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蝕まれる聖剣

魔王城の前、綾太たち一行は門の前で立ち止まっていた。

「門が閉まってるわね。」

「そりゃミエスタも警戒はするでしょ。」

ノエルの何気ない言葉にステラが答える。

「僕が吹き飛ばそうか?」

綾太の裾をチョンチョンっと引っ張りメリアラは言う。

「それが手取り早いかもしれないな。」

「それは困りますな。」

吹き飛ばしてくれと頼もうとしたとき、ミエスタの声が綾太たちの頭上から聞こえた。

「貴方達を魔王城へ招き入れましょう。」

空中に居るミエスタは一礼する。


魔王城に入った綾太たちは歩くミエスタの後ろを歩くのであった。

「なぁステラ、この道が何処に繋がってるかわかるか?」

ヒソヒソとステラに聞く綾太。

「こっちは確か王座だったはずよ。」

同じくヒソヒソとした声で答えるステラ。

「何で王座になんて向かってるのよ?」

「私も気になります。」

ノエルとティーナが会話に参加する。

「私が分かるわけないじゃない。」

ステラは答える。

「さて、着きました。」

ミエスタは大きな扉の目の前で止まった。

「それでは皆様中へどうぞ。」

そう言って片方の扉を開けるミエスタ。そして入った先にあったのは、真っ黒く禍々しい王座と、そこに突き刺さっている聖剣であった。しかしその聖剣は光を失い、刺さっている部分は黒く染まっていた。

「聖剣が・・・・黒く・・・。」

勇者が持っているときは光を絶やさなかった聖剣の見違えた姿に驚く綾太。

「そうですとも!今まで王座に蓄積されてきた先代魔王たちの魔力が聖剣を蝕んでいるのです!」

手を広げ喜びに満ち溢れた顔をするミエスタ。

「いくつか質問がしたいわ。」

驚く四人に対して、ステラは冷静に質問する。

「一つ目はなぜ貴方が聖剣を持てたのかということ。二つ目は聖剣をどうするつもりなのかと。三つめは何で態々ここまで連れてきたのか。」

指を一つずつ上げるステラ。

「質問が多いですね魔王様。一つ目以外は答えてあげます。二つ目の聖剣はどうするかについてですが、闇に堕とし、このまま我々の最大の武器になってもらいます。三つめは、唯々面白そうだったからですね。」

ニヤッと笑うミエスタに背筋がぶるっとなる綾太とノエルとティーナ。

「さて、質問にも答えましたし、そろそろお帰りください。」

ミエスタは再び扉の元に向かい、扉を開ける。

「どういうつもり?」

メリアラが殺気を飛ばす。

「どういうつもりっと申しますと?」

「ここで襲撃することもできるはずよ。」

白を切るミエスタにステラも殺気を飛ばす。

「何を言うのかと思えばそんなことですか。簡単ですよ。逃がした方が面白そうじゃないですか。もっとも、今の貴方たちでは我々には勝てませんがね。」

フッと笑うと暗くて見えない王座の後ろから、何人かの殺気が飛んでくる。その殺気にノエルとティーナはブルブルと震える。メリアラは険しい顔になる。

「まぁいいわ。今はお言葉に甘えるとするわ。」

そう言って優雅に王座から出るステラに、四人は付いて行った。


魔王城の廊下を黙って歩く中ステラは独り考えていた。

あの殺気少なくとも三人、しかもメリアラちゃんと同等かそれ以上。これは嫌な予感がするわね。

先程の優雅な態度と打って変わって、冷や汗をかくステラであった。

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