、時間はお昼になっていた。
そんな中ノエルが馬車から外を見る。
「あれ!!あれがグフィーロじゃないかしら!?」
やっと王都に着くことが嬉しいのかはしゃぎだすノエル。
「デカいなー。」
綾太はノエルの隣からグフィーロを見る。
「こんなに大きいんですね。城下町が楽しみです。」
「魔王城とどっちが大きいかしら?」
笑みを少し浮かべてグフィーロを見るティーナとステラ。
「ほら、メリー起きろ。そろそろ着くぞ。」
薄い毛布を掛けて寝ていたメリアラを起こす綾太。
「ん~。もう着くの~?」
眠そうに眼を擦りながら起き上がるメリアラ。
「グフィーロに着いたら城に直行だから準備しておけよ。」
綾太は四人に聞こえるように言う。
「お客さん、そろそろ門を通りますぜ。」
それぞれが下りる支度をしていると、おじさんは少し後ろを向いて伝えてくれる。
門の前をくぐろうとしたとき、馬車の前方が炎で遮られた。馬車は勢いよく止まる。
「ちょっと待った。ここは通行止めだ。馬車の中に居る奴らはさっさと出てこい。」
門の前を燃やした者は空に居た。赤い鎧を身に纏い、逆立つ赤い髪に白い天使の羽がある男である。
「何事だ!?」
馬車の中から瞬時に出てきて戦闘態勢になる五人。
「へぇ。こいつらが・・・。テメェら武器を構えな、手は抜いてやる。」
確かめるように五人を見たエストゥアンスは警告をする。
「本気を出さなきゃ死ぬぞ?」
その言葉は五人を震え上がらせた。




