忘れてた目的
商店街バトルから数日経ったとある一日。
「いい物件を見つけた?」
ノエルからの報告を受けた綾太は耳を疑った。
「そうよ、この物件なんだけど。」
そう言ってノエルは一枚の紙を見せてきた。
「随分デカい家だなぁ。俺らの貯金で買えるのかコレ?」
「大丈夫よ。メリアラの資金だもの。」
「ゲスいなお前・・・。」
「何よ、どっちしろメリアラの資金で買うんだから大きい方がいいでしょ。」
ノエルはゲス顔で綾太を見る。
メリアラが許してくれるかどうか不安であった綾太であったが、ノエルの意見に賛成した。
「わかった。メリアラを探しに行ってくる。ノエルはティーナとステラを呼んできてくれ。」
「しょうがないわねぇ。」
二人は別々の方向に歩き出すのであった。
ギルドの隅の席に五人は揃っていた。
「急に呼び出してどうしたんですか?」
ティーナは綾太に質問する。
「今日集まってもらったのは他でもない俺らの当初の目的についての会議をする!」
「当初の目的?」
ティーナは小首を傾げる。
「お、おう。家を買うって話だ。」
ティーナの仕草に少しドキッとした綾太であったが話を続ける。
「俺たちはこの家に住もう!」
バンッと綾太はノエルから受け取った家の紙を机に出す。
大きい家の絵を見て最初に口を開いたのはステラであった。
「この家五人で住むには大きいけどいいの?」
「大きい方がいいだろ?」
「それもそうね。」
ステラは直ぐに納得する。
「じゃあ持ち主と話しつけてくる。メリー、金持ってついて来てくれるか?」
「もちろんだよ。」
メリアラは笑顔で答える。
「こっちがコインです。確認お願いします。」
綾太がそう言うとメリアラはコインの入った袋を家の持ち主に馬車の荷台に乗せる。
「ふーむ、確かに確認した。これがこの家の権利証だ。あばよ。」
しばらくして家の持ち主はコインを数え終わると、権利証を渡してさっさと馬車に乗って消えて行った。
「さて、みんなを呼びに行くか。」
「そうだね。いい家を買えて良かったよ。」
歩き出した二人は家についての話しを始めた。
「本当に良かったのかメリー?」
「お金の件のこと?構わないよ、なんて言ったって友達の頼みだもん。」
「俺もなんかお返ししなきゃなぁ。メリーは今したいこととか、欲しいものはある?」
「うーん?特にないかなぁ。」
「本当に?俺にできる範囲なら何でもするからさ。」
綾太はイケメン主人公がよく言うセリフを言えたと心の中でガッツポーズをしていた。
「強いて言うなら、これから座るときは隣に座ってほしいかな。」
「そんなことでいいのか?」
「友達はとは近くに居たいからね。」
メリアラはウインクをする。
綾太は先にギルドへ入って行くメリアラを追いかけるのであった。




