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少女の次は長老

「もっと速く歩きなさいよ。」

「無茶を言うな、縛られたら歩きづらいに決まってるだろ。」

歩き出して10分、自分から縛ってもいいと言った綾太は疲労を感じ始めていた。

「そういえば貴方、さっきの戦闘で私の矢を弾いたやつ、アレって防御の魔法の類なの?」

「さぁ?正直俺はこの能力についてはよくわからん。」

「見た感じ私の立っていたところ滑らせたり、矢を滑らせたりとツルツルになるような能力って感じかしら。」

「滑らせる能力って・・・。」

何とも言えなそうな能力に肩を落としながら少しずつ村へと足を進めた。


そしてまたしばらく歩いていると明かりが見えてきた。

「そこが私の住むエトゥン村よ。」

そこには森を切り開て作った小さな村があった。

「へえ、秘境の村って感じ?」

「秘境ではないけど、私たちエルフ族は森の加護を受けているからこういうところに住むのよ。」

「えぇ!!君ってエルフなの!?」

「何を今さら言ってるのよ、見た目でわかるでしょ。」

村に入ると夜なので誰もいなかった。

「今日はもう長老に会えないから私の家に来なさい。」

「お、女の子の家。」

そう綾太が言うと少女は赤面しながら答えた

「馬鹿なの貴方!縛ったまま床で寝かせるに決まってるじゃない!」

綾太はそこそこショックを受けつつもそういったやりとりを続けていると少女の家に着いた。

少女の家は木組みであり一人暮らしなのかマンションのワンルームの広さと大差はなっかった。

そして本当に床で寝かされた綾太であった。

「解せぬ・・・。」


夜が明けると共に少女に叩き起こされた。

「さっさと起きなさい!長老に会いにいくわよ。」

「むぅ、朝は弱いんだ俺。」

無理矢理引っ張られながら長老の家へ連れて行かれるのであった。

そして歩いていると綾太はあることに気付いた。

「なんか俺めっちゃ見られてない?」

「当たり前でしょ、ここの村はあまり客はこないから。」

「俺客って感じじゃないよな。」

朝弱いのと周りからの視線でだいぶ参っているのであった。

すると少女の足が止まった。

「ここが長老の家よ、ささっと貴方が魔物か人間か判断してもらわなきゃ。」

そういいながら少女はドアをノックした。

「ノエル・ルーフェスです。長老いますか?」

そういえば少女の名前を知らなかったなと綾太は思っていると、家の中から声が聞こえた。

「入って来なさい。」

そう言われ二人は家に入って行った。

「何のようかねルーフェス君?隣にいる人間と結婚式を挙げることを伝えに来たのかね?」

「何言ってるんですか!こんな魔物と結婚なんて絶対にしません!」

「ハハハ!冗談だ冗談、すこしからかっただけじゃないか。」

そう言ってノエルと白髪で髭の長いいかにも長老といった感じの二人のやり取りは、まだまだ続いた。

「そろそろ恋の一つでもしたらどうじゃ?」

「余計なお世話です。私は心に決めた人とがいずれ出会うと信じているんです。」

「隣の人間の少年など良い感じはするがのう。」

「誰がこんな魔物と・・・・・・人間?」

「そうじゃよ、さっきからルーフェス君は魔物と言っておるが、そこの少年は正真正銘の人間じゃ。」

一瞬長老の家にが静まり返った。そしてノエルの頭の整理が終わったのか口を開いた。

「じゃあ私はずっと勘違いしてたってこと?」

長老と綾太は頷きながら答えた。

「「そうだな。」じゃな。」

そう答えるとノエルの顔は申し訳なさと恥ずかしさで今にも叫びそうだった。

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

そして叫んだ。

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