招待状
特訓が始まってから合計半年が経った。
「大変だぁぁぁ!!!!」
いつも通り、特訓をしていると村人の声が聞こえた。
「第二騎士団が・・・第二騎士団が全滅だ!!」
騎士団。王城を守る騎士の集まり。第一から第六まで存在していて、第二は主に襲撃ように作られた騎士の集まりで、一か月ほど前に第二騎士団が魔王城に出撃したのである。
「・・・・。」
トミノは無言で厳しい顔をしている。そんなトミノの横顔を綾太は眺めることしかできなかった。
その夜。
「さて、みんなどれぐらい強くなったんじゃ?」
長老の家にトミノとニサは集まっている。
「綾太君は身体強化の魔法を完全に会得して、それなりには使えるようになりました。戦闘技術は恐ろしい程の成長力です。さすがあの盾に認められた人なだけはあります。」
トミノは嬉しそうに告げる。
「ほう。」
長老は弟子の成長を嬉しく思うトミノを見てニヤッと笑う。
「ティーナちゃんの方は回復魔法と状態異常回復の魔法を全て会得しました。癒しの宝石の能力は完全には引き出せてはいませんが、今でも通常の回復魔法の1.2程の回復力になります。」
冷静に言うニサであったが、トミノ同様どこか嬉しそうであった。
「そこまでいったのなら十分じゃ、あ奴らが魔王城に行く日は近いかもしれんからのう。」
長老は自分の担当した少女のことを考えるのであった。
「くしゅん!」
可愛いくしゃみの音が聞こえた。
「どうしたノエル、風邪か?」
綾太はノエルに聞く。綾太たち一行は久しぶりに全員が一か所に集まり、現在ノエルの家にいるのである。
「ううん。きっと誰かが噂したのよ。」
ノエルはドヤ顔で綾太を見る。
「それにしても久しぶりですね。皆でまた集まれて嬉しいです。」
「は~久しぶりの綾太だぁ。」
メリアラは綾太の左腕へとくっつく。
「メリアラちゃんったら毎日組み手させるのよ?私疲れちゃった。」
綾太の右腕にもたれかかるようにくっつく。
「毎日魔力が尽きるぐらいまで魔法の練習させられました。・・・・・疲れました。」
胡坐をかいて座る膝にティーナが座る。
「俺にも春が来たな・・・。」
「アンタねぇ・・・。」
三人に囲まれて遠い目をする綾太にノエルは冷たい目を向ける。
「まぁそれはそうと、ほんとに久しぶりだなみんなで集まるのは。」
綾太は笑顔で皆を見る。そこからは特訓の時の話しや、トレノブの町に行った時のことを話した。
次の日の朝。
「君たちに伝えなければいけないことがあります。」
朝招集を受けた綾太たち一行は、トミノから話しを聞いていた。
「昨日第二騎士団がやられたということは知っていますね。今日の朝新しい情報がこの村に届きました。」
綾太たちの真剣な顔つきになる。
「魔王軍代表ミエスタ・トコーセアから貴方たちに手紙が届きました。」
そう言ってトミノは綾太にまだ一度も開けられていない手紙を綾太に差し出す。そして綾太は封を切った。
親愛なる魔王様とそのお仲間さんたちへ
いかがお過ごしでしょうか?我々も聖剣の準備が出来た為そろそろ王城へと襲撃をかけようと思っています。ですがそれではあの時逃がした意味がありませんので、貴方たちを魔王城へと招待します。魔王城は、招いていない客以外は即刻排除致しますので、五人だけでの入場をお願いします。
ミエスタ・トコーセア
この文を読んだ綾太たちの目には決断の色が見えた。
「トミノさん。俺たち明日ここを出ます。」
「・・・・そうですか。」
強くなりましたね。そうしみじみと思うトミノであった。
「俺たちはこの為に鍛えてきたんだ。」
そう呟く綾太は真剣な眼差しをしていた。




