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逃亡

トレノブの町を出た綾太たちはメヌの村に向かっていた。

「もう少しでメヌの村に着くからな、頑張れ!」

メリアラを支えるノエルとティーナに声をかける綾太。

「早く休みたいわよ!」

事情も分からないノエルは文句を言う。そんな三人の前にミルドーヌが一頭現れた。

「こんな時に!!どけッ!」

ステラを寝かせて盾で殴りかかる。ドカッと鈍い音とともにミルドーヌは倒れ、綾太たちはひたすらメヌの村を目指すのであった。


「ようやく着いた。」

明け方にメヌの村の入り口に着いた綾太たちは直ぐに宿に向かった。

「一泊でいい!金はいくらでもあるから一部屋貸してくれ!」

眠そうな顔の宿屋の主人は目を覚ます。

「こ、こちらにどうぞ。」

動揺した主人は部屋に案内する。

「では、ごゆっくりどうぞ。」

「ありがとうございます。」

去っていく主人にメリアラとステラを寝かせながらお礼を言う。

「ふぅ。やっと一息するできるな。」

息をつきながら椅子にどっしりと腰かける綾太。

「何一息ついてるのよ、早く何があったか説明しなさい。」

ノエルは真面目な顔になる。

「わかったよ説明する。」

綾太は今までの出来事を話した。


「なるほどね。貴方達もツイてないわね。」

ノエルは呆れた顔で綾太を見る。

「ああ、本当にそうだよ。」

説明を終えた綾太の顔には疲れが出ていた。

「それにしても不思議よね、その盾。胡散臭いとは思ってたけどここまでとはね。」

ノエルは勇者との戦闘で突然現れた盾について指摘する。

「そうは言われてもな、突然声が聞こえて気づいたら盾があったんだからな。詠唱も突然頭に思いついて迷ってる暇もなかったんだよ。」

「ふーん。まぁいいわ、もう私は寝るわね。」

そう言ってノエルは隣の部屋と消えて行った。そして椅子に腰かけた綾太は疲れ切って重い瞼を閉じるのであった。


「・・・こ・・にげ・・。」

やけに騒がしい外の声で綾太は目を覚ます。

「なんだ?」

綾太は窓から外を確認するとメヌの村には鎧を着た兵士が至る所にいた。

「もうここまで来たか。」

そう呟いた綾太は隣の部屋のノエルとティーナを呼びに行くのであった。


「時間がない、逃げるぞ。」

綾太はステラを担ぎ、ノエルとティーナはメリアラを担ぐ。

「裏口からならいけるはず。」

警備が手薄な裏口から宿を出て、メヌの村からの出るのであった。

森に身を隠し、行き場所に困っていた綾太にノエルが一つの案を出した。

「エトゥン村に行きましょう。今はあそこが一番安全よ。」

綾太は無言で頷くとエトゥン村に向かうのであった。

「ウルムの町は迂回しましょう。恐らくウルムでは兵が私たちを探していると思います。」

「そうなると最低でも一日はかかるか・・・。」

ステラとメリアラの治療がなかなかできないことに焦りを覚える綾太。

「私が最短ルートでエトゥン村に案内するわ。そうすれば今夜中には着くはずよ。」

「なら案内は頼んだぞノエル。」

僅かな希望が見えてきた綾太は少し気持ちが楽になるのであった。

「任せなさい!」

力強く言うノエルの顔には、ステラとメリアラを運びぬくという強い意志が見えた。

綾太たちはエトゥン村に向かってひたすら歩くのであった。

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