綾太の買い物
飯を食い、ギルドにある銭湯に入り、できそうな依頼があるか確認して寝る。簡単で儲けられる依頼など沢山あるわけないので、綾太たち三人はただ同じことを繰り返す毎日であった。
「もう卵の依頼から10日経っても良さそうな依頼は一向になしか・・・。」
綾太はそんなことを呟きながら、今後の方針について考えていた。
「武器と防具の調達ね。」
「ですね。」
ノエルとティーナは考える綾太のそんなことを言った。
ノエルが武器と防具の調達を提案したのは当たり前だろう。綾太はこの世界に来た時の寝間着であるジャージである。さらに武器も何も持っていない。
「そうだな、店に行こう。」
「この服とこのズボンください。」
「あいよ、9700コインだよ。」
綾太は服屋で灰色と黒でできたスウェットのような服を購入した。
現在三人はそれぞれ別の店に行き、自分に必要な物を購入しに行っているのであった。
服屋の隣の武器屋に行った綾太はどれを買うかに迷っていた。
「片手長剣、ダガー、メイスに長槍、レイピア、いろいろあるなぁ。」
当然他にもいろいろな武器があるが、迷う綾太は店長にお勧めを聞いた。
「お勧めってあります?」
「お勧めぇ?武器の馴染み方は人次第だからなぁ。ん?坊主もしかしてケルベロスの卵を取ってきた仲間の一人かい?」
中年ぐらいのがたいの良い店長がそう言うと、嬉しそうに話し出した。
「実はな、依頼者は俺の親友でよう、お前さんたちにスゲェ感謝してたんだ。」
「そ、それはありがたいです。」
急に嬉しそうに話し出した店長に驚きながらも綾太は答える。
「お勧めの武器だったな?親友の手助けをしてくれたからな、うちのとっておきを安値で売ってやる。」
そう言って店長が出したのは、綾太より一回りほど大きな六角形の盾であった。全体的に灰色で、盾の表面の真ん中は銀色のひし形があり、文字が刻んである。
「この盾なんです?」
不思議なオーラを出す盾について綾太は質問した。
「こいつはな、俺が若いころにある洞窟で見つけた一級品だ。重いのが難点だがな。」
「重い?」
綾太は盾を持つが重いどころかしっくりくる重さを感じている。
「まさか坊主、重く感じねぇのか?」
「は、はい。」
驚いた顔で質問してきた店長に答えると、また店長の顔は嬉しそうになった。
「ハッハッハッ!なら猶更買ってもらいたいもんだ。どうだ坊主、今なら430000000コインのところ、親友の恩人で盾に選ばれ、売れ残りでもあるから、割引して50000コインだ。」
売れ残りと言ったのが気がかりであったが綾太の答えは当然買うだった。
「買います!でもそんなに安くしていいんですか?」
「なぁに、どうせ拾い物だ。コインになっただけいいさ。」
売れ残りで拾い物である盾を購入した綾太はギルドに帰るのであった。
「ん?戻ってき・・・なにその馬鹿でかいの?」
ギルドに戻ってきた綾太はノエルのいる掲示板のところに行くとやはりツッコまれた。
「いや、盾だけど。」
「そうね、まぁいいわ。それよりこれを見なさい。」
本当に興味がなさそうにしたノエルは、一枚の依頼の書いてある紙を見せてきた。
そして綾太は前回同様に依頼を読み上げる。
「魔物偵察の依頼。最近トレノブの町付近の平原に、夜になると怪しい行動をしている魔物がいるので、その魔物の調査を頼みます。
報酬金は150000コイン。」
偵察だけなのに150000コイン。当然綾太はやる気になった。
「よし!明日偵察に行くぞ!ティーナに伝えといてくれ。」
そう言うと綾太は本日の疲れをとるためにギルド内の銭湯に向かった。




