不死鳥
宣言とともに勇者は聖剣を鞘にしまった。そして小さな水晶玉を出した。
「君たちには一つでいい。」
そして水晶玉を手の中で砕いた。すると勇者の周りを薄い緑色のオーラが包んだ。
「エンチャントジュエル。これを使ったからには精霊王の名にかけて君たちを倒す。」
勇者は残像を残しその場から消えた。
「綾太!後ろ!」
メリアラの声が聞こえるとともに綾太は吹き飛んだ。
「お前ぇぇぇぇぇ!!」
勇者に飛び掛かるが攻撃を外し、蹴りのカウンターを貰う。
「ぐぅッ」
蹴られた痛みでうめき声を出すメリアラ。
「肉弾戦は終わりだ。次は・・・・・・・斬るよ。」
再び聖剣を抜いた勇者は一方的な戦いを始めるのであった。
「流石魔王というところか。」
果て無き闇に飲まれた勇者の仲間たちのうち立っているのはローブを着た老人だけだった。
「よく耐えれたわね。」
ステラは余裕そうな笑みを浮かべる。
「伊達に長く生きてないわい。次はこっちから行くぞ!起源は荒野、恩恵は大地、土塊を集わせし四大元素の一つよ、生命還元の礎となれ!アプリフト!!」
土の上位魔法を放つと地面が隆起した。
「そんなもの!」
徐々に隆起してくる地面から距離をとるステラ。
「効かぬか・・・。まぁいいじゃろう。ならばとっておきだ。」
「貴方の切り札とやら、拝見させてもらおうじゃないの。」
身構えるステラ。
「古より闇を照らす陽光よ、破魔の熱線が再誕する。焼き払え!フェニックス!!」
先祖魔法を唱えた老人の横に炎で出来た、人よりも一回り大きい鷹のような鳥が現れた。
「陰影はやがて暗黒に、狂気の漆黒は闇をもたらす、飲み込め、果て無き闇。」
ステラは老人とフェニックスを黒い雲で包み込む。
「その程度、恐れるに足らず!!」
フェニックスを中心に炎の渦が発生する。
「焼き尽くしてしまえ!!」
フェニックスは黒い雲を払うと一直線にステラに向かう。
「浄化は洪水、青きを集わせし四大元素の一つよ、歓喜と悲嘆、喧騒と静寂もろとも流し尽くす水流となれ!メイルシュトローム!」
フェニックスにメイルシュトロームを放つと呆気なくフェニックスは消えていった。
「意外と呆気ないのね。」
「本当にそうかな?」
余裕を見せるステラに老人は疑問を投げかけた。すると炎の渦と共にフェニックスは再誕した。
「こやつはわしの魔力が尽きるまで消えはせん。まさに不死鳥じゃな。それではさらばだ哀れな魔王よ。」
老人がそう言うとフェニックスは再びステラに突っ込んできた。
「浄化は洪水、青きを集わせし四大元素の一つよ、歓喜と悲嘆、喧騒と静寂もろとも流し尽くす水流となれ!メイルシュトローム!」
再び水の上位魔法をフェニックスに当てる。
「な!?押し負けてるの!?」
しかしメイルシュトロームの中を徐々に距離を詰めてくるフェニックスに驚愕するステラ。
「貴様の負けじゃ。」
そのセリフと共にフェニックスはステラを焼き払った。
「魔王も大したことないのぉ。」
髭を触りながら呟く老人。
「へぇ。そんな魔王はまだ貴方の前に居るのに随分余裕ね。」
自己再生によって完治したステラが立っていた。
「何故生きている!!」
驚きを隠せない老人はステラに聞く。
「説明する必要はないわ。さぁ、第二ラウンドよ。」
ステラは詠唱を始めるのだった。




