邪剣使い
家を買ってしばらく経ち、綾太たちは所持金がなくなりそうなのでギルドに来ているところであった。
「幹部の撃退?」
綾太はステラの見つけてきた依頼を聞き返した。
「私もあんまりあったことないから分かんないけど、多分それなりに強いと思うわ。」
「なら何でこの依頼選んだんだよ!?」
「はぁ?私たちの今の戦力を見てみなさいよ。」
ステラが言ったことに文句を言う綾太であったがノエルに指摘される。
綾太は冷静に仲間について考えた。魔王軍幹部最強と魔王本人と愉快な仲間たち。そもそも負けなど存在しないことに綾太は気づくのであった。
「この依頼受けようぜ。」
魔王幹部を倒せば報酬も弾むと思った綾太は依頼を受けるのであった。
「またここに来ることになるとはな。」
綾太一行はディルの別荘近辺に来ていた。
「今回の討伐対象が邪剣使いのディルですからね。」
ティーナは依頼内容を言う。
「おしゃべりはここまで。犬が来るよ。」
メリアラの顔が真剣になる。
ディルの別荘の裏からケルベロスが出てきた。
「ブラッドサクリファイス!!」
メリアラの技が炸裂しようとした瞬間。
「ダークネスレクエム!!」
男の声と共にブラッドサクリファイスが斬り裂かれた消滅した。
「随分物騒な挨拶だな。俺の別荘に何の用だ?吸血姫。」
黒い鎧を纏い紫色のマントを付けた金髪ツンツンヘアーの青年が禍々しい黒い剣を持ち立っていた。
「流石邪剣使い、僕の魔法を斬るとはね。」
「質問に答えろ。なぜ攻撃した?」
ディルはメリアラに剣を向けた。
「貴方の討伐に来たのよ。」
ステラは前に出て言う。
「な!魔王様!?なぜあなたがここに?」
「知ったところで貴方は死ぬんだから関係ないわ。」
ステラは淡々と言う。
「そうですか・・・。なら俺も全力で行かせてもらいます!!」
ディルは黒いオーラを出しティーナに斬りかかった。
ガキンッと金属のぶつかり合う音がする。
「ぐうっ!」
綾太はティーナの前に立ち、盾でガードする。
「俺の剣を防ぐか。ならこれでどうだ!」
「ファントムロンド!!」
いくつもの斬撃が綾太の盾を襲う。
「どこまで耐えられるかな?」
ディルは余裕ぶった声を出す。
「この野郎ッ!!」
綾太は盾を構えたまましゃがんで地面に手を触れる。
ドサッという音と共にディルは盛大に転んだ。
「綾太!大丈夫?」
メリアラは真っ先に飛んでくる。
「綾太さん怪我はありませんか?」
ティーナも確認してくる。
「特にないかな。」
綾太は二人に囲まれるという恥ずかしさから顔を赤く染め答える。
「ロリコン。」
ノエルは冷たい目をして言う。
「断じて違う!!」
そう言う綾太であったが、心の中で否定しきれない自分がいた。
「貴様。よくも俺に恥をかかせたな。」
怒りでディルの黒いオーラが一段と禍々しくなった。
「ケルベロス!!奴らを食い殺せ!!」
ディルはケルベロスを呼ぶが何も起きない。
「どうしたケルベロス!?早く奴らを食い殺せ!!」
そう言ってディルは振り返ったが、ケルベロスのいた場所には大きなクレーターしかなかった。
「嘘だろ・・・。」
ディルの顔に絶望が浮かんだ。
「君と綾太が打ち合ってる間に僕が何もしないわけないでしょ?」
メリアラは得意顔で言う。
「貴様ら本当に俺を怒らせたいらしいな・・・。」
そう言ってディルは剣を地面に突き刺した。
「死んでも貴様らを殺す。」
ディルは目を閉じ詠唱を唱える。
しかしそれを阻もうとステラも魔法詠唱を始めた。
「速さは疾風、慈愛は暴風、嵐を集わせし四代元素の一つよ、好意と嫌悪、慈悲と憎悪もろとも切り裂き砂塵となれ!サイクロン!!」
刃のような鋭さをもった暴風がディルを襲う。
「この剣の奥義の発動前はいかなる攻撃も効かない。」
目を開けて言う。ディルの周りだけドーム状になり暴風を防いでいた。
ディルは再び目を閉じ詠唱を始める。
「時は来た。放たれし五つの刃は闇を纏い光を飲む。闇と刃は世界を蹂躙する。」
ディルの目がカッと開く。
「邪剣の舞踏曲ッ!!」




