ノエルの謝罪
絶叫から約5分、三人の間に気まずい空気が漂っていた。そんな中最初に発言したのは、ノエルだった。
「本当に申し訳ないわ。この間違えは償うわ。」
縄を解きながら、申し訳ないという思いが痛いほど伝わって来るぐらいの顔をしてるノエルに対して綾太がぎこちない笑顔で答えた。
「い、いや。そこまで申し訳なさそうにしなくても大したことなっかったし・・・。」
「何言ってんのよ!!大したことないって、貴方私に殺されそうになったのよ!!」
ノエルは顔は、怒りと申し訳なさが入り混じっていた。
何も被害も受けず女の子の家に泊まれた綾太は特に謝罪や償いなど求めていなかったけど、どのように償ってくれるのか気になってノエルに尋ねた。
「じゃあ聴くけど償うって具体的に何をしてくれるわけ?」
そう綾太が聴くと、ノエルは少し悩んだ後に顔を真っ赤にさせて答えた。
「貴方は殺されそうになったわけだし、わ、私の身体とか?・・・・・って何言わせんよ!!」
綾太はノエルは理不尽な奴だと知った。
そんな正直綾太にはどうでもいいやりとりをしていると長老に目でサインを送り助け船を出すように頼んだ。そして、サインを理解したのか長老は口を開いた。
「まぁ少年そう拒否することもなかろう、ノエルの身体は少し胸のボリュームは足りんがいい身体をしていると思うぞ。」
綾太は長老に助けを求めたことに酷く後悔した。しかしこのまま会話を放置してしまうとまた静けさが家を支配するにで、仕方なく話しに乗った。
「確かにスタイルも良いし顔も好みですが、彼女に嫌々身体を捧げられても嬉しくも何ともありませんよ。」
ノエルの身体は、胸はB~Cぐらいはあり、腰にもくびれがあり余分な肉などどこにもない。そんな身体に健全な青少年の綾太が興味がないわけもなく正直内心は動揺していた。
内心の動揺が表に出そうになった時、ノエルがリンゴのように顔を真っ赤にして言った。
「何てこと話してるのよ貴方達は!わ、わ、わ、私のか、身体なんてどうでもいいでしょ!早く貴方の使いたいようにしなさいよ!」
ノエルが慌てる中綾太が答えた。
「じゃあ、俺が君が僕の旅に付き合ってくれないか?」
即席で思いついたお願いを綾太は言った。
「旅?そんなことでいいの?」
「少年よ、旅の途中だったのか?」
そんな二人の疑問に答えないとまたノエルにいろいろ言われそうだったので、渋々旅の途中という設定で答えた。
「そうですよ、俺は旅の途中何度も一人が寂しいと思っていたのでちょうどよい機会かと。」
「ふむ、そういうことか、村の住人のミスは長老のミスじゃからな、旅の物資を補給しよう。」
「私も特に異論はないわ。どうせ暇だったしちょうどいいし。」
「じゃ、じゃあそれでお願いします。」
旅の準備のため、綾太とノエルは家に帰った。
最後に荷物をまとめているときにノエルが綾太に質問した。
「貴方旅って行先はどこなの?」
「き、決めてないです・・・。」
「旅をしてるくせに行先がないって正気なの?」
ノエルに呆れ顔で言われる綾太であった。
「まぁとりあえず一番近くにあるウルムの町にいきましょ。」
そう言ってノエルは綾太を連れ長老のもとへ向かった。
「旅の必需品や多少だが金も入れてある。旅に役立てるといい。」
そう言って長老は大きなリュックを綾太に渡した。
「ありがとうございます何から何まですいません。」
「旅の途中って言ったのは貴方でしょ、さっさとウルムの町に行くわよ。」
長老に礼をしている途中にノエルに袖を引っ張られる。
目指すはウルムの町、何事もないこと祈る綾太であった。