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1章 2話
「……て、……ぅ」
――――(…なんだよ)
「……てよ、……ょう」
――――(うるさいな)
「……おきて! リョウ!」
「……っ! ……アサヒ。おまえ、なんでいんだよ」
「なんでってアンタ、今日も講義サボったでしょ!……いい加減真面目に来ないとそろそろヤバイよ」
「……うっせーな、わかってるよ」
「わざわざ課題持ってきてあげたんだから、感謝しなさいよね。てか部屋きったな……」
テーブル上の置時計に目をやると、画面のデジタルは1632を指していた。もう夕方じゃねーか……。
「……ったく、このままじゃアンタ、また留年しちゃうよ」
「……大丈夫だよ。必修だけは最低限行ってるし」
「……はぁ。もう、明日はちゃんと来なさいよね。じゃあ私、バイト行くから。あっ、課題、ちゃんとやっとくのよ!」
「……あぁ」
オカンみたいな同級生、早川麻妃は嵐のように去っていった。あいつ、相変わらずお節介だな……。
「……やべ、俺もバイト行かねーと」
寝起きからやや疲れながら、気怠い体に鞭を打った。