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僕は辿る  作者: 沖ノ灯
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仲間

ソルデアを迎えに行く日の朝、全員と顔合わせが出来た。

リーダーのジャレッド・ドナヒューは、みんなに"ボス"と呼ばせていた。

昨日ボスと一緒に迎えにきていたビード。

さんざん噂を聞かされたジョージナ・シュワルツは栗色の髪の大人しそうな雰囲気だ。

コリン・グッドマンは30歳くらいで小さな会社でシステムエンジニアをしていたらしい。

いかにも技術屋っぽくて、人と関わるのが苦手だと自己紹介した。

モーガン・オドナヒューは20代半ばの青年だが、営業の仕事をしていたと言うだけで、なんとも胡散臭い。

それでもコリンと組んで仕事をするのは楽しいと話した。

ジェローム・ゴーウィンは甘い感じのイケメンだ。

俳優目指して舞台のオーデションに出まくっていたらしい。

自己紹介の時に、夢を諦めて三国連合の捜査の仕事をするのは不本意じゃないのと聞かれ、

「しょうがないよね。」

と肩をすくめたのだけど、これが口癖。

セリフを覚えるのが得意で、大勢の前で話すのは得意らしい。

一応は全員が体力や様々なテストをクリアしている。

銀の者になるには魔術の難題があるから、まだまだ鍛錬が必要だ。

そして、僕とヤナギが加わり8人だ。

ここに傷心のソルデアが入る。


僕達が到着する前に準備は着々と進み、すでに都市部では大勢集めて石板で判断、魔力がある者だけ選り分けるというシステムが出来上がっていた。

これを、コリンとモーガン、ジェロームの3人がチームで取り組んでいる。

ボスのジャレッドは事務所にいて指示と緊急の時だけ対応する。

つまり都市部でも参加しない人物や、過疎地の住民を、僕とヤナギ、ビードとジョージナで塗りつぶしていく。

コリン達3人は朝から集会の予定が詰まっていて、すぐに出かけて行った。

残りの4人は2人ずつの組み分けをしないといけない。

ボスが

「何か希望があれば言ってくれ。」

誰でもないジョージナに話してる。

ジョージナは無表情でいきなり

「だから、こいつは嫌よ。」

ビードを指さす。

聞きしに勝る口の悪さだ。

ビードは窓の景色を口をヘの字にして見てる。

ボスは顔色一つ変えずに

「残りは二人、どっちと組むんだ?」

僕とヤナギを、いや僕を緑色の目が睨んでいる。

「こいつも嫌、女と子供が組んで、バカにされるのは行く前からわかってる。」

確かに理屈は通ってる。

ボスがファイルに書き込んで閉じた。

「これで決まりだな。以後は余程の理由が無い限り組み合わせは変えないぞ。」

そして立ち上がり、

「では諸君、半年と言わず一日も早く成果をみせてくれ。

何かあれば連絡を忘れるな。それでは解散。」

僕はビードと組む事になって、その日は数件訪問して特に何も収穫はなかった。

そして夕方早めにソルデアを迎えに一人空港に向かったわけだ。



ヤナギと組んだジョージナは一気に大人しくなり、僕らは順調に例の宝石店の周辺地区の魔力を持つ人に対しての警鐘と聞きとりは終わっていった。

都市部でも5000人に一人程度しか魔力を持つ者はいない。

登録されている人物は電話の聞きとりで済ませた。

有力な情報が一切上がってこないまま、1週間が過ぎた。

ボスがイラつきはじめてる。

「ちゃんと聞きとりはしたのか?」

ジェロームは

「魔力を持つ人は少ないし、宝飾店前で殺された人との接点もありません。」

言い終わった後に、みんなを見まわして"しょうがないよね"と言った。

ソルデアが

「襲われた人の足取りは正確なんですか?」

コリンが事件情報にアクセスして

「トニー・ブレッグマン35歳、襲われた日は休日の土曜の深夜、持ち物は財布だけ、お金は残ったまま物取りの犯行ではない。スマートフォンは持っていたが家に置いたままだった。

休日なので、その日の詳しい足取りは確認とれてません。」

そう言うとソルデアを見て少し微笑んだ。

ボスは

「親しくしてる人はいないとなってるな。」

コリンが出した画面を見ながら、

「職場の人との交流もなし、か。」

僕が

「この自宅はどうなってますか?」

コリンが

「一応警察で確認したようだけど、亡くなってから2週間だから、まだそのままです。」

ボスが言いだした僕に向かって、

「ビードとギンゴ今日の予定は変更して、すぐ入ってこい。」

ビードはポケットから車の鍵を出して

「運転は俺。」

仕方なくカメラや証拠用の袋、手袋なんかが詰まった重いバッグを取りに行く。

警察で確認してるなら、何か出る可能性は低い。

その時は、なぜだか気になった。



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