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五十七章
「しいなッ!!」
「シイナッ!!」
「ここは……」
しいなが目を開け、辺りを見渡した
「ここは、お前の家だぞ……」
「………あなた達は誰?」
「えっ……」
「ッ!!」
しいなが目を覚まして口にしたのが、まるで、記憶喪失の人のようだった……
「嘘だろ……」
信じたくないが、これは現実でしかなかった
―――――――――――
セリニさんがとりあえず自己紹介をしようと言い、俺たちは自己紹介を始めた
「俺はタカトで、こちらの外国人の方がセリニさん」
「私は、里秋です」
里秋と名乗ったしいな。しいなの苗字かと思ったのだが、セリニさんが小声で「しいなの苗字が違う」と呟いているのが聞こえた
「里秋さんは、今まで何処に?」
「学校…………」
「学校か……」
「そう、そして学校の屋上にいたら………………誰かが私を……………」
若干、体を震わせながら語る里秋さんを見たセリニさんは、優しく声をかけた
「無理に話さなくても大丈夫だからな」
「………」
それ以上里秋さんは何も喋らなくなった
一体しいなが何処にいるのか、もしくは、あの時に本当に死んでしまったのか……
全てを謎に包ませたまま、この日は幕を閉じた




