本当の友達
町から離れたところにあるひっそりとした山。その頂上には最近住処を作り、そこから村や町を襲撃する生物、ドラゴンがいた。
そんな危険極まりない山に四人の少年少女が登っていた。
「もうすぐ頂上ですよ、皆さん頑張ってください。」
「はぁはぁ、なんでそんなに余裕なのよ。」
「もう足がプルプルだぜ・・・。」
最年少にも関わらず余裕なティーナとは別に、年上ペアは息切れの者が一人と足が生まれたての小鹿状態と情けない状態になっていた。
「見えてきたよ。」
パタパタと羽を使いメリアラは飛んでいる。
頂上あるドラゴンの住処に着いた四人は、早速臨戦態勢になっていた。
「ドラゴンってこんなデカいのか!?」
綾太が叫ぶのも無理もなく、ドラゴンは全長30mにもなる巨体に加えて暴風を起こせるような翼に、一振りで森を抉れるような尻尾、そして岩をもかみ砕きそうなほどの牙を持っていた。
「じゃあ僕の力を見せようかな。」
メリアラはそう言うと三人の前に出た。
「メリー!下がれ!こんなデカ物倒せねぇよ!」
本当にメリアラが倒せるのか心配になった綾太はメリーに言った。
「フフ、大丈夫だよ綾太。こんな相手すぐに終わらせるよ。」
メリアラは手をまっすぐ前に突き出した。
手の先から血のような赤さをした手の平より小さな球が現れた。その球は徐々に大きくなり、メリアラより一回り大きな球になった。
「じゃあ、綾太のお願いだからここで消えてね。ブラッドサクリファイス!!」
魔法名を言ったと同時に球は相手に勢いよく飛んでいき直撃した。
直撃した球は大きくなり、ドラゴンを包み込んだ。
「ガアアアァァァァァアア!!」
包み込まれたドラゴンは断末魔をあげる。
ドラゴンを包み込んだ球はやがて小さくなった。そしてドラゴンがもともといた場所には大きなクレーターしかなかった。
「嘘だろ・・・。」
綾太は一瞬で片が付いたドラゴンとメリアラの戦いを見てそう言うしかなかった。
「思った以上に弱かったなぁ。」
呑気なことを言いながらメリアラは地面に足を付けた。
ギルドに帰るころにはもう暗くなっていた。
ドラゴン討伐を報告した四人は晩御飯を食べようとしているところであった。
注文を終えた四人の中は静寂で満ちていた。
「今日の僕を見て嫌いになったでしょ。」
メリアラが突然言った。
「え?」
綾太は突然すぎてメリアラが何を言っているのか分からなかった。
「綾太に会う前に会った人たちはみんなアレを見ると離れて行ったの。」
メリアラは目に涙を溜めていた。
綾太は自然とメリアラを抱きしめていた。
「え?なんで?」
メリアラは呆気にとられる。
綾太はメリアラを抱きしめながら力強く言った。
「メリーがどんなに強くて怖がられても俺だけは!俺だけはメリーの味方で、友達だ!!」
メリアラの目からは溜められていた涙が溢れ出していた。
そんな二人を見ながらノエルとティーナは微笑んでいた。
ちなみに料理を持ってきた店員が綾太とメリアラを見て驚愕したのは言うまでもない。
泣き止んだメリアラと他三人は話しながら晩御飯を楽しんでいた。
そんな中メリアラは隣に座る綾太にだけ聞こえる声で言った。
「今日の綾太すごくかっこよかったよ。でももう少し戦闘では怯えないようにしなきゃね。」
「ぐ、すいませんでした。」
二人だけの密かな会話であった。




