五十六章
しいなが死んだ……
そう、俺らの前で死んだんだ
赤い、赤い血を地面に溢れさせながら、死んだんだ
真っ赤に染まる大地、息なんてしてない……
それなのに、しいなは最期に言ったのは、『しいなの家に集合すること』だった……
セリニさんがしいなを担いで山を降り、俺も一緒に下山した
滅多に人が入らない森だったからか、人に会うことなくしいなの家に着けた
家に入ると、やはりガランとしていて、この家の主人がいないだけでこんなにも違うのかと思った
「着いた……な」
「セリニさん……しいなは、何故俺たちにここに来るよう言ったのでしょう」
「さぁな……シイナは………よくわからない人だったから」
確かにそうだ。自分が本来やらなければならない仕事(ユルクラスト談)を俺たちに押し付ける位だ、ただ人生をイタズラに惰性的で怠惰を貪り、人々に対して諦めの感情を醸し出しながら見ていた
セリニさんは、しいなを取りあえず床に寝かせた
「シイナは……」
「はい」
「シイナは、生きている」
「はい………………………………………ハァッ!?」
ちょっ、セリニさん!?
「昔、シイナから聞いたことがあるんだ。シイナの本体は、違う場所にあるって……」
「えっ!?じゃあ、しいなは生きて」
「可能性はなくもないが、どうなるかはわからない……」
「それでも、しいなは生きて……」
あれ?でもまて……じゃあ、今まで俺たちと一緒にいたしいなはどうなるんだ?しいなは………
「う゛……」
グルグルと考えていたら、急に声がした
それは、しいなの声だった




