魔物2.
R15の血が流れる場面があります。
気分が悪くなる記載が含まれています。
翌日に備えてさっさと寝ることにした。
あれくらい走っても、いつもほど疲れていない。
何度か寝返りをうった。
ホテルの周りを走ったのを思い出しながら眠った。
木の香り、土の匂い。落ち葉の音。
風のように木立の間をすり抜ける。
いつの間にか眠ってた。
ふと目が覚めた。
なんだ?この感覚、身体の表面がチリチリとする。
起き上がって腕や背中を触ってた。
何か声、どこかで男が叫んでる?
僕ははだしのままで自分の部屋から廊下に出た。
どっちだ?背中のほうから聞こえる。
僕の隣の部屋を使ってるビードが扉を開けた。
「おいギンゴ。おまえが叫んでるのか?」
「ちがう、こっちだ。」
二人で声を頼りに廊下を走ったり立ち止まったりした。
「ここかな?誰の部屋かわからない。」
ビードが扉をノックした。
「おい!大丈夫か?おいっ!返事しろ!」
ビードがドフノブを回すが鍵がかかってる。
クソッと言いながら、ビードがドアに体当たりした。
木製でも頑丈な扉はびくともしない。
僕は
「ビード離れて、僕がやる。」
ノブの周りめがけて魔力刃を当てた。
ビードがドアを押して開いて扉近くの部屋のライトのスイッチを入れた。
ベッドの横でジェロームがうめきながら、転げまわっているのが見えた。
ジェロームにかけよっていくビードを見ながら、部屋を見回した。
「ジェローム大丈夫か?しっかりしろっ!」
この騒ぎで他の部屋から、みんなが出てきた。
僕は走ってきたソルデアに
「救急車呼んで、早く。」
ジェロームはビードを見て叫ぶのは止めたが
「虫だ!虫が刺したんだ!そこらじゅう!
イタイ、痛いよー。あぁ、顔もわぁあー。」
出血は少ないものの、身体中のあちこちから血が出てる。
僕はベッドに近づいて見たけど、虫はいない。
「今、救急車呼んでもらったから、ジェロームがんばれ。」
ビードが
「おいっどんな虫だった?大きいのか?」
ジェロームは
「あぁわからない暗かったから、救急車が…あぁ痛い。
あちこち刺されて、転げまわって…でも刺して…」
顔が青白くなって、目の焦点があってない。
ビードが頬を軽く叩いて
「おいっこっち見ろ、ジェロームしっかりしろっ!」
しばらくして救急隊員が来て、ジェロームは担架に乗せられて搬送されていった。
ボスとモーガンが付き添っていった。
みんなで見送った後、コリンが
「部屋を調べないと、ビード、服を脱ぐ前に見せてくれる?」
ビードは
「ヤツの血はついてるけど、俺はどこも痛くないよ。
服が欲しいなら、ここで脱いでもいいよ。」
「服だけ欲しい。男のはだかは見たくない。」
コリンはそう言うとビニール袋をビードに渡した。
ソルデアが僕に近づいてきて、
「どう思う?」
どう思うって言われても、
「それって煙と何か関係があるか聞いてる?」
ソルデアが
「それしかないだろ。狙うのは魔力のある者だからな。」
普通に調べても何も出てくる事はないだろう。
博士が魔力が使われているとしたら、何か痕跡が残ると言ってたな。
「魔力研究所の人が来てくれたらいいのになぁ。」
ソルデアが
「銀の支部には応援頼んでるけど、誰か知り合いいないのか?」
いる。
僕はすぐにリンゲブさんに電話した。
魔力研究所で魔方陣の研究をしてる人だ。
「あ、リンゲブさんギンゴです。」
『やぁキンゴ、今度はいつ来るんだい?』
僕は訓練中も、どうでもいい話をしにリンゲブさんの所に行ってた。
荷物運ぶ手伝いとか、実験に被験者として協力もしてた。
「あー今、北米にいるんですよ。」
『あれ?それは黒い煙の捜査?』
「そうです。聞いてるんですか?」
『そうかぁギンゴが行ってるんだね。
めんどくさいから新人君に行かせたんだ。
わたしも一緒に行けば良かったかなぁ。』
めんどくさいから行かせたって、
「今からでも来てくださいよ。」
『いや宿題が一杯できたから、当分無理だ。
それに聞いてるでしょ?』
「え?なんのこと?」
リンゲブさんがフフッとわらってる。
『すごく面白いから、戻ってきたら一杯話してあげるよ。
それまで頑張るんだよ。』
うーん、なんだろう。
でも楽しみはできた。
「わかりました。ところで新人君は名前はなんて言うんです?」




