五十五章
「シイナッ!!」
しいなを攻撃した蔓のようなモノを斬ったセリニさんは、しいなを抱き起こした
「不覚……とった……」
「不覚とかの問題じゃねぇーだろッ!!」
血が沢山溢れて、しいなのいる地面が赤く染まる
「カエル……ごときに……」
「カエル?」
「ミジェルナ………人間型の……カエル……ゴフッ」
「喋るなッ!!今、救急車呼ぶからッ!!」
「呼ぶだけ………無駄………」
「無駄じゃねぇーよッ!!」
「わかって……………ない………のね………電気………食べて………ゴフッ、ゴフッ!!……電話……むり……」
多分、電気を食べる違う世界の住人がいるから電話は無理だと言いたいんだろうが、それは、言葉にならない
「………あぁ…………とりあえず………眠い………なぁ……」
「眠るなッ!!」
その眠りは、永久の眠り。寝てはならぬ眠り……
だから、声をあらげてでも止めようとした
「お前たち………は……下山…………後で………家………しゅ……………ご……」
そう言うや否や、しいなの腕は重力に逆らう事を止め、血溜まりに落ちた。落ちた手は、ピシャッと音をたて、血を少し跳ねさせた
それは、眠りについた証拠……
この後、俺は叫びながら泣いた。泣いた所で、何の解決にもならないが、泣くしかなかった
今まで、巻き込まれたのに、巻き込んだ相手が死んだら清々するハズなのに、俺は泣いていた……
セリニさんは、そんな俺の手を引っ張って下山した。
セリニさんの手や肩は、震えていた……




