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自己紹介

 昨日、わたしは友達であった山田さんに厳しい事を言ってしまい、ほぼ絶縁の形をとる事となってしまった。


その代りに、わたしは少しでも自分の才能に挑戦してみようと思い、阪畑さんのススメで、動画投稿サイトを使ってのアイドル活動に参加をする事になりました。


 そして、放課後……


わたしは、阪畑さんに連れられ、阪畑さん達がいつもアイドル活動の練習をしている場所である、校庭の隅へと案内された。


そこには、既に先客が2名ほどいた。


恐らく、この2人もまた、アイドル活動の仲間なのだろう……


「じゃあ、新たに私達の仲間に加わってくれた、朝芽詩鈴さんだよ」


「よっ、よろしくお願いします……」


わたしは、坂畑さんに紹介されるがまま、目の前にいる2人の人に自己紹介をした。


「はじめまして、朝芽さん。わたくしは桜森紗美と言いますわ。私の事は紗美で構いませんわ」


まず、始めに名前を言って来た人は、桜森紗美という、金髪のボブパーマの髪型をした、高貴なお嬢様風の人が、わたしに挨拶をして来てくれた。


「はっ、はじめまして…… わたしは、朝芽詩鈴と言います」


「知っていますわ、朝芽さん。歌が上手いと有名ですから」


「はっ、はい…… ありがとうございます」


わたしは、桜森さんと会話をする際、人見知りの癖か、物凄く緊張をしながら話をしていた。


「いえいえ、とりあえず、アイドル仲間になった事ですし、これからよろしくね」


「はっ、はい! こちらこそ、よろしくお願いします」


わたしは再度、桜森さんに緊張をした様子で、挨拶をした。


「わたくしは、このアイドル活動では、主に動画撮影や動画編集の担当を行っているの」


「えぇ!! そんな担当があるのですか?」


「まぁ、一応、動画で投稿をしながら活動するアイドルですから、必要なポディションですわ」


なるほど……


阪畑さんが活躍している動画投稿のアイドル活動には、動画の撮影や動画の編集を行う専門の人がいるんだ。


「ちなみに、朝芽さんが昨日見た動画も、紗美さんが撮影をした映像なんだよ」


「へ~ そうなんですか。でも、前回の動画には、桜森さんが映っていましたよね」


その後、阪畑さんから前回の動画を撮影したのは桜森さんである事を教えてもらうと、わたしは前回の動画を思い出し、ひとつの疑問が生まれた。


「あぁ、それね。桜森さんも私達と一緒にアイドル活動に参加をしながら、動画の編集を行ってるの」


「ちなみに、撮影をする時は、カメラを一カ所に固定をしていれば、私も映りながらの動画が撮れるのよ」


なるほど、そうやって桜森さんも参加をしている動画を作っていたんだね。


「あと、桜森さんのが持っているビデオカメラは凄っごく高価なビデオカメラなんだよ。そのビデオカメラのおかげで私達の動画は、綺麗で高画質な動画になってるんだよ」


「そうなんですか?」


「一応、そうですね。阪畑さんも言う様に、わたくしの持っているビデオカメラはどうやら高価なビデオカメラの様ですわ」


自分の持っている物の価値も分からないほど、桜森さんはお金持ちの家庭の子なんだろな……


と、わたしは阪畑さんと桜森さんの会話を聞いていて、そう感じた。


 そして、桜森さんとの簡単なあいさつを終えた後は、次は桜森さんの隣にいた人が、わたしに話しかけに来た。


「私の名前は、尾神女月よ。一言だけ言っておくわ、私達の練習の足を引っ張らないでよ」


その人の名前は尾神女月と言い、黒のショートカットで後ろをツインテールではなく、両サイドに結んだ髪型をしている、どことなくわたしが苦手なタイプである厳しそうな人である。


「はっ、はい。 分かりました…… なるべく、皆さんの足を引っ張らない様に、気を付けながら頑張って行きます……」


わたしは、厳しく言って来た尾神さんにビビりながら言った。


「ちょっと、女月ちゃん、朝芽さんに厳しくし過ぎだよ!! もっと優しく行かないと!!」


「そんな事言ったって…… これが普段の私よ」


「尾神さんの普段って、厳しいのね」


「さすがは体育会系。そこだけは厳しい」


「麻子ったら、うるさいわね!!」


わたしに厳しく挨拶をしてきた尾神さんに対し、阪畑さんだけでなく、桜森さんも色々と言い返すと、それを聞いていた尾神さんは、どことなく恥かしそうに顔を赤く照らしていた。


「さっ、阪畑さん…… 尾神さんをからかっては、ダッ、ダメよ……」


「大丈夫だよ、私と女月ちゃんは昔からの友達なんだから。古くからの友達だからこそ、私達は色々と悩み事が出来たり、言い合ったり出来るんだよね。ねっ、女月ちゃん!!」


「そう言いながら、麻子は色々と好きに言い過ぎなのよ」


「良いじゃないの。私と女月ちゃんとの仲なんだから」


そう言いながら、阪畑さんは尾上さんの背中をポンッと気安く叩いた。


阪畑さんと尾神さんとの、お互いを気にする事無く色々と言い合えるのは、やっぱり2人の仲が良い良いと言う証なんだろな……


わたしにも昔からの友達に山田さんがいたけれども……


私と山田さんの関係は、今見ている阪畑さんと尾神さんの様に対等な関係ではなく、明らかに山田さんの方が上と言う感じで、決して対等な関係ではなかった。


もし、わたしと山田さんも、阪畑さんと尾神さんの様に色々とお互いの事を言える中であれば、絶縁な関係にはなる事がなかったかも知れない……


そう、今の私は思ってしまった。


「全く…… それはそうと、朝芽さんはダンスは踊れるの?」


「だっ、 ダンスですか!? わたしは、運動が苦手で、ダンスは踊れないです……」


「そう? じゃあ、私達と一緒にアイドル活動をやるのであれば、少しくらいは踊れる様にならないとね」


「はっ、はい!! なんとか頑張ります!!」


「返事だけは良いみたいだけど…… 本当に出来るの?」


尾神さんは、わたしを睨む様な目付きをしながら言って来た。


「だから、女月ちゃん、朝芽さんに対して厳しすぎだよ!! 現に朝芽さんがビビってるじゃないの」


「まぁ、確かに厳しく思うかも知れないけど、このくらいで逃げ出していたら、アイドル活動なんて務まらないわよ」


「女月ちゃんったら、そう言っちゃって…… 歌に関しては音痴な癖に」


「なっ、何よ!! 今は別にどうでも良い事じゃないの!!」


「どうでも良い事なんかじゃないよ。向こうにいるのは歌が物凄く上手いと言われている朝芽さんだよ。女月ちゃんは、そんな朝芽さんから歌のレッスンを受けたいんでしょ? だったら、朝芽さんに優しくしないといけないね」


そんな怖い感じの尾神さんに対し、阪畑さんは再度、尾神さんをからかう様な感じで色々と言い始めた。


「あっ、あの~ 尾神さんって、歌のレッスンが必要なくらい、歌が下手なのですか?」


わたしは、失礼かと思いながらも、尾神さんに歌が上手くないのか聞いてみた。


「べっ、別に下手とかじゃないわよ!! ただ、麻子や桜森さんにみたいに上手くなかっただけよ!!」


「またまた、女月ちゃんったら、そんな事言っちゃって、ダンスが得意で粋がっていた反面、歌が下手なのはそろそろ認めましょうよ」


「あっ、あの、尾神さんは、ダンスは得意なのですか?」


「まぁ、得意な方ね。一応、私達のアイドル活動においては、ダンスの振り付けや指導は、女月ちゃんがやってくれているんだよ」


「なるほど、凄いですね尾神さん! 指導も出来るなんて」


「そっ、そう…… ありがと」


アイドル活動のダンスの振り付けを担当していると阪畑さんから聞いたあと、わたしは人に教える事が出来る尾神さんが凄いと思い、恐く苦手なタイプの人であるが、ほんの少しばかり尊敬をしてしまった。


 そして、桜森さんと尾神さんの簡単な自己紹介を終えた後、最後は阪畑さんの自己紹介が始まった。


「もう知っていると思うけど、私の名前は阪畑麻子、麻子って呼んでくれたらいいから」


そう言って自己紹介をする阪畑さんは、茶髪ロングの髪型の前髪の左側にヘアピンを止めている髪型をしている、普通に誰が見ても可愛い感じの人である。


「はっ、はい。それよりも、阪畑さんも、桜森さんや尾神さんの様に、何か役割はあるのですか?」


「私? 私はこのアイドルグループのリーダーだよ」


なるほど、阪畑さんがリーダーをやっていたのですね。


「あれ? リーダーは私じゃなかったの?」


「わたくしも、てっきり尾神さんがリーダーかと思っていましたわ」


しかし、尾神さんと桜森さんは、阪畑さんリーダーだとは思っていなかった。


「おいおい、それはないよ。私が最初にやると言い出したから、私がリーダーでいいでしょ!」


「まぁ、確かに最初にアイドル活動をやると言い出したのは麻子だし、別にリーダーぐらい譲るわよ」


「そうですわね。麻子さんなら行動力もありますし、リーダーに向いているかと思いますわ」


「そう? じゃあ、私がリーダーをやるね」


そんな感じの気軽な会話で、阪畑さんはリーダーと決まった。


 そして、桜森さん、尾神さん、阪畑さんの簡単な自己紹介が終わると、いよいよ本題である、この日の練習が始まった。


「せっかくだしさ、今日は歌の練習をやろうよ」


「そうね。せっかく朝芽さんが入って来てくれたのですから」


「確かに、歌の練習が良いかもね。私も一度は朝芽さんの歌声を聞いてみたいと思っていたし」


「そうだね。じゃあ、今日は朝芽さんの歓迎会をかねて、今からカラオケに行こう!!」


えぇ、いきなりカラオケに行くのですか?


練習は? と思いながらも、わたしは、阪畑さん達と一緒に、カラオケボックスへと向かった。


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