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綾太の作戦

安めの宿をに泊まった綾太とノエルは、それぞれ個室の中に居た。ノエルは、寝ていたが綾太は明日の計画を練っていた。

「客を呼び込むセリフはこれでいいとして、ノエルはウエイトレスをやらせて・・・・・。」

部屋の中でブツブツ言う姿は、変質者のようであったが、綾太は銀髪の少女を救うことしか頭になかった。


次の日の朝

昨日の小さな店の前に仁王立ちをする少年綾太と、それを見守る少女ノエルがいた。

すると店の扉から銀髪の少女が顔を出した。

「朝から店の前で何してるんです?」

「銀髪の少女ちゃん、今日は君の店の手伝いに来たのさ。」

「はぁ?従業員は間に合っていますのいりません。」

何を言っているのだこいつという目で銀髪の少女に見られている綾太にノエルから助け舟が出た。

「私たちは純粋に手伝いをしたいだけで、昨日の件もあるし手伝わせてくれるとありがたいなぁっておもってるんだけど。」

そういうと、銀髪の少女は少し悩んでからノエルに答えた。

「わかりました。そういうことならいいですよ。」

「ありがとう。」

ノエルが礼を言うと銀髪の少女は綾太の方を向き言った。

「私はティーナ・メルノス。銀髪の少女なんて名前ではありません。」

ティーナはそう言うと店に入って行った。

「ノエルは店でウエイトレスをやってくれ、俺は客を呼び込んで来る。」


町の広場に着いた綾太は呼び込みを始めた。

「この先にある店の食事は、銀髪の可愛い娘が作ってくれます!しかも今なら金髪碧眼の可愛い娘がウエイトレスをしていまーす!」

こんな感じで現実世界の不特定多数の人には人気のありそうな呼び込みをしていると意外や意外、どんどん客足が店の方に行く。男が多いところを見ると、現実も異世界も男は可愛い娘が好きだということが理解できる。

そしてしばらく呼び込みをして、そろそろ店が気になってきた綾太は呼び込みをやめ店に向かった。

「うわ行列、すみませーん道を開けてくださーい。」

綾太はそう言って店の中へ入って行った。

「二人とも調子はどうだ?」

するとどこから持ち出してきたのか、ノエルはメイド服で接客していた。

「あんたどこ行ってたのよ!接客は大変だし、こんなの着させられるし散々よ!」

最初の方は普通に辛そうだが、後者はまんざらでもなさそうな顔でノエルは綾太に言った。

「すまんすまん、厨房の方見てくるからここは頼んだ。」

「しょうがないわね。ここまで来たらやり遂げてやるわよ。」

そう言ってノエルは、客の接客に戻って行った。

厨房に行くとティーナがせっせと小柄な体を全力で使いながら料理をしていた。

「今は声をかけない方がいいか。」

そう言って綾太は接客を手伝いに行った。ノエルに接客されること期待していた男たちにはにらまれた綾太であった。


「「「ありがとうございました。」」」

最後の客が店から出ていくと三人の体に一気に疲れが来た。

「やっとやり遂げたなぁ。」

「ほんと疲れたわよ。」

「手が疲れました。」

三人は口々にいろいろ言うと。ノエルは綾太に質問をした。

「それにしても綾太。よくこんな作戦思いついたわね。どんな方法で客に完食させ、尚且つ大量の客を呼べたか気になるわ。」

「秘密だ。」

「ケチね。」

そう言うとノエルは椅子にドッと座った。

綾太の作戦は二人には決して言えなかった。なぜかというと、二人を餌に呼び込んだし、少女の頑張って作った料理を残せば、罪悪感が残るので完食する。そんな方法が綾太の作戦であったからである。

「お二人共ありがとうございます。私ではここまでできなかったでしょう。本当に感謝しています。」

ティーナはそう言って頭を下げた。

「俺らが好きでやっただけだからきにすんな。」

そう綾太が言うと店のドアが開いた。

「ほう、この店が一日でこんなになったか。」

そこからは、今の自分たちには最悪の人物ともいえる男が現れた。そう昨日の無精ひげの男である。

「知らない顔がいるがまぁいい、どうせ身体でも売って雇ったんだろ。」

男はいやらしい笑みをしていった。そして続けてティーナへ言った。

「こんなゴミみたいな店が売れるんてなぁ、風俗にでも店を変えたか?はっはっはっは!!」

そんな罵倒を受け小さくなっているティーナを見て、綾太の堪忍袋の緒が切れた。

「おい、外に出ろ、お前の口がこの店に二度と何も言えないようにしてやる。」

怒気のこもった声で綾太は言った。かつてない程の怒りに綾太は包まれていた。

「ガキ風情が、大人がしっかりと躾てやらなきゃな。」

再びいやらしい笑みを顔に出し言った。

そして二人は店を出て、後を追うようにノエルとティーナが店を出た。

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